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【2560】 | RE:白髪鬼 メルカトル (2010年05月21日 23時37分) |
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ドウコク!さん、こんばんは。 >歌野氏、デビューのそのエピソード、凄いですね。 よほど島田氏に認められたのですね。 自宅まで押しかけるほどの情熱と、その時持参した自作の構想が認められたようですね。 >綾辻行人、我孫子武丸、法月綸太郎、有栖川有栖なんかがそれに当たるのでしょうか。 そうですね、その通りだと思います。 ちなみに第二世代には麻耶雄嵩氏、二階堂黎人氏らが、第三世代には京極夏彦氏がいます。 > ふと目覚めれば、そこは棺桶の中。 どうやら、「死」と判定された後に、自分は奇跡的に蘇生したらしい。 > 死力を振り絞り、そこを脱出するも、そのときのショックで、髪は一挙に白くなる。(男はまだ若い) 一見すると荒唐無稽にすら感じられますが、乱歩が書くとそれなりに文学として通用してしまうんですね。 私は個人的に、乱歩は本格ミステリを書かせるより、ホラーを書かせたほうが、より実力を発揮するのではないかと思っている一人です。 本作もそういった私の身勝手な思いを、体現してくれているようですね。 > そんな状況に陥ってしまった経緯を振り返れば、自分を陥れた者がいたことに気づく。 > そして、ひょんなことから大金を手に入れた男は、すっかり容貌が変わってしまったことを利用して、 > 相手に近づき、復讐を開始する。 このレスを読ませていただく限り、まさにホラー小説の世界ですね。 乱歩はやはりミステリより、この手の小説の方が得意なのではないかと勝手に思い込んでいます。 それにしてもなかなか面白そうなストーリーですね。 何度も読み返されたのが分かる気もします。 機会があれば読んでみたいと思います。 ではまた ^^ |
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【2565】 |
ドウコク! (2010年05月22日 22時06分) |
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これは 【2560】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、こんばんは。 >ちなみに第二世代には麻耶雄嵩氏、二階堂黎人氏らが、第三世代には京極夏彦氏がいます。 お教え頂き、ありがとうございます。 なるほど。 今、私が思ったのは、第一世代が「本格+アルファ」、 第二世代(と言ってもちゃんと読んだのは、麻耶氏だけですが)が、「本格への挑戦=その定型を壊したい」、 だと感じました。(合っているかどうか、は別にして。 というか、合っていないと思いますが、一応、私の感想として。) 江戸川乱歩「白髪鬼」、つづき。 >乱歩はやはりミステリより、この手の小説の方が得意なのではないかと勝手に思い込んでいます。 これに関しては、私も賛成ですね。 メルカトルさんのご意見に、もろ手を挙げて賛成したいです。 ですが……。 私の場合は、「乱歩の怪奇小説を、より評価する。」というプラス評価の面よりも、 「乱歩の探偵or推理小説の実力は、現代の作家に劣るだろう、それなら、怪奇小説の方がまだ通用する。」という、 マイナス評価的な意味合いの方が、大きいです。 と、こう書くと、乱歩への悪口に聞こえそうですが、私の真意は、さにあらず。 「現代の作家の力量が素晴らしい。 それは、過去の作品への研究熱心も、理由の一つかも。 まあ、先達の域は超えただろう。」、です。 (「本格」という意味では、私はそのように感じています。) つまり、現代の作家への賛美、という意味です。 とは言え、乱歩とて、ミステリにおける、その功績は大いに評価されて然るべき、とは思いますが。 さて、「白髪鬼」、ラスト・シーン。 これは簡潔に記すと、「何とも表現できない感じを受ける。」、ですね。 “嫋々たる余韻”=「関ヶ原」や「悪魔の手毬唄」など、“後味の悪さ”or“果てしなき絶望感”=「慟哭」や「容疑者Xの献身」など、 いずれの言葉でも、的外れのような気がします。 この感覚を正確に表現したいので、本作は機会をみて挑戦したい、と思っています。 |
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