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【100】

幸せの行方(序章)  評価

しょうぞう (2021年05月13日 00時56分)

「フラれちゃった」

そう言って美香は泣き崩れた。美香は近所の幼馴染み。
女の子の悲しむ姿が、これほどまでに切ないものだとは知らなかった。

美香は本当に明るい子。そんな美香が泣く姿を見ることになるとは、夢にも思っていなかった。

愛情が冷めたりとか、心変わりというのは、ある意味当然のことであり、仕方のないこと。

誰が悪いわけでもない。
そこに赤い糸はなかった。それだけのこと。
本当に、ただそれだけのこと。

そう言い聞かせていたのに、私が介入するべきことではないと何度も言い聞かせていたのに、心と体を止めることはできなかった。

相手は私たちの一つ先輩。美香と同じ学校。
私は直接接したことはなかったが、仲間伝いに、少しだけ彼のことが耳に入っていた。
その「少しだけ」に、そのことを聞いていただけに、私の防波堤は何の意味も成さなかった。
気が付けば、そのことで頭がいっぱいになっている自分がいた。

私は、彼と面識がある先輩にお願いして、話をする場を設定してもらった。
一応、バックレる可能性も視野に入れていたが、ちゃんと彼はやってきた。三人で。

「田中さん、二人だけで話がしたいんで、あとの二人は席外してもらえませんか?」

「オレは別に構わない」

「いや、あとの二人には関係のないことですから」

「はあ?何言ってんだ、お前。それはオレが決めることだろ」

「わかりました。じゃあこのまま話をさせてもらいます。一つだけ、正直に答えてください。美香のどこがいけなかったのか、それだけ教えて頂けませんか?」

「お前バカか?あいつのいいとこ見つけるほうが難しいだろ。まさかあいつ、オレと付き合ってる気でいたんじゃねぇだろうな」

「ええ、そうですよ。っていうか、美香が勝手に勘違いするわけないでしょ。そう思わせる何かがあったんじゃないですか?」

「何が言いたいんだ、てめえ。つーかなんだ、もしかしてお前、あのブスに惚れてたんか」

・・・十分だ。
これ以上はいらない。皮肉にも、私の予想は当たってしまった。
美香はなんで、こんな外道を好きになってしまったんだろう。

美香には、オレやこいつみたいなヤツではなく、真面目で誠実な男が似合うとずっと思っていた。そう願っていた。

美香はこいつのどこに、魅力を感じたのだろうか。

本当にもう十分だった。だからここでやめておくべきだった。
決して美香はそんなこと望んでいないのはわかっていたし、更に美香を悲しい気持ちにさせてしまう。
十分わかっていた。

でも、私の思いは止まらなかった。

「田中、お前、まさかオレのこと知らねぇわけじゃねぇよな?今の言葉、一生後悔させてやる。楽しみにしとけ」

突っかかって来るかと思いきや、それすらもない。所詮、その程度の男。
美香の心の痛み、嫌というほど体に叩き込んでやる。

ただ、この時点ですでに、誰のためでもない、自己の欲求を満たすためだけの行為になっていたのは、否定のしようがなかった。

そしてこの欲求が、更なる悲劇を巻き起こすことになる。
【99】

幸せの行方(第二章)  評価

しょうぞう (2021年05月13日 00時49分)

あれから数日が経った。日が経てば少しは気も収まるかとも思ったが、そんなことはなかった。

私は、田中と同じ学校の友人に、田中が一人になったら教えてくれと頼んでいたが、あれ以来、田中が一人で行動することはなかった。
シビれを切らした私は、強行策に出る。
校門の前で待つことにした。

しかし数で来られたら太刀打ちできない。その場合は日を改めて、別の手段を考える。
そして、その場合のその場を乗り切るため、社会人になった鬼神に、近くに待機しておくよう頼んだ。

どれくらい待っただろうか。私の視界に入ってきたのは、田中ではなく、美香だった。
よく見ると、目の横に青タンができていた。

「しょうぞうくん、なんでこんなことしたの」

そう言って美香は、また泣き崩れた。

あの野郎、もう完全にブチ切れた。絶対に許さない。とことん追いつめてやる。

学校内に入ろうとした私の手を、誰かが掴んだ。
鬼神だった。

「止めんな」

振り切ろうとした私の顔面に、鬼神は強烈な一発をお見舞いした。

「しょうぞう、彼女のことを第一に考えろ」

一発も強烈だったが、鬼神のこの言葉はあまりにも重く、心に突き刺さった。

・・・美香。

「キミ、田中ってヤツに伝えてくれないか。今後一切、しょうぞうには手出しさせない。だからお前も、絶対に彼女に手を出すんじゃねぇって。今後もし何かあったら、今度はオレが出てくる。そう伝えてくれ。鬼神って言えばわかるはずだ」


