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【43】

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初代ゆるせぽね (2023年09月18日 05時32分)




ジャスタウェイ

ジャスタウェイの父ハーツクライは4歳秋に完成してワールドクラスの強豪へ急成長したが
この父子が描いた成功の軌跡は実によく似ている

母シビル(その父ワイルドアゲイン)により社台コーポレーション白老ファームで2009年に誕生したジャスタウェイは
父同様に驚くべき変身を遂げて世界を制した

ジャスタウェイは2歳7月の新馬勝ちから2戦目には新潟2歳Sで2着

明け3歳のアーリントンCで重賞初制覇を飾り
その後には日本ダービー出走を果たすなどデビュー当初から十分に優秀な戦績を築いていた

ただ
3歳秋以降は毎日王冠と中山金杯で入着したものの重賞戦線でひと息及ばない状態が続き
4歳の夏が近づくエプソムCで久々の連対

さらに真夏の関屋記念
秋の毎日王冠と3戦連続の連対で徐々に成績を安定させていった

そして
次戦の天皇賞(秋)であっと驚く変身を見せる

ジャスタウェイは5番人気ながら単勝15.5倍
2.0倍の1番人気ジェンティルドンナら5倍以下の上位3頭には離された評価だった

しかし
直線の坂で抜け出す構えのジェンティルドンナに中団から猛然と襲い掛かり
並ぶ間もなく4馬身突き抜けて圧勝

1年8か月ぶりの白星を鮮烈なG1初制覇で飾る

その後
休養から復帰した5歳初戦の中山記念も5.3倍の2番人気と半信半疑の評価だったが
好位から3馬身余り抜け出す完勝で実力を再証明する

次戦のドバイデューティフリーではレース史上最大の6馬身1/4差
従来のレコードを2秒余り更新する圧勝劇でレーティング130を獲得

ロンジンワールドベストレースホースランキング首位に立ち
日本調教馬として初の世界ランキング1位に輝くことになる

帰国後の安田記念では単勝1.7倍の1番人気と信用を確たるものとし
極悪馬場に脚を取られながらもグランプリボスとの死闘を制して天皇賞から4連勝

秋は凱旋門賞に遠征し
勝利こそならなかったものの
ジャパンCで2着
有馬記念でも4着と上位に迫り
惜しまれながら現役を退いた

種牡馬入りしたジャスタウェイは初年度産駒のヴェロックスが牡馬クラシック三冠戦で中心を担う一方
マスターフェンサーは米ケンタッキーダービー遠征や交流重賞などダート戦線で活躍

3世代目のダノンザキッドはホープフルSで産駒初のG1制覇を飾るなど
父系の発展へ可能性を提示している

 
【42】

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初代ゆるべろす (2023年09月17日 09時29分)




キタサンブラック


日本を代表する歌手の北島三郎さん(名義は有限会社 大野商事)が所有し
競馬界の枠を超えて注目を集めたキタサンブラック

“最強馬”ディープインパクトの全兄で
その血筋を買われて種牡馬入りしたブラックタイドを父に
サクラバクシンオー産駒のシュガーハートを母に北海道・日高町のヤナガワ牧場で生まれ

