返信元の記事 | |||
【1207】 | 悪霊島 ドウコク! (2009年11月27日 21時57分) |
||
メルカトルさん、こんばんは。 >ただただ面白いから 横溝作品、まさに「魔力」と表現するしかない、と感じています。 メルカトルさんのこの表現、言いえて妙、ですね。 >特に草刈正雄が儲け役で結構いい味を出していたように思います。 これも同感です。 以前、「蘇る金狼」でスカした役を演じていたので、いけ好かない俳優かと思っていたのですが、 こんな役(「病院坂〜」)もやれるんだ、って思った記憶があります。 その後、大河ドラマなどで、実に渋みのある人物も演じていて、この役者さん、私は好きになりました。 さて、本日から、「悪霊島」。 こちらは、「ミステリ的」に言えば、「病院坂の首縊りの家」を更に下回る作品だと思うのですが……。 それでも、やはり好きですね。 理由は、多分、「横溝氏の最後の長編」といった、感傷的な部分が一番大きいとは思うのですが、 それを除くなら、メルカトルさんが以前、「京極作品」を評しておられた言葉が当てはまる、かと思います。 いわく、本作は、「エンターテインメント作品」であると。 この作品は、横溝氏の本意や感想は、もはや分かりませんが、「ミステリ」として論ずるより、 怪奇要素満載・サービス精神横溢の、「恐怖娯楽小説」だ、と私は捉えています。 横溝氏初期の、「鬼火」、「真珠郎」のような。 明日は、多分、「ひとまず」本作品への批判になると思います。(でも、最後にはホメるつもり) |
■ 9,999件の投稿があります。 |
【1208】 |
メルカトル (2009年11月27日 22時48分) |
||
これは 【1207】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >横溝作品、まさに「魔力」と表現するしかない、と感じています。 これはね、実は他のどの作家にも当てはまらない表現方法なのだと、個人的には思っているのです。 この「魔力」は横溝作品にしか備わっていない、魔物のような魅力とでも言いましょうか、とにかくそれ程偉大な作家だったのだと今でも実感しています。 >こちらは、「ミステリ的」に言えば、「病院坂の首縊りの家」を更に下回る作品だと思うのですが……。 私も同感です。 登場人物の多さや、人間関係の複雑さは相変わらずですが、作品の出来は横溝氏の全盛期には遠く及ばないと思わざるを得ませんね。 >いわく、本作は、「エンターテインメント作品」であると。 確かに随所に横溝氏らしさは出ているものの、トリックらしいトリックも見当たりませんし、むしろ人間ドラマや人間の業の深さに重点を置いている気がします。 だから謎解きや犯人探しといったミステリ的な要素を本作に求めるのは、間違った見方なのかもしれませんね。 残念なことですが。 >この作品は、横溝氏の本意や感想は、もはや分かりませんが、「ミステリ」として論ずるより、 >怪奇要素満載・サービス精神横溢の、「恐怖娯楽小説」だ、と私は捉えています。 >横溝氏初期の、「鬼火」、「真珠郎」のような。 『鬼火』や『真珠郎』のほうがまだミステリ的要素を多く含んでいる気がします。 ただ、確かにおっしゃるように、雰囲気はこの二作品に通じるものがあるのかも知れませんね。 原点回帰という解釈になるわけでしょうか。 ではまた ^^ |
|||
この投稿に対する 返信を見る (2件) |
© P-WORLD