「美香、オレ」

「ううん、ごめんね。しょうぞうくん、一緒に帰ろ」

「うん。顔、痛むか?」

「ううん、平気。しょうぞうくんこそ大丈夫?口から血が出てるよ」

「ああ、鬼神のヤツ、本気で殴りやがった。あいつは手加減ってもんを知らねぇからな」

「でも鬼神さん、素敵な方だよね」

「そうかあ?オレにはただの単細胞にしか見えねぇけどな」

「ふふっ、でもなんだか嬉しそう」

「そんなわけねぇよ」

「こうやって二人で帰るの、小学校以来だね」

「そうだな」

「中学以降はしょうぞうくん、一緒に帰ってくれなかったから」

「いや、オレは別に」

「うそうそ。私ね、田中先輩のこと、本当に大好きだったんだ。あっ、過去形だよ。私可愛くないし、誰も相手にしてくれなかった。でも田中先輩は優しかった。本当に優しくしてくれた。本当に毎日が楽しかった。本当に夢のようだったよ。本当に幸せだったよ。毎日毎日が待ち遠しくてたまらなかったよ。田中先輩は、いっぱいいっぱい幸せをくれたんだよ。だからいっぱい感謝してるの。だからもう、これ以上の幸せを望むことはできないよ、罰が当たるよ。だからもう大丈夫だよ。本当だよ」

美香、お前は今、どれほど大きな傷を、心に抱えているのだろう。
そして、こんなことをしたオレにまで、気を遣っているんだな。

そしてやっぱり今でも、こんなことをされてまでも、やっぱりあいつのことが好きなんだな。

私は、人を傷つける優しさがあることを知った。
そしてそれは多分、偽りだからではない。
美香、お前ほどの優しい子が幸せを望まないで、一体誰が望むんだよ。

そして美香、お前はもう一つ間違ってる。
世の中には、もっともっとたくさんの幸せを、本当の愛を、与えてくれる人がいるんだよ。

それがわかる日が、きっと・・
【98】

幸せの行方(第三章)  評価

しょうぞう (2021年05月13日 00時42分)

「美香、あのさ・・・」

「しょうぞうくん、私ね、これから先もずっと、一生、田中先輩のことは嫌いにならないと思う。たとえこれまでの日々が、そしてその愛が、幻覚やまぼろしだったとしても、私が幸せだったのは事実だよ」

わかってる、わかってるよ、美香。
お前はそういう子だもんな。
そして絶対、嘘や偽りって言葉は使わないんだな。

神さま、なんでこんな優しい子が、こんな純粋な子が、こんなにまで苦しい思いをしなきゃならないんだ?
なんで田中みたいなヤツが、毎日をのうのうと過ごしているんだ?
教えてくれ。ちゃんと説明してくれよ。

美香、こんなオレが、今お前にしてやれることは何だろうか。
それとも、それはただの傲りだろうか、オレにはその資格すら、その必要すらないのだろうか。
でもオレは、美香の役に立ちたい。
それがオレの本音。

「美香、幼稚園のとき、オレがいつも、大きくなったら美香と結婚するって言ってたの覚えてる?」

「え?そうなの?全然覚えてない」

「うん、実はオレも全く覚えていないんだけど、おふくろがそう言ってた。子供って正直だろ?だから絶対、そういうことで嘘はつかないと思うんだ」

「・・・」

「美香、さっき誰も相手にしてくれないって言ったよね。そんなことはない。そんなこと言ったら、悲しむ人がたくさんいるよ」

「・・・」

「美香のこれまでの日々が全て真実であったように、オレや田中さんも、そして誰しもがそうだと思うんだ。でもそれって、実はほんの一部でしかなくて、大半の真実はなかなか見えてこないんだと思う。それが現実であり、真実なんだと思う。でも、今まで気づかなかった、見えてなかった真実の一つでも、その少しでも、それに気づくことができたなら、また違った意味での、ある意味、本当の意味での幸せっていうものが、見えてくるんだと思う。美香にはもっと、たくさんの幸せを感じてほしい」