350万円で取り引きされた牡馬は
3年間の競走生活でG1レース7勝
歴代最高(当時)の18億7684万3000円を稼ぐスターへと飛躍した

キタサンブラックは明け3歳の1月31日と
クラシック出走には猶予のない時期にデビューした

その初陣では中団から直線の追いくらべを制す非凡なセンスを披露

皐月賞には無傷の3連勝でこぎつけて3着も

差し返しにいく勝負根性を発揮して大きな見せ場を作った

5戦目のダービーこそ大敗を喫したが
秋の菊花賞では内ラチ沿いから巧みに馬群を縫ってG1初制覇を飾る

次戦の有馬記念も3着に粘走

ただ
G1を含む重賞3勝と大活躍の1年ながら
不思議なことに単勝人気はデビュー戦の3番人気が最高だった

明け4歳を迎えると堅実な走りに一層の磨きがかかる

この年から新たなパートナーとなった武豊騎手を背に天皇賞(春)は逃げを打つと最後は差し返す勝負強さで2度目のG1制覇

追い込み決着の宝塚記念でも逃げてタイム差なしの3着と負けてなお強しの内容を残す

そして
秋初戦の京都大賞典を初の1番人気で勝利を収めると

続くジャパンCも絶妙なペース配分で逃げ切り勝ち

有馬記念はクビ差の2着に惜敗したが
この2016年は年度代表馬の栄誉を得た

5歳のキタサンブラックは全6戦で1番人気と信頼を不動のものとした

初戦はG1昇格後初施行となった大阪杯を横綱相撲で完勝

さらに天皇賞(春)ではディープインパクトの記録を1秒近く更新する破格のレコードで連覇と実力は頂点に達する

ところが
激走の反動で宝塚記念は9着に惨敗

単勝1.4倍と競走生活で最大の支持を得たレースは勝てなかった

それでも天は見放していなかった

秋の天皇賞は稀に見る不良馬場でゲートを出遅れるアクシデントがあったものの
後方からレースを進め直線では他馬が避ける内からロスを挽回して春秋制覇を成し遂げる

ジャパンCはレース後に落鉄が見つかる不運もあり連覇を逃したが

続く有馬記念を三度目の正直で有終の美

2年連続で年度代表馬に輝き
2020年には顕彰馬に選出された

  
【41】

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初代ゆるべろす (2023年09月16日 06時52分)




モーリス


2011年に北海道・日高町の戸川牧場で誕生したモーリス

母メジロフランシス(その父カーネギー)は1928年に輸入された牝系から名門・メジロ牧場で育まれた

父スクリーンヒーローの祖母も1980年代に重賞5勝と活躍したダイナアクトレス
日本競馬に息づく血で世界を制した

モーリスは2歳10月のデビュー戦をレコード勝ちし
暮れに2勝目を挙げてオープン入りと早くから能力を見せていたが
明け3歳は4連敗と勝ちあぐねて夏前に休養入り

その間に美浦の堀宣行厩舎へ移籍すると
弱さのあった背腰のケアを最優先に立て直しが図られ
4歳1月の復帰戦から怒とうの快進撃を開始する

1000万下(現2勝クラス)から2連勝したモーリスは
オープンに再昇級の初戦でダービー卿CTに挑戦

ダイワメジャーのレースレコードを0秒1更新して重賞初制覇を飾る

2か月後の安田記念ではG1初挑戦ながら1番人気の支持を集め
先行策からヴァンセンヌの猛追をクビ差しのいで一気にマイル路線の頂点に立った

秋初戦は前哨戦を使わずマイルCSへ直行
その影響で4番人気と評価も下がったが
中団から突き抜けて史上6頭目となる同一年のマイルG1春秋制覇を成し遂げる

そして
次戦では香港マイルへ遠征

香港競馬史上
最高レーティングのエイブルフレンドとの対決に注目が集まる中で決戦を制し
4歳は6戦全勝で年度代表馬に輝いた

「種牡馬としての価値を高められるレース選択」を念頭に迎えた5歳シーズンは
ドバイ遠征の計画を蹄の不安で見送り
再び香港に渡ってチャンピオンズマイルから復帰する

香港マイルよりも手薄な相手関係で楽勝したモーリスだが
帰国後は安田記念でまさかの2着に敗れて連勝がストップ

2000mで戦うための試金石とした札幌記念でも
稍重の発表以上に荒れた馬場の影響からか2着に敗れてしまう

それでも
次戦の天皇賞(秋)では馬場の中央から堂々と抜け出す快勝で距離の壁をクリア

続く香港Cを引退レースとして三たび香港に遠征すると内ラチ沿いから3馬身突き抜ける圧勝劇で6度目のG1制覇を飾り
惜しまれながら現役に別れを告げた

種牡馬入りしたモーリスは2020年デビューの初年度産駒が重賞3勝の好スタート

豪州にもシャトル派遣されて産駒の出走機会を拡大するなど
成功への足場を着々と固めている

 
【40】

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初代ゆるべろす (2023年09月15日 15時20分)



