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【520】

RE:お気楽何でもトピ  評価

ぽぽっち (2014年04月26日 23時31分)

ノマちゃん こんばんはー


やっと20話まで読んできたwww

一気読みのほうが分かりやすいね^^

でも今日はここまでにしとくw〜


登場人物では名前覚えられるかしら〜〜(~_~;)と思って、

おおよその人物像をメモしておいたから、

実際のアルフィーネとウーズバンド の会話がすんなり頭に入ってきて良かったーヽ(^o^)丿


本筋に入っていくまでの序章までは頭ん中に入れるのが大変だったなぁ(^ー^;)


途中途中に入ってたタケちゃんやさんはなさんやさオちゃんのレスがコマーシャルみたいでホッと息抜きになった((笑´∀`))ヶラヶラ

時々コマーシャル入れて欲しい^^


あの福島原発を機に小説を書こうと思ったのかな?

それにしても

横文字や難しい言葉がいっぱいでめげそうだったー(*´・,_ゝ・) プッ

がんばって読んでいくから〜〜(^O^)/
【519】

RE:お気楽何でもトピ  評価

Normad (2014年04月26日 17時01分)

第3章はここまで。

こっからますます文章量が多くなって行くんだけど

ピワに怒られないかしら(^^;)


ま、今時文章で容量を食うから駄目、なんてトコはないかあ。



では、続きは明日。


じゃね。



.
【518】

無意味な世界、無価値な世界 032  評価

Normad (2014年04月26日 16時52分)

「まずは室長と協議しながら、自分の判断で今後の事はやって行きなさい。
 ただし、私からの指令は全てに優先します。」

マリアはそこまで話すと急に、2人にディスプレイの近くまで来るように手招きした。

2人が怪訝な顔をして3Dディスプレイに寄ると声を潜めて話し出す。

「これからは記録を切っているからな。心して聞け。
 今回は今までと違って、情報戦だけでなく敵が力押しして来る可能性がある。
 だから、さっきああは言ったが、場合によっては上層からの指示に従わねばならないケースも出てくる。
 だが、ユビ・シアンには気をつけろ。下手をすると第55エリアの二の舞になりかねない。
 あの男を抑える事が出来るのは、アルフィーネ...。」

「お前だけだ。」

マリアはそう言うと、意味有りげにウーズバンドを見た。

そして「以上」と告げるとディスプレイから消えた。

ランダーが話が終わったのを察して話かけてくる。

「ひそひそ話ですか。このご時世に古風な事しますな。あの美人な貴方達の上役は、なんとも訳がわからん方だ。」

ランダーはそこまで言うとニヤリと笑って付け加えた。

「でも憎めない方だね。出来れば、ベッドでお会いしたいものだ。」

「ランダー室長、ここの情報機器を使わせて貰いたい。多分、情報戦はもう始まっている。」

アルフィーネは、ランダーのそんな軽口が終わるのを待っていられずに口を挟んだ。

ランダーは、分かっていると顔をしかめて答える。

「勿論、既に情報戦は始まっている。そして、こちらも本部からの要員が応戦しているところだ。
 だが、君の手腕は知っている。良いだろう。好きな様に使いなさい。
 ただし、君も知っての通りレベル5の権限が必要な事は出来ない。
 そしてレベル4の権限も一部制限させて頂く。それでも良いかね。」

「感謝します。それから、情報戦が始まったとなると、心理戦も始まります。
 間もなく、敵からの直接交渉もあるでしょう。そこは包み隠さず、明かして欲しい。」

アルフィーネがそう乞うと、ランダーは勿論だと頷いて

「後はヨウコに聞きたまえ。」と言った。

指令室を出て行きながら、アルフィーネはこれからの長い戦いを予感していた。

この国では、既に国家警察が崩壊して久しい。

エリアの治安はプラントが自ら守らなければならない。逃げ出す事は出来ない。



(続く)
【517】

無意味な世界、無価値な世界 031  評価

Normad (2014年04月26日 16時48分)

