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【2554】 | RE:白髪鬼 ドウコク! (2010年05月21日 22時35分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >歌野氏は島田荘司氏宅を訪ねて、それをきっかけに島田氏に推される形でデビューを果たした作家です。 >勿論ご存知だと思いますが、いわゆる「新本格」第一期の作家でもあります。 歌野氏、デビューのそのエピソード、凄いですね。 よほど島田氏に認められたのですね。 「新本格」第一期、とは知りませんでした。(というか、この言葉自体も、そんなに分かっているわけではないのです。) 綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎、有栖川有栖なんかがそれに当たるのでしょうか。 >デビュー作の『長い家の殺人』は、ロックファンにはニヤリとさせられる記述がありますよ。 これは楽しみが増えました。 江戸川乱歩「白髪鬼」、つづき。 >個人的には、乱歩は怪奇色の濃い探偵小説、横溝氏は田舎の古い因習や伝説を取り込んだ本格ミステリといった印象があります。 なるほど、上手い表現ですね。 両者の特徴を良くとらえている、と感じました。 「白髪鬼」概要。 これは、恐怖のために一気に髪の毛が真っ白になってしまった男が、文字通り「復讐の鬼」と化す物語です。 (何が「白骨鬼」なのか、よく分からない歌野氏と、そこが違う。) ふと目覚めれば、そこは棺桶の中。 どうやら、「死」と判定された後に、自分は奇跡的に蘇生したらしい。 死力を振り絞り、そこを脱出するも、そのときのショックで、髪は一挙に白くなる。(男はまだ若い) そんな状況に陥ってしまった経緯を振り返れば、自分を陥れた者がいたことに気づく。 そして、ひょんなことから大金を手に入れた男は、すっかり容貌が変わってしまったことを利用して、 相手に近づき、復讐を開始する。 生きたまま埋葬された自分と同等の恐怖を、味あわせるために。 ストーリーは、確かこんな感じでした。 (だいぶ忘れているので、もしかしたら違う部分もあるかも知れないですが。) 当然、ハイライトは、「生きたまま埋葬された自分と同等の恐怖を、味あわせるために。」になります。 ここが凄かった記憶があります。 |
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【2560】 |
メルカトル (2010年05月21日 23時37分) |
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これは 【2554】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >歌野氏、デビューのそのエピソード、凄いですね。 よほど島田氏に認められたのですね。 自宅まで押しかけるほどの情熱と、その時持参した自作の構想が認められたようですね。 >綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎、有栖川有栖なんかがそれに当たるのでしょうか。 そうですね、その通りだと思います。 ちなみに第二世代には麻耶雄嵩氏、二階堂黎人氏らが、第三世代には京極夏彦氏がいます。 > ふと目覚めれば、そこは棺桶の中。 どうやら、「死」と判定された後に、自分は奇跡的に蘇生したらしい。 > 死力を振り絞り、そこを脱出するも、そのときのショックで、髪は一挙に白くなる。(男はまだ若い) 一見すると荒唐無稽にすら感じられますが、乱歩が書くとそれなりに文学として通用してしまうんですね。 私は個人的に、乱歩は本格ミステリを書かせるより、ホラーを書かせたほうが、より実力を発揮するのではないかと思っている一人です。 本作もそういった私の身勝手な思いを、体現してくれているようですね。 > そんな状況に陥ってしまった経緯を振り返れば、自分を陥れた者がいたことに気づく。 > そして、ひょんなことから大金を手に入れた男は、すっかり容貌が変わってしまったことを利用して、 > 相手に近づき、復讐を開始する。 このレスを読ませていただく限り、まさにホラー小説の世界ですね。 乱歩はやはりミステリより、この手の小説の方が得意なのではないかと勝手に思い込んでいます。 それにしてもなかなか面白そうなストーリーですね。 何度も読み返されたのが分かる気もします。 機会があれば読んでみたいと思います。 ではまた ^^ |
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