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【450】 | 魔法の眼鏡があったなら まきりと2 (2022年01月19日 00時04分) |
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私が社会人になって初めての会社で事務員(まだOL呼びは一般的じゃなかったような気がするの)をしてた頃。 コピーの点検修理に来るとても感じの良い男性がいて、営業のおぃちゃんに「どうや?」とか言われてたりした、初々しい時代がありました。 当時、まだ彼はいなかった私でしたが、二人で会話する時間は、のほほーんとしていてね。 ほんの少しも人を傷つける言葉や表情を見せない、優しさしか見当たらない人でした。 私、まじめが服を着てたので、仕事中にお喋りする事もなくってね。 だから、あんなこと話した、こんなことで笑ったと言った記憶はないのです。 お茶を出したついでに、コピー機を修理してるのを興味津々で覗いては「それ、なんですか?」とか、子供じみた質問してた事はあったかな。 ただ、笑顔だけ。 その人の笑顔だけを思い出す。 ある日、彼が亡くなったと聞きました。 前出のおぃちゃんは、ポケベルを鳴らしても何時も橋の下で寝てるのに「〇〇さん、よこしてや!」その人じゃなきゃダメ!なお客さんばっかりで。 フーテンの寅さんみたいな人だった。 そのおぃちゃんが、悔しそうにその訳を私にぽつりぽつりと話したの。 え?なんで? だって、全然… その時、ハッとした。 数日前、何時ものよに点検を終えて帰る姿を見送ってたらね。 彼が、振り返って言ったんです。 「まきりとさん、ありがとう」 笑顔でした。 何時もの、はにかんだよな笑顔。 優しい目元で一礼して歩く後ろ姿を見送った。 あれが最後の会話になると知らないで。 今も、忘れる事は出来ません。 もし、二人で話す事があったなら。 友達になれてたら。 何も変わらなかったかも知れない。 何も出来なかったかも知れません。 それでも、忘れられぬ記憶。 何十年の時が流れても。 だから、眼鏡美人は今日も行く。 いつか誇りを胸に歩ける自分になれるよう。 足りない自信を抱えた自分に会えるまで。 繰り返し身を案じてくれる人と語りながら 出会った、たいせつな人たちを見ていたい。 …この眼鏡!曇らせてなるものか(笑) 願わくば魔法の眼鏡があったなら 気持ちが見える眼鏡があったらと ユーミンの魔法の鏡が好きな女は、だけど、ついパクリたくなって(笑)今夜もコトリと眼鏡を外して寝静まるのでした。 |
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【452】 |
しょうぞう (2022年01月23日 01時20分) |
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これは 【450】 に対する返信です。 | |||
振り返って言った、ありがとう。 優しい目元で見せた、笑顔。 彼はこのとき、何を思っていたのでしょう。 あとになって気づく、人の心。 あのとき、気づいていれば、あのとき、私にもう少しだけ勇気があれば。 気づいた心、気づけなかった心、答え合わせはできないのかもしれない。 でも、記憶となって刻み込まれたその心は、いつしか羽をつけ、空へ羽ばたく。 そしてその心は、天からずっと、私たちを見守る。永遠に、ずっと見守る。 そう、ずっと見守ってくれるから、記憶という宝物が、この世から消えることはない。 そしてその記憶が、自身を成長させる、自身に勇気をくれる、自身に新たな一歩を踏み出させてくれる。 だから私は、感謝の気持ちを忘れない。 だから私は、声にする。 心から、ありがとうと。 「まきりとさん、ありがとう」と。 魔法の眼鏡は、もしかしたら、誰しもが心の中に持っているのかもしれませんよ。 人の気持ちは見えないかもしれない。 でも、自分の心は見えるかもしれない。 自分の心が見えたら、きっと、こう囁いてくれることでしょう。 「さあ、また共に歩んでいこう」と。 |
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