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【1442】 | RE:ドサ健ばくち地獄 ドウコク! (2010年01月16日 22時03分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >どんな社会にも、表が存在すれば裏もあるという事を麻雀や小説を通して体現した人 ふーむ、誠におっしゃる通りだと思います。 阿佐田哲也名義では、裏の社会・社会の裏を、丁寧に描写していたと思います。 ゴールデンゼウスさんご指摘の、本名の方の色川武大名義の方がどうだったのかは、私には分かりません。 だって、書店でこの名義の本を見たことがないですから。(絶版なのかなー?) ところで、阿佐田氏は多分、本当は“坊や武”と呼ばれていたのでしょうね。 さて、「ドサ健ばくち地獄」、続き。 本作のクライマックス、陳や浜辰とのドサ健の最後の勝負。 作者の熱の入った描写に加え、劣勢に立たされたドサ健が、勝負への執念を見せてチョンボを繰り返すくだりなども、意外で見事だと 感じましたが、それより何より、このラストで私が最も印象に残っているのは、次の一点です。 それは、 「最初の方に登場していた人物が、ものの見事に最後には消えてしまっていること。」 です。 普通の小説なら、最初の方に登場している人物と主人公は、紆余曲折を経ながら、最後に「宿命の対決」をする筈です。 その方がストーリー的には盛り上がるからです。 しかし、作者はそうはしませんでした。 小説の世界的なセオリーを、敢えて破ってまで、 メルカトルさんのご指摘の通り、「転落への教訓」、「博打の現実、苦さ」を伝えたかったのかな、と思いました。 「読者よ、博打を面白いと思うかも知れないが、結局はこうなるんだよ。 最後まで生き残るのは、こんな人でなしばかりで、そして、その勝負の結果だって、こんな醜いものなんだよ。」みたいな。 そこに、作者の優しさとエンターテインメント性の融合を見た、と言ってはホメ過ぎかも知れませんけど。 まあ、いずれにしても、ドサ健は期待に違わずの活躍をし、魅力的だったのは確かだと思います。 明日は、「シャドウ」にします。 では、少し早いですが、おやすみなさい。 |
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【1448】 |
ゴールデンゼウス (2010年01月17日 01時00分) |
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これは 【1442】 に対する返信です。 | |||
ドウコクさんこんばんは。 色川武大の名義の本は東京では紀伊国屋や八重洲ブックセンターという大きな本屋に行けばあります。 >坊や武と呼ばれていたのかな? タケちゃん、坊やだったそうです。 阿佐田哲也のペンネームの由来はご存知でしょうか? 昔は雀風子というペンネームで週間大衆という雑誌に コラムを書いていて、その頃からナルコレプシーの病気が出始めて、治療費を稼ぐためにもっと執筆活動をしなければならなくなったようなのですが、その際 新しいペンネームが必要となり、考えていたのですがいい名前が思いつかなかったそうです。 色川氏はその頃はまとまったお金が入ると競輪に行き、生活費はもっぱら麻雀で稼いでいたそうで、連日徹夜麻雀が続き、ある時朝方雀荘をでて「もう朝だ、また徹夜だ」と一人つぶやき、(朝だ、徹夜だ)→(阿佐田哲也)と決めたとお好み焼き屋さんで言ってました。(笑) そうですか、ドウコクさんも洋画が好きですか。 私もルノアールは好きです。印象派は比較的モネとかも好きですよ。 お気に入りはフェルメールとルネッサンスの頃のラファエロ、ティッツィアーノかな。 又、今度ゆっくり話しましょう。 |
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【1447】 |
メルカトル (2010年01月16日 23時14分) |
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これは 【1442】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >だって、書店でこの名義の本を見たことがないですから。(絶版なのかなー?) 絶版の小説もあるかもしれませんが、私が最も立ち寄る書店には色川氏名義での小説が何作か在庫として並んでいたのを見たような気がします。 曖昧な記憶なので、相当以前のお話かもしれませんけど。 >「最初の方に登場していた人物が、ものの見事に最後には消えてしまっていること。」 あれだけ多数の登場人物が全て消えていくさまは、博打の世界で生き残ることがいかに難しいかを、身をもって知っている著者にしか書けないストーリー展開だったのかもしれませんね。 >「読者よ、博打を面白いと思うかも知れないが、結局はこうなるんだよ。 >最後まで生き残るのは、こんな人でなしばかりで、そして、その勝負の結果だって、こんな醜いものなんだよ。」みたいな。 そうですね。 博打での本物の勝利者とは何か、という命題を作者は自分自身に問いかけながら執筆したのではないかと思います。 そして辿り着いた結論の一つがこの小説だったのかもしれないですね。 これこそが本当の「地獄」なのだと言いたかったのではないか、そんな気もします。 ではまた^^ |
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