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【2409】 | RE:【黒猫倶楽部】〜ミステリを語りません ゴールデンゼウス (2010年05月01日 00時09分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 今日は東京も穏やかな天気に恵まれ、いよいよGWに入りましたね。都心は車が少なくなり、空気も多少澄んだ感じです。 >連休中はよい天候に恵まれるようですので、存分に楽しまれますよう・・・。 ええ、そうですね。 これといって出かける予定はないのですが、のんびりするつもりです。 >まあ、読んだ事がないので何とも言いようがありませんが、社会派の第一人者と比較されるような大作家に高村女史もなりつつあるのでしょうか。 さあ、どうでしょうか。ただ、この作者には女性らしさを感じません。 女性には文章や表現の仕方等にもちょっとした、女性らしさや個性があるものですが、高村女史にはそれを感じません。 感じないというより、うまく消し去っているといったほうが、正解かもしれません。 昔、ウイスキーの宣伝で、「何も足さず、何も引かない」というのがありましたが、まさにそのままです。 小説は作者の主観や感情を、登場人物に移管して表れがちですが、そういったものがあると、読者の中には その匂いを敏感に嗅ぎ取って、イヤだと感じる方もいると思いますが、それがないので非常に読みやすいのです。 >さて、本日よりドウコク!さんに刺激されて、折原一氏の『放火魔』を開始。 >『偶然』・・・「振り込め詐欺」を題材にした、捻りの利いたキレのある作品です。 >ストーリーには触れられませんが、「偶然」というタイトルが肝になっています。 なるほど、偶然が肝ということは、あるとき本当に間違えて知らない家に電話をかけて、それが向こうも間違えて本当にお金を送ってきた。 そこからこれは十分いけると感じた主人公が詐欺を思いつく。 百発百中とはいかないにしても、数打てば成功率もあがる・・。 そんな感じのストーリーですか? 「放火魔」については想像しかねますが、母親が息子をパイロマニアだと知り、それを利用して犯罪か保険金詐欺を誘発するといったところでしょうか? それではまた。 |
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【2416】 |
メルカトル (2010年05月01日 23時51分) |
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これは 【2409】 に対する返信です。 | |||
ゴールデンゼウスさん、こんばんは。 >感じないというより、うまく消し去っているといったほうが、正解かもしれません。 『マークスの山』を読んだ際にもそれは感じました。 女性作家らしい柔らかい表現を敢えて避けているのではないかとの印象を受けましたね。 それは作家としての高村女史の矜持なのかもしれません。 >その匂いを敏感に嗅ぎ取って、イヤだと感じる方もいると思いますが、それがないので非常に読みやすいのです。 私個人としては女性らしい文章も決して嫌いではありませんが、作品のハードな内容に合わせたのだろうとは予想できますね。 高村女史の作風の多くはそういったものが多いようですが。 >そんな感じのストーリーですか? うーん、ちょっと違いますね。 犯人の二人組みははじめから「振り込め詐欺」目的である程度当たりをつけて電話を掛けます。 電話を掛けられた女性は自分の息子でないと知りつつ、要求額を用意するのですが、偶然にもその女性もある犯罪を犯している最中だったのです。 そして何よりも偶然だったのはなんと、犯人が本当の○○だった事です。 かなりぼかして書いているので分かり難いと思いますが、ネタバレになってしまうのでこのくらいで勘弁してください。 >「放火魔」については想像しかねますが、母親が息子をパイロマニアだと知り、それを利用して犯罪か保険金詐欺を誘発するといったところでしょうか? うーん、はっきり言ってしまうとこれまたネタバレになりますので、アレですが、なかなか鋭いところを突いていると思います。 注意深く読めば、放火魔の正体はある程度予想できるのではないかと思いますよ。 さて本日は『危険な乗客』と『交換殺人計画』の二編。 『危険な乗客』 列車の同じ車両に二人の殺人犯が居合わせる確率は1億分の1? 新宿発村上行の快速「ムーンライトえちご」で隣合わせた女性客。彼女の紙袋から漂う怪しいにおいの正体とは? といったトラベルミステリの形をとった、叙述ものです。 『交換殺人計画』 タイトルの通りです。 折原氏に「交換殺人」を書かせたらこうなった、みたいな感じで、その殺人計画のさらに裏に隠された陥穽を描いた作品。 皮肉な結末が、折原氏らしさを発揮しています。 ではまた ^^ |
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