ロードカナロア


一つのミスが結果に直結するスプリント戦を主戦場にして
生涯3着以内を守ったロードカナロア

ダービー馬キングカメハメハを父に
中央5勝のレディブラッサム(その父ストームキャット)を母に

北海道・新ひだか町のケイアイファームで2008年に誕生した鹿毛の仔馬は
日本競馬史を代表するスプリンターへと成長していった

ロードカナロアは2010年12月
小倉競馬場でデビュー戦を飾った

2戦目は1600mのジュニアCで惜敗し
それ以降はスプリント戦に専念すると
3歳秋には重賞初挑戦の京阪杯を快勝

明け4歳のシルクロードSまで5連勝し
G1初挑戦の高松宮記念を1番人気で迎える

しかし
新装した中京競馬場の一戦では1枠1番の好枠からレースを進めたものの僚馬カレンチャンに敗れ
生涯唯一の3着

その後も函館スプリントS
セントウルSと惜敗を続けた

次戦のスプリンターズSは高松宮記念と対照的に大外の16番枠

2番人気に評価を落としたが
1番人気のカレンチャンを差し切りレコードでG1初制覇を飾ると

続く香港スプリントでは日本調教馬として初制覇の快挙を成し遂げる

それまでに日本のG1ホースたちが跳ね返され続け
世界のG1でも屈指の難関と考えられてきたレースを制す歴史的快挙により
瞬く間にワールドクラスのスプリンターへと飛翔した

4歳秋に完成したロードカナロアの翌年はまさに無敵と化した

春は前年に苦杯を舐めた高松宮記念でスプリンターズSに続くレコード勝ち

その後は秋に備えて休養というプランもあったが

安田記念で2年5か月ぶりの1マイルに挑んで価値ある勝利を手にした

あらためて夏休みに入ったロードカナロアは秋初戦のセントウルSで単勝1.4倍の圧倒的な支持を受けるも
2年連続でまさかの2着に敗れてしまう

それでも
負ければ引退の可能性も含んでいたスプリンターズSを盤石の内容で連覇すると

香港スプリントもレース史上最大の5馬身差で連覇

最高の形で引退の花道を飾った

G1レース4勝のロードカナロアは前年から2年連続でJRA賞最優秀短距離馬を受賞するとともに

短距離馬としては1998年のタイキシャトル以来となる年度代表馬に輝いた

種牡馬入りしたロードカナロアは
初年度から産駒初の重賞勝ち馬となったアーモンドアイが
その後にJRA史上最多のG1レース9勝を達成

ダノンスマッシュは香港スプリントで父子制覇を果たすなど早々に大成功を収め

2018年には顕彰馬に選出されている

  
【39】

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初代ゆるべろす (2023年09月15日 15時15分)




カレンチャン


2009年12月のデビューから
翌2010年夏の1000万下特別・潮騒特別までの戦いを終えて休養に入ったカレンチャン

6戦3勝の成績は決して悪いものではなかったが
同世代のアパパネが3歳牝馬三冠を達成したのと比べれば
まだまだ栄光にはほど遠い場所で過ごした2歳〜3歳シーズンだった

だが2011年
ターフに戻ったカレンチャンは凄まじい勢いでトップホースの座へと駆け上がっていくことになる

復帰初戦となった準オープンの伏見Sでは3着に競り負けたが
続く山城Sは単勝オッズ1.9倍の断然人気を背負って2馬身半差の快勝

さらに阪神牝馬Sも制して重賞タイトルを獲得する

夏に入っても上昇は止まらず
函館スプリントSをクビ差で勝ち切り
キーンランドCも叩き合いに競り勝ってのクビ差1着

こうしてカレンチャンは
スプリント路線における最有力馬の1頭として位置づけられるまでになった

初のGI挑戦・第45回スプリンターズSには3番人気での出走

世界的な強豪ロケットマンや前年2位入線のダッシャーゴーゴーに人気の面で後れを取った


レースはカレンチャンの独擅場と化す

先行勢を見ながら余力たっぷりに追走したカレンチャンは
直線
外から一気にスパート

キーンランドC3着のパドトロワ
セントウルS勝ち馬エーシンヴァーゴウ
ロケットマンや香港馬ラッキーナインらの叩き合いを一気に交わし去り
1馬身4分の3差をつけての先頭ゴール