次の日の朝、呼び出しを受けた二人は手早く身支度を済ませて指令室に向かった。

指令室ではランダーが既に待ち構えており、メインの3Dディスプレイを顎で指して言った。

「本部から君たち2人に伝えたい事があるそうだ。」

3Dディスプレイには、大柄なブロンドの女性が映っている。

いかにもけばけばしいその美しさは、この世界で大きな力を自身が持って居るか
後ろ盾を持って居る事を意味する。

アルフィーネとウーズバンドの二人は、その姿を見るなり少しうんざりした顔になったが
すぐに神妙な顔になって、彼女が口を開くのを待った。

「アルフィーネ、そしてウーズバンド。到着が少し遅れましたね。
 その分、本部の運用支援部隊の評価が下がる事になります。気をつけるように。
 貴方がたへの指令は、既にアテンシュフォード室長から伝えて貰ってる筈です。
 今回は、かなり深刻な状況になるかも知れません。全力を尽くしてプラントの運用を守る様に。」

そんな調子で話を続けるディスプレイの中の女性に、アルフィーネが割り込んだ。

「スタインベック運用次官、防衛ストラテジー部より派遣されてきた方がおりますが、私達はその人の言う事も
 聞かねばならないのですか。」

スタインベックと呼ばれたその女性は、間髪をいれずに答えた。

「その必要はありません。運用部は、そのような人物がそこに派遣された事を関知してません。
 って、もうそっちに着いてるの?普段は何もしないで女のケツ追ってる癖に。
 あ、今の記録消す事っ。」

マリア・E・スタインベック運用次官が記録係を睨みつけて対応を迫っている間
2人は下を向いて笑いを押し殺していた。

この若く美しい上司は、頭は切れるが思った事をすぐに口に出す癖がある。

口は煩いが、なんとなく心休まる上司だった。

「我々が第一に考える事は、とにかくプラント運用に支障を来たさぬよう全力で支援する事。
 上層の政治的な事など考慮する必要なしっ。」

そう言い放つマリアの怖い顔を見ながら、アルフィーネは

「今の発言こそ消去しなきゃならない類の発言じゃないかしら..。」

と密かに思った。



(続く)
【516】

無意味な世界、無価値な世界 030  評価

Normad (2014年04月26日 16時42分)

「何か聞きたい事が有りそうね。」彼女は首を傾げながら、そう言った。

彼はその声に驚き、思わずを見たその方向に接触するほど近く彼女の顔があるのを見て
また俯きながら思い切って言った。

「アルフィーネさんは、あの人とどういう関係なんですか。」

「ユビ・シアンの事? そうね、前に私は第55エリアのエリアマスターの秘書をやっていた事は
 話した事があるでしょう。あの男はエリアマスターの補佐をやっていた男よ。」

彼女は、極めて冷静に話をした。

あの時の動揺は、微塵も感じさせない。

「さっきは、少し感情的になってしまったわね。私も不意を突かれて、溜まって居たものが出てしまったみたい。」

「アルフィーネさんも、興奮する事があるんですね...。あ、ごめんなさい。
 いつも冷静な所しか見てなかったので。」

おずおずと口を挟んだウーズバンドに、アルフィーネは笑って答えた。

「勿論よ。マスターはね、私に良く言っていたわ。心に湧き上がる物を抑えちゃいけない、って。」

彼女は遠くを見るような目で、居なくなってしまったエリアマスターの面影を思い出していた。

それを振り切るようにするとウーズバンドの顔を見つめ、少し強い口調で彼に言った。

「あのユビ・シアンという男には気をつけた方が良いわ。あの男には、多分秘密がある。
 第55エリアが陥落した事に関する何かがね。」

「それが本当なら、何故あの人はここで地位を得ているんですか。」

彼が眉をひそめて問うと、彼女は立ち上がり背を向けるとまるで盗聴されていない事を確かめるように
ぐるりと部屋を見回した。

「わからないわ。IEMO内部でも、あの男を疑う人は多い。でも、あの男が何かを企んだら
 しっぽをつかまれるような事は絶対にしない。かと言って疑わしいからと閑職に追いやったりしたら
 逆にIEMOの内情を良く知っているあの男をニーベルングの指環に走らせる事になり兼ねないから
 要は見張り付きで泳がせている、という事なのでしょう。」