美香、オレは今多分、無責任なことを言ってる。

美香は明るい子だとずっと思っていた。
でももしかしたら、オレのその勝手な思い込みが、知らず知らずのうちに、美香を傷つけていたのかもしれない。

美香はもしかしたら、やせ我慢の連続の日々を送っていたのかもしれない。

もしそうだとしたら・・・

「しょうぞうくん、いつもいつもありがとね。そうだね、そうだよね、いつも近くにいたよね。私が苦しいときは、いつもしょうぞうくんがそばにいてくれたよね。こんなにも近くにいたのに、いっぱい感謝しなくちゃいけないのに、私は・・・」

「違う。オレは・・・」

美香、そうじゃない。
オレが言いたいのは、そういうことじゃないんだ。

でもそれは、絶対オレが口に出してはいけないこと。言うべきことじゃないこと。
そんなことくらい、わかっている。
こんなオレでも、ちゃんとわかっているよ。

だから大丈夫、安心して。
【97】

幸せの行方(最終章)  評価

しょうぞう (2021年05月13日 00時36分)

美香、あれからもう30年以上経つんだね。

今の美香の目には、あのときのこと、どのように映っているのかな。
懐かしい思い出だと、笑って振り返ることができているのかな。

その如何の全ては、今にかかっていることを思えば、やっぱり少しだけ気になるところではあります。

そう言えば、成人式以来、一度も会っていないよね。

あれからお互い色んな経験を積んで、表面上は大人になって、その中で築き上げてきたものがたくさんあると思う。
オレはオレの生き方、美香は美香の歩むべき道を進み、今に至る。
百人いれば百通りの生き方があり、その全てが正しい。間違いなんてない。

美香の歩んできた道は、どんな道だったのかな。

あるときは坂道であったり、交差点もあったと思う。絶景もあったと思うし、暗闇もあったんだと思う。
その一つ一つに悩み、ときには歓喜し、あるいは失望し、また、希望を見いだしてきたことと思う。

その全てが素晴らしいと思える美香は、今そこにいますか?

美香は多分、無責任だと言うと思うけど、オレはあのときのこと、後悔はしていないよ。
いっぱい反省したけど、後悔はしてない。

あのときのオレには、あれ以外の行動はとれなかったと思うから。
あのときはそうじゃなかったかもしれないけど、今は、一生懸命生きていたと思える自分がいるから。

本当に色んなことがあったよね。オレにとっては、その全てが素晴らしい思い出です。
そして、美香と幼なじみであることがオレの自慢であり、誇りです。

最後に再度、問います。

『美香、たくさんの幸せ、感じていますか?』

            〜Fin〜
【96】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月12日 00時05分)

皆さま、みたびおばんでございます。
あるときはボケの神様、またあるときはトイレの神様、しょうぞうでございます。

これは、ある女の子の悲劇。
話は私の高校時代までさかのぼる。

また胸の話かと思われるかもしれませんが、まぁそこはどうか大目に見てやってください。

同じクラスに、すっごい胸の大きな女の子がいました。
本当にもう、高校生でそれは反則でしょってくらいデカかったですね。

そうするとですね、茶化すんですよ、アホの男子どもが。

何食ったらそんなにデカくなんだよとか、本当に心ない発言なんですけど、当時はそういう言葉が当たり前のように飛び交っていました。

私にしてみれば、というか今にして思えば、それは本当に恵まれた、超強力な武器を授けられた選ばれし女神だと思うんですけど、当時の彼女にしてみれば、それはコンプレックス以外の何物でもなかったのでしょう。

最初はうまくはぐらかしていた彼女も、いつしか、というか日に日に、元気がなくなっていったような気がします。
当時の私は、そんな彼女の心情を察してあげれるような気の利いたものは持ち合わせていませんでした。
本当に、そんなツラい思いをしているなんて思ってもいませんでした。

そして私は知らなかったんですが、彼女には彼氏がいました。
多分、周りのみんなも知らなかったと思います。内緒にしてたようですし。
彼女はそんなツラい思いを、ずっと彼氏に打ち明けていたそうです。
当然、彼氏もそういうことをやめさせたいと強く思っていたらしいんですけど、付き合ってるって知られたくないのと、それが原因で仲間はずれにされるんじゃないかという危惧があったみたいです。

