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【1275】 | RE:獄門島 ドウコク! (2009年12月11日 22時16分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >ですから我々は日本に生まれて、さらには日本のミステリに出会えて幸せだと、思うべきなのでしょう。 まさに、おっしゃる通りです。 同感ですね。 さて、本作。 前回、私が挙げた点も、色々と議論の対象にはなるのでしょうが、 もう一つ、議論になりそうそうなものが。 それは、「犯人について」です。 これに関して、メルカトルさんは、どうお考えなのでしょう? 私の率直な感想は、「う〜ん、これは反則なんじゃないの?」でした。 「犬神家の一族」の犯人の、隠蔽の記述の仕方には感動しましたが、「獄門島」の方は、正直、「う〜ん」でした。 いや、これはこれで斬新なパターンだとは思いましたが、方向性が違っているのでは? つまり、エラリー派からすると、「犬神家」は許せても、 「獄門島」は、「そんな犯人、分かるわけないだろが!」ってツッコミがきそう、って意味です。 まぁ、「横溝氏は、エラリー派ではない。」と言われれば、それまでなのですけど。 それに、私にとって、本作は「そんなことは瑣末に過ぎない」と感じる傑作、という評価ではあるのですが。 (余談ながら、この犯人、横溝氏の奥さんが考えたそうです。) |
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【1276】 |
メルカトル (2009年12月11日 23時04分) |
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これは 【1275】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >それは、「犯人について」です。 >これに関して、メルカトルさんは、どうお考えなのでしょう? ドウコク!さんのおっしゃる通りだと思います。 例えば映画では、犯人が脚色で変えられています。 ということは、すなわち誰を犯人に設定しても別に問題ない事になりはしないか、と思わざるを得ません。 金田一耕助がある人物以外、どこから犯人を断定できたのか忘れてしまいましたが、他の登場人物でもある程度重要な役どころの人物ならば、誰でも犯人になり得ると私は思いました。 まあこの小説は、フーダニットは二の次で、ホワイダニットに重点を置いていた事は間違いない気がします。 なぜ三姉妹は殺されなければならなかったのか・・・ しかも俳句の見立てによって。 『獄門島』はこれに尽きると思います。 他にも移動する釣鐘の謎など印象に残るシーンはありますが、やはりこの作品には横溝氏の「殺人の美学」のようなものが行間から読み取れますね。 >つまり、エラリー派からすると、「犬神家」は許せても、 >「獄門島」は、「そんな犯人、分かるわけないだろが!」ってツッコミがきそう、って意味です。 犯人像としては問題ないと思いますが、やはり○○以外犯人を断定する要素が薄い気はします。 ですから、そういったツッコミはあって然るべきなのだと。 >それに、私にとって、本作は「そんなことは瑣末に過ぎない」と感じる傑作、という評価ではあるのですが。 分かりますよ、ええ分かりますとも。 本作は、横溝氏のベストに挙げる方も多いですし、戦後ミステリのベスト10に入ってもおかしくない不朽の名作と言っても良い作品だと思います。 ではまた ^^ |
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