こうして準オープンからスプリンターズSまで5連勝をマーク
スプリント女王の座を勝ち取ったカレンチャンだったが

続く香港スプリントではラッキーナインの雪辱を許して5着に敗れ

2012年・5歳シーズン初戦のオーシャンSでも4着

暗雲立ち込める中
第42回高松宮記念には2番人気での出走となった

高松宮記念で1番人気に支持されたのは
目下5連勝中
かつてのカレンチャンと同様の上昇ぶりを示すロードカナロアだった

しかし女王カレンチャンは
この1歳歳下の同厩馬を一蹴する

コースが改められ
直線が伸びたうえに坂まで設けられた中京競馬場

それでも
2番手追走から抜け出したカレンチャンの脚色は一向に鈍らず
直後にいたロードカナロアは追いつくことすら叶わない

結局カレンチャンは
追い込んだ3番人気サンカルロをクビ差2着に
ロードカナロアを3着に封じてスプリントGI連覇を成し遂げた

あふれるスピードと類稀なる底力で
スプリント路線に一時代を築いたカレンチャン

2012年の秋はスプリンターズSが2着

香港スプリントが7着と
いずれもロードカナロアに敗れたが
女王として弟分を引っ張り
その躍進を助けたこともまた
カレンチャンにとっての勲章といえるだろう


  
【38】

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初代ゆるべろす (2023年09月14日 22時40分)