あと、男って何かそういうのって恥ずかしいじゃないですか。いいカッコしぃじゃないですけど。

じゃあもう結論は決まってますよね。

そうです、恥の塊、というより恥ずかしい思いをすることが快感の、あの男の登場です。
彼女が限界だと感じた彼氏は、あの恥さらしに相談します。

まぁはっきり言って、この件についてはすぐに片が付いたんですけど、そのあとがよろしくなかった。
変な噂が立つんです。
そう、私がその子に惚れてるっていうね。

んなわけねぇだろと言えば言うほど、間違いないってことになっちゃうんですよね。
まぁ別に、その子に惚れてるって周りに思われても私に不利益はないですし、好きに思わせとけばいいやと思っていたんですが、あったんです、不利益が。

彼氏がそれを真に受けちゃったんですよね。

彼氏とのそのやり取りを書くとすごく長くなるので割愛しますが、結局、どんなに私が惚れてないと言っても信じなかったんです。

ものすごく頭にきたので、とりあえず1発ぶん殴っておきました。
そして、これが決定打になるというね。

彼女はその彼氏にフラれてしまったのです。

やっぱり悪いのは私?

そして私は今でも、このことに懺悔し、罪を償っているのです。

出た、言い訳大臣。

もしかしたら彼女のように、胸が大きいことにコンプレックスを感じている方がおられるのかもしれません。
でも、その必要はありませんよ。

だって、世の男性は、みんな巨乳が大好きですから!!残念!!

by  しょうぞう侍
【95】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月11日 23時22分)

皆さま、またまたおばんでございます。
あるときは女性の味方、またあるときも女性の味方、しょうぞうでございます。

私は女性に対して、絶対に譲れないことがあります。
それは、胸が大っきくなければヤダってことです。

って、そこかい。

若い頃はずっと、まず第一に顔、何が何でも大前提として顔があって、それプラス、スリムっていうのがタイプでした。

でもいつの頃からでしょうか、どんなに顔が可愛くても、胸が小っちゃい女の子にはほとんど魅力を感じなくなったのです。
逆に今は、胸さえデカければ、顔はかなり折れることができます。

って、何の話や。

またいつもの結論のない、どうでもいいネタ話かとお思いの皆さん、それは違います。
あっ、いえ、訂正致します。違いません、結論はありません。
ただ、何か不思議な感覚というか違和感を覚えたので、少し触れてみました。

いわゆる恋愛対象としての女性の好みの変化と、結婚相手に求めるものへの変化との相関関係が、実に不思議だなぁと。

よく、恋愛対象と結婚相手に求めるものは違うと言いますよね。それは否定しません。
でも私は、やっぱりその延長線上にあるものだと思っています。
ただ最近、やっぱりそれが一致してないことに気付きました。
あっ、でも、それでもやっぱり延長線上にあると思っていますよ。

多分、何のことを言っているのかさっぱりわからないと思いますが、端的に表現しますと、こうです。

私の妻はペチャパイです。
だから毎日、ジャムおじさん風に「大きくなあれ、大きくなあれ」と呪文をかけています。

あっ、なんか変な方向に行ってしまいましたね、すみません。

では気を取り直して。

再度、声を大にして言います。私が女性に求めるものはデカパイです。以上1点です。それ以外だったら大抵許します。

あっ、また間違えた。

再度気を取り直して。

前述したように、私は胸が小っちゃい女の子にはほとんど魅力を感じなくなりました。
だから私は、妻に魅力を感じていないかというと、実はそうではないんですよね。

なぜ私は妻と結婚したのでしょうか。
大きくなる見込みがあったのでしょうか。
いや、それはありませんよね。

じゃあ私は、折れたのでしょうか。それも違います。

この関係がね、なんかすごく不思議だなぁと思ったのです。
ただそれだけのことなんですけどね。
あっ、そうだ、これだけはきちんと言っておかないと。

世の胸が大きくない女性の皆さま、そして、それをこよなく愛する男性の皆さま、決して皆さまを侮辱したり、否定している訳ではありません。

あくまで、単なる変なおじさんのどうでもいい、好みの主張でございます。
もし気分を害されたのであれば、深くお詫び致します。申し訳ありません。
ただそこに悪意はなかったこと、どうかご理解くださいませ。
【94】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月11日 22時41分)

皆さま、おばんでございます。
あるときは奥様の味方、またあるときは旦那の味方、しょうぞうでございます。

もうかなり昔のものになりますが、サラリーマン川柳ならぬ、レディース川柳の一部を紹介したいと思います。

「すぐ帰る あなたのすぐって いつですか?」
「出かけのチュウ 笑顔で見送り 口を拭く」
「存在が すでにストレス マイ旦那」

皆さん、大丈夫でしょうか?
胃がキリキリしていませんでしょうか?
気を失ってはいないでしょうか?
ふふふ、でも大丈夫です。ちゃんとありますよ、皆さんを元気にする救いの一句が。

