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【7259】 | RE:イヤミス ドウコク (2013年06月12日 22時59分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >掟破りではないと思います。 >どの密室講義を読んでみても、掲載されているはずですよ。 そうだったのですか。 ここは不勉強で知りませんでした。 というか、そういう談義はカーのをちゃんと読んだくらいで、後は出てきてもいい加減にナナメ読みしています。 「どうせ、今回のには関係がないだろう。」みたいに感じて。 >私はそれほど動機を重視するほうではありませんので、そこまで気にしませんが、 私も、「『アリスミラー城』殺人事件」ほどヒドくなければ、OKなのですが。 (「彼女は存在しない」もヒドかったけど。) 逆に、動機が納得できれば、その作品の評価が大幅に上がる、という感じです。 その意味で、私には重要かな。 さて、「イヤミス」について。 >しかし、イヤミスの先駆的作品なら戦前から結構書かれているのではありませんかねえ。 なるほど、確かにありそうですね。 よくは知らないですが。 その時代なら洗練されていない分、何でもアリで今よりもっとエゲツナさそうです。 (今の作家は、何だかんだと言いながら、どこかセーブをかけていそうな気もするし。) >だから、横溝氏の描くミステリはあくまで文学なんですよ。 >異端とは言え、やはり一種の文学小説と捉えるのが正しい気がしますね。 上手い表現です。 まったくもって、同感です。 おどろおどろしい事件内容とは裏腹に、道中の感触や読後感はどこか柔らかい。 結末があまりにも皮肉で可哀そうだった「獄門島」でも、 金田一耕助・最初で最後の恋なんかがあったり。 この金田一耕助の存在も大きいのでしょう。 ……といったようなテイストを、「イヤミス」の作家の方々に望むのは、無理とは分かっているのですが、つい比べてしまいます。 |
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【7261】 |
メルカトル (2013年06月12日 23時32分) |
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これは 【7259】 に対する返信です。 | |||
ドウコクさん、こんばんは。 >というか、そういう談義はカーのをちゃんと読んだくらいで、後は出てきてもいい加減にナナメ読みしています。 そうですか、それはいけませんね。 私はとても興味深く読ませてもらってますけど。 何か、好きなんですよね、そうした講義というか分類が。 読んでいて、ああこの人もミステリが心から好きなんだなと思えて、微笑ましい感じがしますよね。 それと、ミステリ小説が実名で出てくるのも好ましく思います。 いかにもミステリ作家が書いているなと実感できますからね。 >逆に、動機が納得できれば、その作品の評価が大幅に上がる、という感じです。 意外な動機もアリかなと思います。そんなことで殺人を犯すのかといった、どちらかというと観念的なものとか。 例えば、ご存じないかもしれませんが、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』なんかは面白いと言ってはいけないでしょうが、個人的には好きです。 そんなことで人を殺しちゃいかんだろう、とは思うんですけど。 動機を探偵が解明せずに、犯人の告白に任せるのはちょっとどうかという気もしますね。 >その時代なら洗練されていない分、何でもアリで今よりもっとエゲツナさそうです。 いろいろえげつないのが沢山ありますよ。 例えば、イヤミスとは違いますが、自分の恋人をあの手この手で自分の手のひらに乗るサイズまで小型化する、という訳のわからない話もありました。 オチはどんなのだったか、今は思い出せませんが。 殺人を犯した後、死体を5分割して、あれこれ積み木のようにして弄ぶとか。 無茶苦茶ですね、もう。 >おどろおどろしい事件内容とは裏腹に、道中の感触や読後感はどこか柔らかい。 それは、横溝氏という人が意外にモダニストだったことに由来するのかもしれません。 ドロドロしたストーリーの中に、金田一耕助という飄々とした人物を投下することによって、オドロオドロを上手く中和させている感じがします。 江戸川乱歩のように、徹頭徹尾グロさを追及しているのとも違いますし。 横溝作品の中には、どこかにチラッと理知的なものを忍び込ませることによって、恐ろしさだけではない印象を読者に与えているのではないでしょうか。 その辺り、うまくバランスが取れていると思うんですよ。 だから、他の人にはちょっと真似できないのではないかなと。 >……といったようなテイストを、「イヤミス」の作家の方々に望むのは、無理とは分かっているのですが、つい比べてしまいます。 比較しても詮無いことですね。 横溝氏みたいな作風を書ける作家は、今見渡してもいないですから。 それだけ偉大な作家だったということですよ。 ではまた ^^ |
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