メジロライアン


この馬がいちばん強い

メジロライアンの鞍上・横山典弘騎手はそう信じていた

1989年
2歳7月のデビューから11月の初勝利までに4戦を要し

400万下・ひいらぎ賞で2勝目をあげた時にも7番人気に過ぎなかったメジロライアンだが
明けて1990年
3歳になった頃から次第に頭角を表し始める

ジュニアCを力強く差し切り
弥生賞では不良馬場を蹴立てる豪脚で重賞初制覇

横山騎手は「これは3つ全部行けるかも」という手応えを感じるようになった

3つ全部とは
すなわち
3歳クラシック三冠

だがメジロライアンと横山騎手のコンビは
その三冠レースでことごとく悔し涙を流すことになる

皐月賞は3着
日本ダービーは2着
菊花賞は3着……

暮れの有馬記念でも2着

オグリキャップの復活劇を引き立てる役に甘んじて
とうとうGIタイトルを獲れぬままに3歳シーズンを終えた

1991年
4歳春も苦難の連続だった

圧倒的1番人気で迎えた中山記念では
ユキノサンライズの逃げ切りを許しての2着

さらに体調を崩して熱発
仕上がり途上のまま挑んだ天皇賞(春)では格下と見られた馬にも遅れを取って4着の屈辱を味わった

加えて天皇賞の翌週には
横山騎手が降着・騎乗停止の処分を受ける

すべてが裏目 負の流れだ

それに対して同じ“メジロ”を冠に戴くメジロマックイーンは
順調に一流馬への道を歩んでいた

遅咲きだったため皐月賞と日本ダービーは不出走だったが
本格化した秋以降
菊花賞
阪神大賞典
天皇賞(春)と3連勝

第32回宝塚記念でも断然の本命に推されていた

もし次も負けたら
もう二度とこの馬がいちばん強いとは言わない

悲壮な覚悟とともにメジロライアンと横山典弘騎手のコンビは宝塚記念へと挑んだ

レースは意外な展開を見せた

最内1番枠からスタートしたメジロライアンは窮屈なところを走らされ
隣の馬とも接触して前へ行く気をあらわにする

慌てて手綱を抑えようとした横山騎手だったが
一瞬の後
馬の行く気に任せて先行させる手段を選ぶ

3コーナーでは早くも先頭
これまでの追込み策とは一転したポジション


結果はこれが奏功する

先頭で直線へ向いたメジロライアンは
そのまま懸命に粘り
最強のライバル・メジロマックイーンを1馬身半完封してGI初制覇を成し遂げた

道中
無理に抑えようとしなかった横山騎手は「こいつと仲良く走ろう」と考えたのだという

いくつもの辛酸をともになめ続けたひとりと1頭が
信頼の絆で結ばれ
そして到達した境地

悲愴さなどとは無縁
むしろ“楽しい”走りが
念願のGIタイトルをこのコンビにもたらしたのであった

 
【37】

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初代ゆるべろす (2023年09月13日 11時57分)




ジャングルポケット


92年の産駒デビュー当初から
数多くの活躍馬を送り出したトニービン

産駒の全G1・11勝中9勝が東京競馬場
そしてG1馬9頭すべてが東京でG1優勝経験があるなど
東京巧者として知られていた

そんな評価を決定づけたのが
ジャングルポケットだった

ジャングルポケットは00年の札幌芝1800m戦でデビュー

2番手から抜け出して快勝すると
続く札幌3歳Sも優勝

ひと息入ったラジオたんぱ杯3歳Sではアグネスタキオンの前に敗れたが
クロフネ(3着)には先着する2着

3戦2勝
2着1回の好成績で2歳戦を終えた

この頃からファンの間で注目されたのは
渡辺栄厩舎
鞍上:角田晃一(3戦目から)
馬主:齊藤四方司(当時)という布陣

担当厩務員まで含め
4戦全勝の成績を残しながらクラシック出走が叶わず引退したフジキセキと同じで
その雪辱戦と見られていた

ジャングルポケットの年明け初戦は
自身初の東京コースとなる共同通信杯

好位から早めに動くと
プレジオに2馬身差をつける快勝で
G1制覇へ向けて好スタートを切った

しかし
皐月賞ではゲートを出た直後に躓き
最内枠だったこともあって苦しい展開に

大外をまくってよく追い上げたものの
好位から抜け出したアグネスタキオンに突き放される3着に終わった

ところが
ダービーを前にしてそのアグネスタキオンが屈腱炎を発症(その後引退)

自身が共同通信杯の走りから東京向きと評されていたこともあり
日本ダービーは非常に大きな期待を集める一戦となった

その期待に応えるように
ジャングルポケットは直線で大外に持ち出すと
さらに外から迫るダンツフレームの追撃を抑えて優勝

陣営の悲願を達成するとともに
自身初のG1制覇を成し遂げた

その後
ジャングルポケットは札幌記念で3着
菊花賞では4着に敗退

ダービー馬としては物足りない走りが続いたが
復活の舞台はやはり得意の東京コース・ジャパンCだった

一歩先に抜け出した前年の覇者・テイエムオペラオーを外から猛追

このレースで起用されたペリエ騎手の鞭に応え
ゴール寸前で捕らえてG1・2勝目を挙げた

この勝利で年度代表馬のタイトルを獲得したジャングルポケット

翌年は海外遠征のプランもあったが
阪神大賞典
春の天皇賞では2着敗退

また
宝塚記念前と有馬記念後に脚部不安などを発症したこともあり
この年4戦未勝利で有馬記念7着を最後に引退した

種牡馬入り後はトニービンの後継種牡馬として期待され
その初年度から重賞勝ち馬を輩出

2年目にはトールポピーが登場し
阪神JFに加え
父が2度G1を勝ち取った東京2400mの舞台でオークスを制している

今後の産駒には日本ダービー
そしてジャパンCの父子制覇も大いに期待される


 
【36】

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初代ゆるべろす (2023年09月12日 22時34分)