「その背中 疲れたあなたに ありがとう」

こちらこそありがとう。

世の奥様方、世の旦那は、この一言のためだけに頑張っていると言っても過言ではありません。
男は、この世で一番の単純明快な生き物でございます。
何気ない、ちょっとした気遣い、言葉だけで、息を吹き返すことができます。
家事が恐ろしく大変なのは重々承知しております。
でも、旦那だって、旦那だって、家族のために一生懸命頑張っているのでございます。
どうか、どうかそのことだけはご理解くださいませ。

世のしがない旦那代表 1年1組 しょうぞう
【93】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月11日 00時54分)

団塊世代、もとい、聖子ちゃん世代の皆様、おばんでございます。

パチ歴も長くなりますと、思い出に残ると言いますか、忘れられない記憶、出来事が、誰にでもあるものと思います。
たまには、そういう思い出を振り返ってみるのもいいんじゃないでしょうか。
それが良い思い出であれ、苦い思い出であれ、懐かしく、微笑ましい気持ちになれるんじゃないでしょうか。

っと、いかん、いかん。これではただの提言になってしまうではないか。

では、気を取り直して、私の中で強烈に印象に残っている遊戯の中から選りすぐり、ではなく、あるあるネタを一つ。

私がまだ好青年だった頃の話。
遊戯機種は3回権利物のギンパラ。財布の中にはきっかり10万。
当然のことながら、このときはまだ、この全てがなくなるとは夢にも思っていません。

今の機種は返しが少ないから、投資スピード半端ないですが、権利物はほぼ返しが見込めませんし、特にギンパラは時間効率すこぶる良かったので、今の機種の比ではありません。
気が付けば、あっという間に、一度も当たりを引くことなく、マイ諭吉は残り1枚。
最後の1枚に望みを託し、また全てを500円玉に変えます。

でも結局、最後の500円を投入しても当たりはやってきませんでした。
相当悔しいし、回りもよかったのですごく残念ではありましたが、なぜかその日は、お金を下ろしてきてまで遊戯を続行する気にはなれませんでした。

以上、よくある負け話でした。
って、そっちのあるあるかい。

というのは嘘で、ちゃんとドラマはあります。
全ての玉を打ち尽くし、保留消化を見守っていると、最後の保留でリーチ、そしてその日7回目の魚群。

まぁ全く当たる気もしませんでしたし、玉も1発もありませんし、小銭もコーヒーでスッカラカンですし、もうすでに2000回転超えてますし、魚群も6回連続でハズしてますし、弱いほうのダブルですし、当たっても困るし。

でも、もういい加減当たりそうな気もする。

でもやっぱり図柄は、当たりに到達することなくあえなく手前でハズレ。
まぁそうだろうなと思った瞬間、ピュイっと再始動で当たり。
このときは本当にびっくりすると同時に、究極に焦りました。当たっても権利発生しなければオジャン。
私はこのとき生まれて初めて、そして後にも先にもこの1回だけ、隣の方に玉をお借りしました。

というより、隣の方が無言で私の台の上皿に玉を入れてくれたのです。
シ、シブイ、渋すぎる。
というよりあなた様は天使です。
当然ですが、私はお借りした玉を10倍返しするとともに、玉でコーヒーを注文してお渡しし、何度も何度もお礼を言いました。

この場を借りて、再度お礼を言わせていただきます。
その節は、本当にありがとうございました。

で、そこから台が豹変します。
結論から言うと、権利中に若干のハマリがあったものの、通常時は全くハマらず、100回転を超えたのは一度だけ。
閉店まで打ち続けて、換金すると何と10万3000円。まさかプラスに転じるとは夢にも思っていませんでした。

前半の約6時間で10万投資、2100回転強、後半の約6時間で10万の回収。
ちなみに40玉交換です。
今回は、絶対絶命のピンチからの起死回生の大逆転劇というあるあるでございました。

ちなみに、ギンパラで1Kあたり21回転超えは、わかる人にはわかると思いますが、超がつくほどのお宝台レベルです。
【92】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月09日 22時23分)

私が恵美子のことを書くのはこれで三回目になります。いや、四回目かな?
実はそれには理由があって、以前、ある方が恵美子の書き込みのことを好きだと言ってくれたんです。
そしてその方は、私がトピを再開したときは、同じハンネで再開してほしいって言われたんですよね。
私だとわかるように。

