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【160】 | セレナーデ(後編) しょうぞう (2021年07月25日 23時49分) |
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で、その数日後、私はその子に告白されたんですよ。 驚愕しました。 告白って言ってもね、「付き合って」ではなく、「結婚して」って言われたんですよ。 なぜそんないきなり話がそこまで飛躍するのか、当時の私には理解不能でしたし、そもそもハナから結婚なんて微塵も考えていませんでしたから、究極に焦りました。 でもその子はそこまで考えていたわけですから、結婚するつもりはないって言ってもね、そうそう簡単に終わるはずがありません。 そう、終わらなかったんですよ。 だから長い物語って書いてるんですけどね。 出会い系は完全に遊びのつもりでやってましたし、まぁ結局、私のそのろくでなしなサマが原因ではあるんですけど、このときばかりはね、恐ろしいまでの後悔と、その子に対する罪悪の念がね、長い間私を苦しめました。 その子がね、とても素直でやさしい子だっただけに。 連日連夜、マンションに押しかけられ、まるで借金取りにでも怯えるかのように居留守を使う毎日。 電話はほぼ鳴りっぱなし。途中からは非通知になりましたが、その子であることは明白なので、取ることもできず。 そして、なんと私の実家の住所と電話番号まで調べ上げ、おふくろに言ったらしいんですよ。 しょうぞうさんと話をさせてくださいって。 それでも私は、怖くて連絡を取ることができず、ある時期から、おふくろが電話に出ても応答しなくなり、真夜中の無言電話が続くことになります。 当然ね、親からこっぴどく怒鳴られました。 あんたいったい何やってんの、ちゃんと自分でケジメ取りなさいって。 おふくろはそれ以上は何も言わなかったんですけど、おそらくね、その子、最初におふくろに色々話したと思うんですよ。 だからね、ケジメっていうのは、もしかしたら結婚しろっていう意味で言ったのかもしれませんけど。 でも私は謝ることしかできませんでした。 彼女が諦めてくれるまでに、いったいどれほどの時間を要したことでしょう。 そしてその間、彼女はどれほど苦しい思いをしたことでしょう。 今でもね、彼女に対しては申し訳ない気持ちでいっぱいです。 そしてそれから数年後、実家に一通の手紙と写真が届きました。 その写真には、赤ちゃんを抱いた彼女と、その隣には旦那さまが写っていました。 その手紙の中で彼女は、何度も何度も私に謝っていました。 苦痛な思いをさせてごめんなさいって。 その文面には、彼女の純粋さとやさしさと、私を気遣う思いが滲み出ていました。 このときばかりはね、過去に経験のないくらいの自己嫌悪に陥りました。 当たり前ですよね、ここまで外道な所作をしたわけですから。 あれから私は、少しくらいは成長できたのでしょうか。 そんなことをね、自問自答する毎日です。 皆さま、いつの日も、いついつまでも変わらぬ愛を。 |
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【162】 |
TaKeRu (2021年07月28日 23時33分) |
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これは 【160】 に対する返信です。 | |||
こんばん ( ・∇・) にゃわん その手紙を送ることで その子は自分の気持ちを整理したかったんやと思うから そんな引きづらなくてもいいんじゃなかろうか と 思いました。 |
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この投稿に対する 返信を見る (1件) |
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