ドゥラメンテ


ドゥラメンテは曾祖母ダイナカールから祖母エアグルーヴ
そして母アドマイヤグルーヴと母子3代に渡りG1制覇を果たしてきた名牝系の出身

2012年に北海道・安平町のノーザンファームでダービー馬キングカメハメハを父に生まれ
クラシックの舞台で血の威力をまざまざと見せつけた

2歳10月のデビュー戦を出遅れて落としたドゥラメンテだが

1か月後の2戦目を6馬身差で勝ち上がると
ひと息入れて3歳初戦のセントポーリア賞も5馬身差で圧勝

クラシック戦線に前進する

次戦の共同通信杯では内を巧みに立ち回ったリアルスティールとの追いくらべに惜敗するも
賞金加算に成功して皐月賞のゲートにたどり着いた

皐月賞では弥生賞勝ちの無敗馬サトノクラウン
そしてリアルスティールに続く3番人気と初めて1番人気を譲るも
レースは後方から進んだドゥラメンテの独壇場と化す

2番枠のドゥラメンテは外に出せないまま馬群の中を進出し
最終コーナーでわずかに開いたスペースから大きく外へ

姿勢を立て直すと一気にギアを上げ
先に抜け出したリアルスティールを鮮やかに差し切って母子4代でのG1制覇を果たした

最終コーナーで大外へと斜行して鞍上が騎乗停止処分を受けたものの
どの馬が勝者にふさわしいかは明白だった

圧倒的な勝ちっぷりにより1番人気を取り返したドゥラメンテは
ダービーでも中団追走から直線の坂で早くも先頭に立ち
そのまま押し切る完勝でクラシック二冠を達成

キングカメハメハ産駒として初の父子制覇を果たすとともに
走破時計の2分23秒2も父のレースレコードを11年ぶりに更新した

しかし
翌月に両前脚の骨折が判明

翌春まで治療に専念することになり
三冠の夢は果たせなかった

明けて4歳の2月
ドゥラメンテは中山記念で戦列に復帰すると
9か月ぶりの実戦ながら課題の折り合いもつき
残り200mから抜け出し最後は2着馬にクビ差まで詰め寄られたものの着差以上の完勝

改めて二冠馬の実力をアピールしたが
結果的にこれが現役最後の勝利となる

次戦のドバイシーマクラシックでは発走直前に右前脚の蹄鉄がはずれ
テンションが高く再装着不能の大きなハンデを背負って2着に敗れた

帰国初戦の宝塚記念でもマリアライトを捕らえ切れずにクビ差で惜敗

その後に靭帯と腱の損傷が見つかり
志半ばでの引退と種牡馬入りが決まった


 
【35】

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初代ゆるべろす (2023年09月12日 20時53分)