彼女はここで言葉を切ると、厳しい表情になって続ける。

「それから、IEMO内部にも不穏な事を考えている人も居るみたいなの。地熱エネルギープラントの
 全ての情報が公開されていない事に関してそれを保有しているサイトウ一族から強引に情報を引き出すために
 あの男を利用するという意図があるのかも知れない。人の考える事は...。」

「汚いものね。」

アルフィーネはフっと溜息をついた。

「アルフィーネさんは、あの人に復讐をする事が目的でこういう仕事をしているのですか。」

ウーズバンドが心配そうにそう尋ねると、アルフィーネは首を横に振って優しく彼に答える。

「そうじゃないわ。私は、マスターの意思を継ぎたいだけ。きっとどこかに、マスターが目指していたものが
 記録されて居る筈なのよ。」

「そして、きっとそれは貴方にも関係する事」そんな言葉を飲み込んで、アルフィーネは

「さあ、もう眠りましょう。明日は忙しくなるわ。」

とウーズバンドにベッドに入るよう言った。



(続く)
【515】

無意味な世界、無価値な世界 029  評価

Normad (2014年04月26日 16時38分)

ウーズバンドと入れ替わりにアルフィーネがシャワー室に消えた後
ウーズバンドはベッドの端に腰かけて、彼女が出てくるのを待った。

尋ねたい事が次々と湧いては消える。

考えて見れば、この1年間は彼女に付いて行くのが精いっぱいで、彼女の事を聞く余裕など無かった。

だが今日、彼女の知り合いらしい人物と出会い、彼女の思いもかけない感情的な姿を見て
彼が彼女の事を何も知らない事に改めて気づいたのだった。

そう言えばアルフィーネさんは「必要な情報は伝える。」って言ってたっけ、と彼はぼんやり考えた。

でも、一体何を聞けば良いのか。

アルフィーネがシャワー室のドアを開けて、素肌に一枚のガウンを着たまま現れた時も、ウーズバンドは
下を向いて考え事をしていた。

彼女は彼の隣に座り、彼が口を開くのを待った。

洗ったばかりの髪の甘い香りが、ウーズバンドの鼻をくすぐる。

これ程、彼女が彼に近づいて座るのは初めてだった。

ウーズバンドは、ドギマギして体が硬くなった。

ウーズバンドは一度、偶然だがアルフィーネの一糸纏わぬ姿を見た事がある。

完璧なプロポーションのその肉体は、何者も寄せ付けないような超然とした美しさがあった。



(続く)
【514】

無意味な世界、無価値な世界 028  評価

Normad (2014年04月26日 16時33分)

そんな彼の言動に、アルフィーネは一抹の疑念を抱いていた。

彼は、今の自分の立場に満足しているのだろうか。

ユビは、何か野望を抱いているのではないか。

いつしか彼女はそんな考えを抱くに至った。

そんな漠然とした不安をアルフィーネは一度アキラに漏らしたが、アキラは笑って

「心配するな。」

と一言、言っただけだった。

そして、あの第55エリアが襲撃された日の4日前、ユビは情報処理学会に出席すると言ってK国へ旅立って行った。

アルフィーネはその当時、第55エリアに高まりつつあった不穏な雰囲気に不安を募らせており
その大事な時期に普段は学会はバーチャル会議で済ますユビがわざわざ出向く事に不審を感じた。

