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【1270】 | 獄門島 ドウコク! (2009年12月10日 21時52分) |
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メルカトルさん、こんばんは。 >見事に道具立てが揃っていますし、ストーリーも起伏に富んでいますので、様々な見せ場を展開できる事は間違いないと思いますね。 「悪魔が来りて笛を吹く」、都会の東京と、田舎の淡路島とに舞台が切り替わるところなんかも、視覚的には良いでしょうね。 さて、映像的には、田舎しか映らない「獄門島」ですが。 これは、以前にも書きましたが、もう何と言っても「★ちがいじゃが」の部分が、スゴすぎます。 これは、日本語でしか成立しないトリックですよね。 仮に外国語に訳するとしたら、 「日本語には、『助詞』というのがあって……、更に俳句には……。」みたいな感じでかなり注釈がついてしまい、 興を削ぐこと、おびただしいと思います。 また、その説明があっても、外国の人には完全には理解できないのではないでしょうか。 「犬神家の一族」の犯人を絞らせないトリックにも感服しましたが、 「日本独自のトリック」という点だけでも、私はこれを高く評価したいと思います。 他にこんな翻訳困難、という作品はあるのでしょうか。 ただ、残念なのは、これは、諸刃の剣、であること。 この「翻訳困難」のせいで、外国の方に評価してもらえない点ですね。 「俳句」といった日本独自の「見立て殺人」を使っているのに、その凄さが伝わらないなんて。 例えば、「僧正殺人事件」が大好きな外国の読者に、 「日本にも、こんなに素晴らしい作品があるんだよ。」って自慢できないかも知れないのが、辛いところです。 |
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【1273】 |
メルカトル (2009年12月10日 22時55分) |
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これは 【1270】 に対する返信です。 | |||
ドウコク!さん、こんばんは。 >「悪魔が来りて笛を吹く」、都会の東京と、田舎の淡路島とに舞台が切り替わるところなんかも、視覚的には良いでしょうね。 淡路島に舞台が移ってからは、どことなく開放的な雰囲気に変わり、それまでの閉塞的なムードと丁度良い対比になっている気がしますね。 物語自体はドロドロしたものに変わっているで、逆に明るい太陽の下を舞台にしているのはちょっとした救いになっていると思います。 >これは、以前にも書きましたが、もう何と言っても「★ちがいじゃが」の部分が、スゴすぎます。 > >これは、日本語でしか成立しないトリックですよね。 確かにそうですね、この台詞は後世に語り継がれるべき名台詞と言っても過言ではないと思います。 了念和尚は思わず呟いてしまったんですねえ。 それを聞き逃さなかった金田一も凄いですが、そういった日本語特有の誤謬を駆使する横溝氏はさらに凄いと思います。 >他にこんな翻訳困難、という作品はあるのでしょうか。 はっきり言って翻訳不能だと思いますよ。 この俳句のわびさびの世界と、日本語独特の言い回しの妙は、完全には外国人には理解しがたいものでしょうからね。 ですから我々は日本に生まれて、さらには日本のミステリに出会えて幸せだと、思うべきなのでしょう。 日本語が日本の文学を育てたのだと言っても、決して言い過ぎではないと思いますし。 それ程日本語とは難しいと同時に、奥が深いということなのでしょうね。 ではまた ^^ |
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