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【304】

[深夜の長距離バス](11/51)

生でったらナマで (2015年12月24日 15時21分)


そして、美咲は瞳を閉じた。

眠ろうと――いや、眠った「ふり」をしようと。



彼女が瞳を閉じてしばらくすると、男は美咲の乳房に押し当てていた腕を下ろした

(……ほら、やっぱり気のせいよ……)


そのまま、うとうとと本当に眠りに落ちそうになったその時――。



そっと、ブランケットの上から膝上に、手のひらを乗せられる感触があった。


(あ……)

男の手が、美咲の膝に乗せられている。


眠りから急速に引き戻される意識。


指先が、ゆっくりと円を描いて彼女の膝頭を撫でる。



(んっ……)

ぞくり、と美咲の背筋に甘い痺れが走った。

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【305】

[深夜の長距離バス](12/51)  評価

生でったらナマで (2015年12月24日 15時22分)



疑いようがなかった。

男は、確かに意思を持って美咲の身体に触れている――。



さわさわと膝上を這い回る指先の動きは優しく、自分が楽しもうというよりは、まるで美咲に快感を与えようとしているようだ。


(ど、どうしよう……)


男に美咲は気付かれないよう、そっと唾を飲み込んだ。

なんだか、息苦しく、呼吸をするのが恥ずかしい。


「フゥッ……フゥ……」


呼吸の音が相手に聞こえないよう、思わず息を潜めてしまう。



(これ……やめてくださいって言うべき? だよね……?)


目を閉じているから、男の指に意識を集中してしまう。


それが、どんな風に自分の身体を撫でているのか、イヤでも想像してしまう。

筋張った長い男の指がイヤらしく自分の上を這い回り、膝裏の柔らかい部分を擦るそのエッチな様子を――思い浮かべてしまう。
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