思い余った彼女は、出発の前の日に会いに来たユビにその意図を問い詰める事もした。

ユビは笑って

「今回は次世代量子コンピュータの実機のデモをしなくてはならないのでね。
 これは、今後のエネルギーバランスのシミュレーションに必要な重要なイベントなのだよ。
 ネットワーク接続の実績が無いのでネット経由では出来ないのだ。
 下手をするとネットへダメージを与えかねない訳でね。今の状況が気になるのかい。君は心配性だな。
 なに、大丈夫。僕が居なくてもアキラが居るじゃないか。」

と言い訳をした彼の、いつもの余裕の笑みをたたえた表情に、彼女の不審の念は消える事はなかった。

第55エリアが陥落した後、ユビはその地に戻る事なくIEMO本部のあるA国へ渡った。

もちろん、生き残った関係者の中で最上位の役職にある彼がIEMO本部に呼び出されるのは当然の事だったが
いかにもそれは手際が良すぎた。

それを聞いた時、アルフィーネは直感的にユビがテロ組織の第55エリア攻略に何らかの関係があるのではないか
との意を強くした。

彼女は何度か彼と連絡をつけようとしたが、その後防衛ストラテジー部顧問に収まったユビは
多忙を理由に会うのをやんわりと断ってきた。

それが、今になって突然出会う事になろうとは。

彼女はその不自然さに、彼がまた何かを企んで居るのではないかと密かに危惧していた。


(続く)
【513】

無意味な世界、無価値な世界 027  評価

Normad (2014年04月26日 16時30分)

2人に与えられた部屋はさして広くない、2DKの間取りのものだった。

アルフィーネは手早く荷物を収納に収めると、まだ制服を着ているウーズバンドに

「着替えてらっしゃい。」と声をかけた。

ウーズバンドが着替えるついでにシャワーを浴びている間、アルフィーネは立ったまま
思いを巡らせていた。

図ったようなユビ・シアンの行動。

思いがけない再会に彼女の心が揺れる。

1年前まで第55エリアのエリアマスター、アキラ・サイトウの補佐官であったユビ・シアンは
アキラの十数年来の親友であった。

極めて有能な情報処理技術者でもあり、現在、情報システムにおいて主流となっている第7世代量子コンピュータの
基礎部分は彼が考案したと言われている(彼はこの点についてあまり明かしたがらない)

ユビ・シアンは、アキラが連れて来て身の回りの世話をさせているアルフィーネに興味を持っており
アキラの住居に何度も足を運んではアルフィーネに会いたがった。

ユビはアルフィーネと熱心に話込み、その内容は多岐に渡った。

それは彼女の私生活にも及び、アルフィーネが困ってアキラに助けを求めることもしばしばだった。

アキラは、ユビ・シアンの意図を見抜きながらも特にそれを咎める事はせず
2人が会うのに任せていたようである。

その頃から、ユビ・シアンは彼女の正体に気づいており、その生い立ちも推測して居たようだ。

アルフィーネも、学術のみならず美術・音楽などの芸術にも造詣が深いユビの会話には興味を持っていたようであり
まんざらでもない様子であったが、ユビとアキラでは全く考え方が異なる事を感じ取っていた。

ユビの考えは自分を中心に拡大する傾向にあり、この世界のあるべき姿をアルフィーネに語って聞かせた事もある。

アキラはエリアマスターとしてこの世界を如何に活性化していくかを考えていたが、ユビは一度この世界はリセットして
再構成する必要があるではないか、と良く言っていた。



(続く)
【512】

無意味な世界、無価値な世界 026  評価

Normad (2014年04月26日 16時25分)

「君ら、積る話があるのは分かるが、到着したばかりでお疲れだろう。荷物の整理もあるだろうから
 いったん部屋で休んではどうだろう。部屋にはヨウコに案内させる。」

険悪な雰囲気を察してかランダーがそう水を向けると、ユビが即座に答えた。

「そうさせて貰うよ。ああ、ランダー室長。その部屋には3Dディスプレイと端末はあるのかな。
 なかったら備え付けて欲しい。データを見て今後の対策も練りたいし、本部への連絡もしたいからね。」

