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【4177】 | RE:【黒猫倶楽部】〜ミステリを語りません ころころ (2011年03月31日 16時34分) |
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メルカトルさん、お部屋の皆様こんにちは。 「桜宵」が終わりましたので、感想を書きにまいりました(^^) さて、工藤マスターの「香菜里屋シリーズ」第2弾である本書。 1作目の「花の下〜」よりも、よりそれぞれの短編に登場する主人公達の心情を追う表現が 細かく描かれている印象を受けました。、 1作目よりも人間の心模様、メンタル部分に重きを置かれていて、 「人の心」を美しさも醜さも、善くも悪くも深く掘り下げているように感じます。 あくまで傍観者からの立場での安楽椅子探偵である「超えてはいけない領域を侵さない」はずの 工藤が、「桜宵」のなかの最後の話では違うのではないか?と ドウコクさんの仰っていた件ですが、私なりの解釈ですと、 あれは工藤の店であり城である「香菜里屋」以外の場所でのことであるので 正確には工藤のスタンスである「店側=客」の関係はイレギュラーであったと思います。 工藤にしてもヘルパーなだけであり、実は客側の立場でもありましたから、 「自分の料理に余計なものをいれるな」的な発言も許される気がしました。 「旅人の真実」では工藤マスターのプライベート部分の垣間見えた話。 工藤の親友のような戦友のようなバーテンダーさんの登場が、見逃せませんでした(^^) この「桜宵」も「花の下〜」同様、この本の中での1作目に出て来る登場人物が 最後の話で再登場して結びとなっている形で締められます。 これが北森氏の連作短編におけるテイストなのかな?と感じました。 次回作「螢坂」でも、そうなのかしら?(^^) 余談ですが…。 先日書いた、「ふたたびの虹」を思い出させるもの。 緑の桜は表題作「桜宵」の中に。 そして4編目の「旅人の真実」というなかにもうひとつ。 工藤が供する「松茸の土瓶蒸し」のくだりにこのようなものがあります。 “土瓶蒸しは季節を終わろうとする鱧と季節が始まろうとする松茸とが ギリギリの接点を持つことによってのみ生み出される奇跡の料理” これ、「ふたたびの虹」でも女将が同様の事をいってましたよね? “終いの鱧と走りの松茸がひとつの土瓶の中で出会う”というようなこと。 1冊の中で2つも同じ「小物」が使われていたので、実に驚きです。 余談その2。 「桜宵」に出てきた料理で私が興味を惹いたものに「桜飯」がありました。 これから、蛸の美味しいシーズンですし、ひとつ私も作ってみようかなと 思っています(^^) 上手く出来ますかどうか♪ さて、本日より「螢坂」。 では、また(^^)ノ |
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【4182】 |
メルカトル (2011年03月31日 23時07分) |
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これは 【4177】 に対する返信です。 | |||
ころころさん、こんばんは。 >1作目よりも人間の心模様、メンタル部分に重きを置かれていて、 >「人の心」を美しさも醜さも、善くも悪くも深く掘り下げているように感じます。 ほぉ、それは興味深いですね。 確かに前作では、それぞれの登場人物や常連客の心理面に関して、それ程深く突っ込んだ描写はなかったよう気がします。 シリーズニ作目ということで、作者も工夫を凝らしているわけでしょうか。 これも一種の読者に対するサービス精神の表れかもしれませんね。 >あれは工藤の店であり城である「香菜里屋」以外の場所でのことであるので >正確には工藤のスタンスである「店側=客」の関係はイレギュラーであったと思います。 この記述に関しては、未読である私には何も述べられません、ドウコクさんのご意見をお待ちしたいと思います。 >「旅人の真実」では工藤マスターのプライベート部分の垣間見えた話。 >工藤の親友のような戦友のようなバーテンダーさんの登場が、見逃せませんでした(^^) そうですか、そんな新たなキャラクターまで登場しているんですね。 本作では、北森氏が本シリーズをさらに進化させようと、或いは深みを持たせようとしている努力のあとが垣間見えるようです。 >1冊の中で2つも同じ「小物」が使われていたので、実に驚きです。 上梓された年代から言って、北森氏のほうが『ふたたびの虹』を下敷きにした可能性がありますね。 もしかしたら偶然なのかもしれませんけど、それにしては出来過ぎの感があります。 >「桜宵」に出てきた料理で私が興味を惹いたものに「桜飯」がありました。 これは蛸から出汁をとった、蛸飯のようなものでしょうか。 それにしても、やはりシリーズ物は安定感がありますし、美味しい料理が登場する小説はある意味貴重だと思いますね。 個人的にも、何気ない食事風景でも結構印象に残るほうですので、本作もとても興味深い作品ではないかと想像します。 マスターの人となりも語られるようですし、今後の候補として頭に入れておきます。 なお、心理テストはCでしょうかね。 ドロドロした人間ドラマの方がよりワクワク出来そうですから。 Cが犯人なら、そうしたストーリー展開が見られる気がしますので。 ではまた ^^ |
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