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【839】

中断10  評価

さオ (2016年03月31日 13時01分)




今日はここまでにします。 

恐らく、次に書きに来るときに完結すると思います。 

あと少しですが、皆最後までお付き合い頂ければ、嬉しいです。 

よろしくね。 




あっし:


いよいよ終わってしまうんだ・・・


感無量だなぁ。 ニャハハハ


本日は作業多忙決定事項のため、登場できないので。 また明日に。



銀魂のこととか、他にも書きたいことはあるんだけども。


我が愛する安タバコの「わかば」ちゃんが。。。。


明日から30円も値上げだって! 


ボンビーの味方、、、安タバコ3姉妹? 「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」など


これはフトコロが痛い。


昨夜、帰りに20箱買ってきたけど、、、、これ以上はお金ありませんwww

20箱って、、、、10日分だな。 


吸い過ぎ? しゃーないやん、ちくーび誰も吸わせてくれないもの。 ギャハハハ



毎年、少しづつ値上がりしていって、、、数年後には普通のタバコ並みの値段になるらしい・・・




というどうでもいい話でした。


おっちゃん、昼寝の時間やでw




【838】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 137  評価

さオ (2016年03月31日 13時00分)




俺「それに、もう一つ大事な花火がある」 

奈央は「なにそれ」と言いたげな目でこちらを見たが、すぐに気づいて、 


「分かってる、絶対勝つんだからね」と得意げな表情を浮かべた。 


さっきまで帽子で顔を隠していたくせに、と笑ってしまいそうになったが、 

奈央の様子が元気になってきて、俺はとても嬉しくなった。 



俺「明後日だな、夏季大会」 


奈央「うん、そうだね」 


俺「悔いがないように、最後まで頑張ってな」 


奈央「頑張るよ、絶対。最後の最後まで」 


頭上で、大きな金色のスターマインが夜空のカーテンのように広がっていた。 

奈央の花火が、部活の集大成が、綺麗に咲きますように― 


俺はそんなことを願っていた。 




【837】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 136  評価

さオ (2016年03月31日 13時09分)


奈央「あのさ」 


俺「何」 


花火のせいもあってか、会話のやりとりが簡潔になる。 



奈央「恋なんて、花火みたいなもんだよね」 


俺「え、なんだそれ」 


奈央「私の気持ちも、散って消えていったから」 


ちょっと茶化したい気持ちも湧いたが、 

奈央が真剣に話しているのが分かったので、 

俺も真剣に答えることにした。 




俺「あんなに綺麗に咲いて散ったの?」 


奈央「ううん…全然ちがう」 


奈央「あれだけ綺麗に咲いてれば…散らなかったかもね」 


奈央はそう言うと、かぶっていたストローハットを目深にかぶり直した。 

そんな奈央を、頭上の大きな花火が照らした。 








俺「なあ、奈央」 


奈央「…なに」 


奈央はストローハットで目元を隠したまま答えた。 



俺「散っちゃったなら、いいじゃんか。綺麗さっぱり、切り替えられる」 

俺「ずーっと心に残ってるほうが大変だぞ」 


俺はまるで自分に語りかけるように、奈央に言った。 




俺「次は、ひまわりみたいな恋をすればいい」 


奈央「なに、それ」 


俺の言葉を聞いて、奈央が笑って顔を上げてくれた。 


俺「ひまわりは、消えないからな」 


奈央「でも、夏が終わったら枯れるよ」 


俺「枯れないようにすればいいさ」 


奈央は「いみわかんないw」と文句を言っていたが、笑顔が戻ってきて、 

俺は心が温かくなるような、安心するような、よく分からない気持ちになった。 




【836】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 135  評価

さオ (2016年03月31日 12時58分)




花火が打ち上がって、ひまわりたちを何色にも染めた。 

それは不思議な光景だった。 

元の色があの明るい黄色だとは、到底思えなかった。 


俺「ここからも、よく見えるじゃんか」 

そう言って横の奈央を見たが、黙ってただ花火を見つめていた。 



簡素な電灯しかないから、 

花火が無い時はとても視界が暗くなった。 


そう思うとまた花火が何発も打ち上がり、 

横の奈央とひまわりを鮮やかに映し出した。 


その景色をぼーっと眺めていると、奈央が不意にひまわり畑の中に駆け出した。 


俺「ちょっと、どこ行くんだよ」 


奈央「どこにも行かないよ」 




俺は急いで奈央を追いかけた。 

ひまわり畑の中に佇んでいる奈央を見つけて、安心する。 


俺「暗いし、危ないぞ」 


奈央「ん、分かってる」 


奈央「近くで見れて良かったな」 


俺「そっか、それなら良かった」 

ドン、ドン、パラララ… 


その間にも、頭上ではいくつもの花火が咲いて散っていった。 





【835】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 134  評価

さオ (2016年03月31日 12時57分)




俺がそう言うと、奈央は「なんでそんな事知ってんの」と苦笑いした。 


俺「言ってたじゃん、もうけっこー前だけど」 


奈央「そうだっけ」 


そう言うと、奈央は笑って頷いた。 

奈央「あそこなら人も少ないだろうし、いいけど」 


それを聞いて俺は「よっしゃ」と言って自然と笑顔になった。 



俺「奈央、行くぞ」 

そう言うと、奈央は「うん」と頷いて俺の後をついてきた。 


道の脇に2台の自転車を置いて、河川敷の横のひまわり畑に向かって下りていく。 

その間も、頭上には何発もの花火が大きな音を立てて打ち上がっていた。 


花火が打ち上がるたびに、奈央が「わっ」と言って見上げるので、 

足を踏み外さないか、俺は気が気じゃなかった。 


そしてしばらく歩くと、小さなひまわり畑にたどり着いた。 




【834】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 133  評価

さオ (2016年03月31日 12時56分)




