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【1139】 | RE:凶鳥の如き忌むもの メルカトル (2009年11月13日 23時02分) |
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ドウコク!さん、こんばんは。 >一読した印象としては、とにかく、その「人間消失」のトリックが、(私にとっては)大驚愕モノでした。 >「ここまでするか」という。 >その衝撃の感覚は、(やはり私にとっては、ですが)「容疑者Xの献身」並みでした。 私も一度は読んでみたいと思っているうちの一冊です。 にしても、それ程のトリックとはいったいどんなものなのでしょうか。 人間消失トリックも大概出尽くしている気がしていましたが、まだ残っていたのですね。 >全体的な雰囲気としては、題材からも、(以前、メルカトルさんが指摘されておられた)横溝正史を匂わせるはず >なのですが、余りそんな感じは受けませんでした。 なるほど、それはあまりにも横溝正史が偉大だったということの証左なのでしょう。 もはや横溝を髣髴とさせる作家が出現する事は、儚い望みなのかもしれませんね。 横溝のような作風を著せるのは横溝本人しかいない、ということでしょうか。 >本人も、おどろおどろしさを読者に伝えようとしているのに、それができていない、という個人的な感想です。 私も実はドウコク!さんと似たようなことを、三津田氏に感じています。 本人は別に横溝を意識しているわけではないのかもしれませんが、読者としてはどうしても題材が題材だけにそれを望んでしまうというか期待してしまうわけです。 しかし、道具立ては揃っているのに、それを上手く料理できていない気がするんですよね。 どこに起因するのかと考えてみると、やはり文体なのではないかと思うのです。 それともう少しホラー色を濃くすれば、もっと傑作になっていたのにと思う作品が多く、残念に感じます。 まあその中で最も成功している例が『作者不詳』だと個人的には思っています。 この作品、世間的には全くといって良いほど評価されていませんが、私にとっては思い出深い傑作です。 ホラーとミステリが程よく融合されており、作中作という構成と相まって、私好みの作品に仕上がっています。 しかし、『首無の如き祟るもの』も『密室の如き籠るもの』も一般的な評価は高いものの、文体やホラー的要素の盛り上げ方がやや弱いと感じています。 素材が良いだけに、残念でなりません。 と言っても、決して三津田氏の作風が嫌いというわけではありません、むしろ好きだからこそもう少し何とかならないものかというもどかしさを感じてしまうんですよ。 ではまた ^^ |
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【1142】 |
ドウコク! (2009年11月14日 22時04分) |
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これは 【1139】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、こんばんは。 「凶鳥(まがどり)の如き忌(い)むもの」(三津田信三 作)の続きです。 本日は、昨日の続きからの流れで、どちらというと、批判の方になります。 昨日の私の記述、「興味深く最後まで読ませる部分が、という意味です」(=これができていないのではないか)について。 後半、以前の事件も含め、謎解きの部分、かなりスペースが割かれます。 それはいいのですが……。 その様子は、簡単に言うと、「星降り山荘の殺人」のような感じです。 つまり、少しでも疑問に思いそうな部分は一つずつ潰していき、時に読者が思ってもみなかったような可能性まで持ち出して、 結果、話が冗長になる、という意味。 いやね、ミステリですから、極力、論理的であることには賛成なんですよ。 あらゆる可能性を否定して、事件(或いはトリック)の不可能性を、より論理的に高めよう、って姿勢もね、否定はしません。 でもね……。 その前(ミステリというジャンルという前)に、これは、読み物ではないですか。 その、読むことに少し嫌気を感じさせるようでは……。 (もう、いいから、分かったから、次に早く進んでー、みたいな感覚。) というわけで、トリック的に本作は、「容疑者Xの献身」と同等水準(=驚き、ここは評価できる)ではあるが、 “読み物”としては、それに及ばないだろう。 というのが、私の本作への見解です。 ところで、この作者、(メルカトルさんの記述)>『首無の如き祟るもの』、『密室の如き籠るもの』 なども出しているのですね。 これは知りませんでした。 文庫版が出たら、少し検討してみたいと思います。 (タイトルにそそられます。 でも、メルカトルさんの記述を拝見すれば、期待外れのような気もしますが。) |
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この投稿に対する 返信を見る (1件) |
【1140】 |
ドウコク! (2009年11月13日 23時26分) |
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これは 【1139】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、再びです。 >と言っても、決して三津田氏の作風が嫌いというわけではありません、むしろ好きだからこそもう少し何とかならないものかという >もどかしさを感じてしまうんですよ。 これは、三津田氏に関して、興味のわいてくる発言ですね。 この辺も含め、明日も続けます。 では、おやすみなさい。 |
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