エピファネイア


2年連続の年度代表馬に輝いた父シンボリクリスエス

日米オークス馬の母シーザリオ(母の父スペシャルウィーク)の間に2010年

北海道・安平町のノーザンファームで生まれたエピファネイア

強烈なパフォーマンスでG1レースを2勝し
良血馬の成長を見守るファンたちに競馬の醍醐味を届けた

その血統から評判を呼んでいたエピファネイアは
素質馬がデビューする日として知られる菊花賞と同日の新馬戦で初陣を迎えた

直前には熱発のアクシデントに見舞われていたが
上がり33秒5の末脚で3馬身突き抜けて楽勝

華々しくキャリアを歩み出すと
暮れのラジオNIKKEI杯2歳Sでライバル関係となるキズナらを抑えて無傷の3連勝とし
クラシック戦線の先頭に立って明け3歳を迎える

ところが
1番人気の弥生賞では4着で初黒星を喫し

皐月賞では初めて2番人気に評価を落とすと
2歳王者ロゴタイプにねじ伏せられて2着に敗れる

さらに
ダービーは2度の対戦で抑えていたキズナに1番人気を奪われ
ロゴタイプに続く3番人気にまで下がった

前の馬と脚を接触する道中のアクシデントもあり
ゴール前の二、三完歩でキズナに差し込まれて2着

春は無冠に終わった

その後
キズナはフランス遠征へ
ロゴタイプは中距離路線へ進む一方
エピファネイアは秋初戦の神戸新聞杯を快勝して菊花賞へ駒を進めた

ライバル不在となった一戦では単勝1.6倍の圧倒的支持を集め
先行策から5馬身抜け出す横綱相撲で圧勝

最後の一冠でクラシック母子制覇を成し遂げた

3000mの菊花賞で能力を発揮したエピファネイアだが
休養を経た4歳は香港遠征や天皇賞(秋)など2000mで3連敗

ジャパンCでようやく2400mまで距離を延ばした

3連覇を狙うジェンティルドンナや世界ランキング1位のジャスタウェイら強豪ぞろいの中で4番人気だったが

直線は独走となる4馬身差の圧巻の勝利で2度目のG1制覇を果たす

しかし
これが最後の勝利となり
5歳のドバイWC遠征後に左前脚の繋靭帯炎を発症して現役から退いた

種牡馬入りしたエピファネイアは初年度産駒から三冠牝馬デアリングタクトを輩出

2世代目のエフフォーリアも皐月賞を制し
種牡馬として好スタートを切った

 
【34】

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初代ゆるべろす (2023年09月12日 16時30分)




ビワハヤヒデ


人間の世界には「立場が人を作る」という言葉がある

少々力不足と思われていた人でも
重要な地位
役職に就くと相応の能力を発揮するほどに成長する
といった意味合い

競馬の世界で
まさにそんな言葉が当てはまるような活躍を見せたのが93年の年度代表馬・ビワハヤヒデだった

ビワハヤヒデのデビューは92年
3歳秋の芝1600m新馬戦で

ここは後続に1.7秒の大差をつける圧勝

続くもみじS
デイリー杯3歳Sも制し
早くもこの世代の中心的な存在となった

しかし
2歳王者の座を賭けた朝日杯3歳Sでは
直線入り口から激しい叩き合いを演じたエルウェーウィンにハナ差で競り負け
タイトルを逸してしまう

年が明けた共同通信杯4歳Sでも
マイネルリマークにアタマ差届かず2連敗

ややメンバーに恵まれた若葉Sこそ2馬身差で制したものの
G1で求められる勝負強さ
底力に不安を残した感は否めなかった

迎えた皐月賞
好位で流れに乗ったビワハヤヒデは
直線でウイニングチケットを突き放し先頭に立ったが
ゴール前で外からナリタタイシンが強襲
クビ差の2着に涙を呑んだ

さらに日本ダービーでは
先に抜け出したウイニングチケットを一度は追い詰めながら
最後に力尽きて半馬身差の2着敗退

「3強」の中で唯一タイトルを手にすることなく
春シーズンを終えた

惜敗が続いたビワハヤヒデ陣営は
これまで装着していたメンコを外すという決断を下して秋を迎えた

その初戦
神戸新聞杯は余力を残したレース振りで完勝

さらに菊花賞では
手応え十分に4コーナーで先頭に立つと
2着ステージチャンプに5馬身もの差をつける大楽勝で初のG1タイトルを獲得

ついに本格化かと思われた

ところが
年末の有馬記念ではトウカイテイオーの「奇跡の復活」の前にまたもや2着

この年の年度代表馬にこそ選出されたものの
ファンの間にはこの選出に異を唱える声が少なくなかったのも事実であった

しかしビワハヤヒデは翌94年
そんなファンの声を一蹴するかのような「強さ」を見せる

年明け初戦の京都記念では
後続に7馬身差をつける圧勝

続く天皇賞(春)では
直線でナリタタイシンに1馬身ほどまで差を詰められたものの
ゴール前でこれを突き放す底力を見せG1・2勝目

さらに宝塚記念では
4コーナー先頭からアイルトンシンボリ以下に5馬身差をつける完勝劇と
その実力を余すところなく発揮し続けたのだ

その後
オールカマーを制して駒を進めた秋の天皇賞では
レース中に故障を発生して(5着)そのまま引退

半弟の三冠馬・ナリタブライアンとの対決は実現せず
年度代表馬の座も弟に譲ることとなった

しかし
春に見せた走りはまさに古馬最強

なにかと「3強対決」の93年について語れることの多い馬だが
94年春の「年度代表馬らしい」強さこそ
ビワハヤヒデという馬を評するにふさわしいレースだったと言っても過言ではない

 
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