でも私は、ハンネを変えてトピを再開してしまったのです。
私はそのことにずっと罪悪感を持っていて、もしまだその方がピワを見られているならば、その場合に私だとわかるように、定期的に恵美子のことを書いています。

そしてそのたびに恵美子のことを思い出すのです。

今日は母の日。
もし生きていれば、今年50歳になるはずだった恵美子。
恵美子は、どんなお母さんになっていただろうか。
50歳になった恵美子を見てみたかった。
お母さんになった恵美子を見てみたかった。
もう一度、恵美子に会いたかった。
そして、直接言いたかった。
友達になってくれてありがとうって。
【91】

RE:いつまでも変わらぬ愛を  評価

しょうぞう (2021年05月09日 01時32分)

私が小さい頃、ある事情により、近くに同級生の女の子が引っ越してきた。名は恵美子。

恵美子は生まれつき病弱で、ずっと入退院を繰り返していた。
近所だったこともあり、私は恵美子とすぐに仲良くなった。
おばちゃんは、友達になってくれてありがとうねと言ってくれた。

入院で休むことが多かったけど、恵美子と一緒に学校に行ける日が楽しくて仕方なかった。
でもそんなある日、何と恵美子は授業中におもらしをしてしまった。
私は恵美子がどんな病気だったのかは知らなかったけど、多分病気が原因でおもらしをしてしまったんじゃないかと思った。

でも周りのみんなは面白がって恵美子をからかった。
そして次の日から、恵美子はまた学校に来なくなってしまった。

私は恵美子の家に行き何度も学校に誘ったが、おばちゃんはうんとは言ってくれなかった。
恵美子は入院で学校に来れないことが多かったため、専属の家庭教師がいた。
だから学校に来なくても勉強は一番できた。だから無理して学校に行く必要はなかったのかもしれない。

病気を理由にされると学校側は何も言えないだろうし、おばちゃんに頼んでもごめんねとしか言ってくれない。
ただでさえ、たまにしか学校に来ない恵美子。今は入院してないのに学校に来ない恵美子。

寂しかった。悔しかった。

恵美子がいない学校なんて何一つ面白くなかった。私にとって、恵美子のいない学校には何の意味もなかった。
どうしたら恵美子は学校に来てくれるようになるのか、それだけを一生懸命考えた。

そして私は一つの行動に出た。
私も恵美子と同じように授業中におもらしをしたのだ。
あのときと同じように、みんなが私をからかった。恵美子の気持ちがやっとわかった気がした。
私は帰宅してそのことを母に話した。母に話せば、おばちゃんの耳にも入ると思ったからだ。

次の日の朝、恵美子がおばちゃんと一緒に家に来て、一緒に学校行こって言ってくれた。
本当に嬉しかった。心の底から嬉しかった。

でもその二日後、恵美子は大きな手術のため、また入院してしまった。
そして二度と、恵美子が学校に来ることはなかった。

あのとき恵美子が学校に来なくなったのは、おもらしが原因ではなかったのだろう。
恵美子はそんなに弱い子じゃないし、私の何倍も強い子だった。そんなこともわからなかった。
あのときおばちゃんが言ったごめんねの本当の意味を、その言葉に託されたたくさんの思いを、たくさんの愛を、私は感じ取ることができなかった。

恵美子、ごめんね。オレがやらなくちゃいけなかったことは他にたくさんあったのに、オレにはそれができなかった。
でも恵美子オレね、一生懸命だったよ。無い頭絞って、本当に何度も何度も一生懸命考えたよ。

でもやっぱり、ごめんね。

恵美子、恵美子は一切、病気のことはオレには言わなかったよね。
絶対、その話だけはしなかったよね。
恵美子は病気のこと、どれだけわかっていたのかな。どれだけ理解していたのかな。

そんなことを考えてしまうことがあります。

でももうそれを知る由もないし、また、知る必要もないのだと思う。
恵美子のとった行動の全てが恵美子のやさしさであり、答えなんだと思うから。

あの日、一緒に学校行こって言ってくれたときの恵美子の笑顔、ずっと忘れられません。
あの日の幼心に、どれほどの思いを込めてあの笑顔を作ったのかと考えると、今でも胸が張り裂けそうになります。
恵美子、たくさんのやさしさ、本当にありがとう。感謝しています。
そして最後に、照れくさくてずっと言えなかった言葉、言わせてもらうね。

恵美子、友達になってくれてありがとうね。
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