返信元の記事 | |||
【1908】 | RE:【黒猫倶楽部】〜ミステリを語りません ころころ (2010年03月12日 21時32分) |
||
●メルカトルさん、こんにちは。 「鉄鼠の檻」 読了しての感想を述べます。 「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」の2作品を経てこちらは一番、宗教色どっぷりの世界でした。 とはいえ、実は私的に一番読みやすかったのです。 京極作品に慣れて来たから? 京極氏も作品を重ねる毎に、誰にでも理解しやすい書き方になって来たから? それもあるにしても、私は元々仏教ものの物語を好きでよく読んでいたころがあるのです。 舎利佛や枷葉や阿難などの釈迦の弟子の名前も少しなじみがあります。 ですから、禅も真言も予備知識が少しあるし仏教の根幹も少しわかるので、 理解しやすかったのかも知れません。 さて、後半、いつものごとく一気に解決に向かってストーリーが凝縮されて進むのですが、 まず、犯人。いわゆる「殺人」という意味での加害者。 これ、私、ストーリー中程の2人目、トイレでの被害者が出たあたりから察しがついてしまいました。 そして、合ってました。 ただ、「見立て」のために動いていたのはその当人ではないだろうなと思っていて、 結果それもそのとおりでした。 そして「鈴」。 これもね、正体が初めからそうなんじゃないだろうか?と思ってた通り。 今回、随分勘が働いてしまいました。 次に、京極堂の立ち位置と立ち回り。 後半、事件に関してかかわることの彼の気が進まない最大の理由がはっきりしたわけですが、 まさか「勝ち目がない相手」なるものの存在があるとは驚きましたね。 憑き物落とし、陰陽師の手腕の弱点があるなんてねぇ。 それと、今回話でのみでて来た唯一彼を叱れる立場の「明石先生」なる人物。 非常に興味があります。 さて、それにしても感想を書くのが難しい。 公の掲示板で宗教批判はデリケートですし(笑)その他にネタバレしないように 話に触れることのなんと難しいことよ。 メルカトルさんが最初に仰っていた「救われる人が出て来る」というのも納得。 でも救えなかった人もありましたね。 とかく人間の業の深いことよ(笑) そうそう、鼠の正体!ちゃんと最後の方に出てましたよ! あの蔵の書庫の中身がダメだったってところで。 カピバラではなかったにしろ私の予想は大きくはハズれてなかったみたい(^^) ちょっと長くなりましたのでおいおい続きをまた書きます。 今日から「百器徒然袋〜雨」をバッグにいれています。 では、また(^^)ノ |
■ 9,999件の投稿があります。 |
【1916】 |
メルカトル (2010年03月12日 23時14分) |
||
これは 【1908】 に対する返信です。 | |||
ころころさん、こんばんは。 大長編の読了、お疲れ様でした。 >とはいえ、実は私的に一番読みやすかったのです。 それは私も感じました。 禅問答等で、一見取っ付き難い印象を受けますが、大長編にも拘らず意外と読みやすいのではないかと思います。 各場面場面で、キャラが上手く配分されていたのも、その一因と言えるかもしれませんね。 それにころころさんには、仏教の素養がおありだったということで、一般の読者よりも全体を把握しやすかった事も大きいのではないかと思います。 同じく私も大学時代に仏教について少し齧った事がありますので、割合すんなりと入り込めました。 >これ、私、ストーリー中程の2人目、トイレでの被害者が出たあたりから察しがついてしまいました。 ほう、そうだったんですか。 私は鈍感なのか、皆目見当がつきませんでしたね。 本作は世間一般の評価からすると、犯人を隠蔽する事に関してはあまり拘泥していなかった分、真犯人の見当がつきやすいと言われています。 まあ、それでも見事に騙された私は幸せな読者とも言えるかもしれません。 >そして「鈴」。 >これもね、正体が初めからそうなんじゃないだろうか?と思ってた通り。 これは私も予想通りでした。 作者もとくには隠そうという意思もなかったのでは?とは思いますけどね。 >でも救えなかった人もありましたね。 これはストーリーの構成上やむをえない部分もあると思います。 榎木津の言動が、結果的に死者を増やしてしまったのは少々残念に思えますが、殺害の動機を考えると仕方ないのかなと。 >そうそう、鼠の正体!ちゃんと最後の方に出てましたよ! そうでしたか、それは失礼しました。 完全に失念していました。 気が早いですが次は『絡新婦の理』でしょうかねー。 ではまた ^^ |
|||
© P-WORLD