ここまで来て、奈央が「やっぱりダメ」と言って急に止まってしまった。 


俺「どうした?」 


奈央「もしかしたら、会っちゃうかもしれないから…」 


俺は少し黙って考えた。 


俺「奈央がふられた人に…か」 


奈央「もし他の子と歩いてたら…私…」 

奈央はそう言って、下を向いてしまった。 


俺は悩んだ。このままだと、奈央を連れ出してきた意味がない。 

それどころか、奈央をもっと傷つけてしまうだけかもしれない。 


ただ、奈央は花火大会に来たかったんだ。 

奈央のあの表情を変えたかった。 

でも、俺には無理だったのか? 





瞬間、俺は閃いた。 


俺「河川敷のひまわり畑に行こう」 


奈央「え?」 


俺「河川敷の横に、ひまわりが咲いてるの見たんだよ」 

俺「あそこから見ようぜ、花火」 

俺「ひまわり、好きなんだろ」 




【833】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 132  評価

さオ (2016年03月31日 12時55分)



 
俺はそれに「はい」と返事をし、奈央に「いくぞ」と声をかけた。 


俺「奈央、早く早く!」 

俺はそう言って、全力で自転車をこぎだした。 

奈央が後ろから「待って!」と言って追いかけてきた。 


もう何度か通った、あの下り坂を全速力で下っていく。 

夜風が体に当たって、すごいスピードで街灯が過っていった。 

俺は、奈央を花火大会に連れ去る漫画の主人公にでもなったつもりだった。 




自転車をこぐたび、心臓がどんどん高鳴るのを感じた。 

それは近づく花火の音と呼応して、勢いを増していった。 


坂道を全速力で下り終えると、平らな道へ出た。 

横にはあの河が流れていて、 

遠くの橋の上には屋台の灯りがいくつもともっていた。 


大勢の人が灯りの中を歩いているようだ。 




【832】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 131  評価

さオ (2016年03月31日 12時54分)




でも、俺は夏が終わったら東京に戻らないといけない。 

ここでこうしていられるのも、あと少しだけだった。 


このまったく知らなかったど田舎の世界で、 

のびのびと笑って、ぶどうなんか食べて、 

奈央と一緒に過ごせるのも、奈央とバレーができるのも、あと少しだった。 


これが終わったら、俺はどうなるんだろう? 

俺にはまだそれが分からなかった。 




自転車を出そうとすると、おじさんに声をかけられた。 


おじさん「お、どこに行くで」 


俺「ちょっと、花火を近くで見ようと思ってw」 



そうするとおじさんは酔っているのか、 

「奈央が襲われないように守ってやってくれよ!あ、1君も何もすんなよ!」 

と声をあげて笑っていた。 


隣にいたおじいちゃんは神妙な面持ちで「気をつけて行くだぞ」と言ってくれた。 




【831】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 130  評価

さオ (2016年03月31日 12時53分)




俺「なんだ、その帽子」 


奈央「ハットだよ、ストローハット。バカ」 


俺「それ被ってくのかw」 


奈央「もう、あんま茶化すなら行かないよ」 


そう言って奈央がむくれてしまったので、俺も 

「嘘だよ、似合ってる」と気恥ずかしい事を言ってしまった。自業自得だ。 




俺「そんなにオシャレして行く必要あるか?」 


奈央「だって学校の誰かに会うかもしれないし」 

奈央「変な格好してるの見られたくないでしょ」 


俺は確かにな…と思いつつ一つ引っかかった。 


俺「え、でもさ。俺と一緒にいるとこ見られていいの?」 


奈央「大丈夫でしょ別に。それに1は学校の人じゃないし、東京に戻っちゃうんだから」 


俺「ああ…」 


俺はそれを聞いて思い出してしまった。 

最近は過去を振り返って落ち込む事もほとんどなくなっていた。 

その全てが今の暮らしが充実していて、楽しかったからだ。 




【830】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 129  評価

さオ (2016年03月31日 12時52分)




リリリリ…という虫の声と、縁側で話すおじさんたちの笑い声も聞こえた。 

蒸し暑くて、Tシャツ1枚とステテコという軽装だったのに汗が滲んだ。 


俺はぼんやりと、考え事をしていた。 


これから奈央はどんな格好で出てくるんだろうなぁとか、 

奈央と二人で花火を見るのはちょっと照れるなぁとか、 

これから、俺はどうしていこうか―とか。 



頭の中がこんがらがって、今何が起きているのかもよく分からなくなった。 

しばらくすると、玄関の戸が開いて奈央が出てきた。 


奈央「おまたせ…」 

俺は奈央の姿を見て「おっ」と声が漏れた。 


奈央はシンプルなカットソーとスカートで出てきて、長い髪に帽子を被っていた。 

普段は部活着か制服、部屋着しか見たことがなかったので、 

私服を着ている奈央は少しだけ垢抜けていて、新鮮だった。 




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