返信元の記事 | |||
【1208】 | RE:悪霊島 メルカトル (2009年11月27日 22時48分) |
||
ドウコク!さん、こんばんは。 >横溝作品、まさに「魔力」と表現するしかない、と感じています。 これはね、実は他のどの作家にも当てはまらない表現方法なのだと、個人的には思っているのです。 この「魔力」は横溝作品にしか備わっていない、魔物のような魅力とでも言いましょうか、とにかくそれ程偉大な作家だったのだと今でも実感しています。 >こちらは、「ミステリ的」に言えば、「病院坂の首縊りの家」を更に下回る作品だと思うのですが……。 私も同感です。 登場人物の多さや、人間関係の複雑さは相変わらずですが、作品の出来は横溝氏の全盛期には遠く及ばないと思わざるを得ませんね。 >いわく、本作は、「エンターテインメント作品」であると。 確かに随所に横溝氏らしさは出ているものの、トリックらしいトリックも見当たりませんし、むしろ人間ドラマや人間の業の深さに重点を置いている気がします。 だから謎解きや犯人探しといったミステリ的な要素を本作に求めるのは、間違った見方なのかもしれませんね。 残念なことですが。 >この作品は、横溝氏の本意や感想は、もはや分かりませんが、「ミステリ」として論ずるより、 >怪奇要素満載・サービス精神横溢の、「恐怖娯楽小説」だ、と私は捉えています。 >横溝氏初期の、「鬼火」、「真珠郎」のような。 『鬼火』や『真珠郎』のほうがまだミステリ的要素を多く含んでいる気がします。 ただ、確かにおっしゃるように、雰囲気はこの二作品に通じるものがあるのかも知れませんね。 原点回帰という解釈になるわけでしょうか。 ではまた ^^ |
■ 9,999件の投稿があります。 |
【1211】 |
ドウコク! (2009年11月28日 21時40分) |
||
これは 【1208】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、こんばんは。 メルカトルさんご指摘の、横溝氏「悪霊島」の「原点回帰?」についてなのですが……。 何度か私が引き合いに出している、横溝氏のエッセイ、それは「病院坂〜」の執筆中から執筆後のモノです。 そこで、読者から「自作ベスト10は?」の質問に答える回がありました。 それに対し横溝氏は、「自作を客観的に評価は出来ないが、売上順に並べさせていただくことで、回答とする。」とありました。 それによると、上位を占めるのは、「犬神家の一族」「獄門島」「八墓村」など、まさに錚々たる作品群。 しかし、8位以下に並ぶ「夜歩く」「迷路荘の惨劇」などには、やはり多少の不満を抱いていたようで、 「これから、ベスト10に入るべき作品を、3つは書くつもり!」と高らかに宣言されておられました。 その結果、上位群にも共通するオカルティズム(=恐怖性)をふんだんに盛り入れたい、というのがありました。 (まぁ、別にそれは上位群に限っての話ではないのですが) 「やはり読者は、コワい話・興味をそそられる話を求めている、だから、それを今後も提供するつもり。」という、 横溝氏のサービス精神満点の感想が添えられてあったので、その意味では、「“原点回帰”という表現は、正しいと思う」です。 (多分、執筆中かその直後に、「病院坂〜」の後半部分でコワい記述がなかった、ことへの反省と思われる。) ただ、その「原点」というのが、横溝作品全体の原点ではなく、金田一作品の原点という意味で「悪霊島」が書かれた、 と思います(あくまで私見)ので、その意味では、「“原点回帰”という表現は、正確ではない」と思ったのです。 以上、かなり理屈っぽいレスとなってしまいました。 おまけに長いし。 「悪霊島」、明日も続けます。 ところで、現在の私のレスの順番に、深い意味はありません。 一応、私なりの理由もあるのですが、それはころころさんへのレスをご覧頂ければ、と思います。 |
|||
この投稿に対する 返信を見る (1件) |
【1209】 |
ドウコク! (2009年11月27日 23時19分) |
||
これは 【1208】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、再びです。 >原点回帰という解釈になるわけでしょうか。 これは、私の解釈では、「そうでもあり、そうではない。」、です。 この辺りを、明日ご報告しようと思います。 では、おやすみなさい。 |
|||
© P-WORLD