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【2】

RE:T字路の行方  評価

もみあげブランコ (2008年09月09日 22時04分)

 第二話  交差点



 酒宴が始まってからちょうど一時間くらい過ぎただろうか

 このくらいまでくると、さっきまで緊張してた面持ちが
 個々によって和らいでくるのが垣間見れる


 この一時間はほとんどマニュアル通りの話しばかりだった


 名前、出身地、血液型など・・・

 その辺の会話の中から、無理やりに共通点を見出し

 ときには面白トークへと発展させていく


 それが今日まで合コンと言われる飲み会だ


 僕は一応この席を設けた張本人であるから、

 ある種幹事役として

 「グラス空いてるよ、次何頼む?」

 「トイレは突き当りを左ね」


 こんな感じで遂行の妨げにならない程度に

 役割をこなす



 「ちょっと雄一郎!しっかり飲んでるの〜」

 不意に亜里沙が少し紅潮した顔で話しかけてきた


 「お、おう 乗り遅れない程度にな」

 皆一様にこちらを向いたので、視線のやり場に困った


 「この間さぁ 雄一郎の部屋見たんだけど・・」

 「はあ!?」


 

 数人が一斉に声を発した 


 そりゃそうだ

 ”合コン”という場において一瞬目を丸くするような
 発言が亜里沙から放たれたのだから



 

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

 亜里沙と出会ったのは10日前のことだ


 会社で行われた師走のよくある飲み会が、思いのほか

 早く終わったので

 僕は有楽町の駅前近くでフラフラと人間観察をしていた


 この時期はやけに賑やかだ

 きっと賞与などで、皆懐に余裕があるんだろう

 陽気とも取れるような人たちで交差点もいっぱいになる



 そんな中、歩行者信号が青だというのに

 横断しない女性がいた


 明らかに時間を持て余している

 
 言ってみればこちらと状況が同じようだ、と感じたときに


 僕は声をかけていた


 「信号・・・ 青だけど渡らないの?」

 
 僕を見上げる女性


 「ちょっとさ、暇してたんだ 飲みなんか行かない?
 東京っていまいちわからなくて」


 いつもの文句が今日はスムーズに出た


 その女性は少しその場でメールを打った後

 「近くにオシャレなバーならあるけど」


 と問いに答えてきた


 
 

 しばらくして、僕たちは点滅する信号を駆け足で渡った
【1】

T字路の行方  評価

もみあげブランコ (2008年08月29日 00時22分)

第一部   T字路の行方


 第一話   4対4



 今日は午後からテンションが上がりっぱなしだ

 仕事にもほとんど集中できず、ただ周りに迷惑をかけない程度に
 働いている


 時計を見ると16:30


 終業は目前だ

 「あ〜 今日はこのスーツで良かったかな」
 
 と日が暮れてきた空を見上げながら思った



 会社の同僚らを連れ、待ち合わせの銀座4丁目に予定通りに着いた

 今日のお目当ての彼女らはまだ来てないようだ


 「たぶん白いコート来て、ブーツとか履いてるんだよなー」


 「網系のストッキングとかもいいよな」


 先輩らが口々に今日の予想を話している

 「あっ」

 
 後輩が指した方向から、4人の女性が近づいてきた


 「こんばんわー」


 そう口を開いたのが唯一の知り合い亜里沙だ


 「おう お疲れ  店はこの上だから」

 
 僕は女性軍を店へ案内し、後から先輩らも続いた


 互いにかなり品定めをしているようだ

 「いやー 合コンなんて久しぶりだからな! な?」

 
 少し空気が冷えたが、この程度の発言はよくするので
 「一応飲み放題にしといたから」

 と軽く雰囲気を変える


  男 4人       女 4人


  ワリと自然にミックスして着席した
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