「貴方の部屋は特別に用意しましたから、ご自由に使って下さい。ただし、本部に費用は請求しますよ。」

「しっかりしてるね。ご自由に。」

そのようなやりとりの後、ユビ・シアンとハイダウエイは、ヨウコに従って指令室を出て行った。

ランダーは出て行く3人の姿を見届けると、独り言のように呟いた。

「どうも、あのユビ・シアンと言う男は胡散臭いな。監査官が張り付いているのも本部があの人を
 信用してないからだろうが。なにぶん能力が超一流なのは確かだから、無碍には出来ないのだろうな。」

そこで、アルフィーネとウーズバンドの2人が残っている事に気づくと気まずそうに

「今言った事は内密にな。それと、アルフィーネ。君らしくない激情ぶりだったな。
 だが、逆に私は君の女性らしい感情に共感したよ。おっと、これは失礼だったか。」

と笑った。

「さて、君たちも部屋に下がりたまえ。ところで、部屋は別々にした方が良いのかな。」

とランダーが問いかけると、アルフィーネは「一緒で結構です。」とすぐさま答えた。

「それはありがたい。人が増えたせいで客員の部屋が不足しているのだよ。
 部屋にはベッドを2つ用意したからな。それとも、それも1つで良かったかな。」

ランダーの下卑た笑い声を後ろに、戻ってきたヨウコについて部屋を出たアルフィーネは

「1つでも結構だ。」と一言呟いた。



(続く)
【511】

無意味な世界、無価値な世界 025  評価

Normad (2014年04月26日 16時21分)

「それは逆に危険な兆候ね。その中にニーベルングの指環の工作員が潜んでいないとも限らないわ。」

ここでアルフィーネは口を挟んだ。ランダーは「分かっている」と手を振り制し、先を続ける。

「君たちだってその中に居るんだぞ。その少年のような素性の知れない人物も居るしな。」

ランダーはウーズバンドをちらりと見、ウーズバンドは首を竦めた。

「それは冗談だよ。君たちは対テロ戦においての経験を認められて、IEMOが特別に派遣してきた
 訳だからな。そして、アルフィーネ、君には旧知の仲だろうが、更に本部から大物が来た。」

測ったように自動ドアが開き、長身の男が現れた。

如何にも賢そうな鋭い顔つきに皮肉な微笑を浮かべている。

その姿を見た途端、アルフィーネは硬直した様に思えた。

こわばった表情でその男を凝視する。

「こんな所で会えるとはね、アルフィーネ。1年前は苦労をかけた。
 アキラの事は残念だったがこれはアイツへの弔い合戦とも言えるな。」

長身で細身、ブロンドの髪をして青い目のその男は、低く響く声でアルフィーネに話かけた。

「ユビ・シアン。あの時の責任が一番大きいのは貴方の筈。
 それが防衛部門の顧問に落ち着いてるとは。
 IEMO本部はどういう評価基準を持ってるのかしらね。」

アルフィーネははっきりと憎しみのこもった口調で、激しくまくしたてた。

ウーズバンドはこんなに感情的な彼女を、今まで見たことが無かった。

「そうか。君は僕のせいで第55エリアが落ちたと思って居るのだね。でも、それは誤解だ。
 その証拠に、ここにおられる本部の監査官が僕の無実を証明してくれると思うよ。」

ユビ・シアンはそう言うと、いつのまにか横に来ていた背の低い、少し太った年配の男に手を差し出し、握手した。

その男は、生真面目そうな雰囲気を持った人物で、丁寧に自己紹介をした。

「私は監査部、第12内部監査課課長を務めさせて頂いております、ホルムス・J・ハイダウエイと申します。
 ユビ・シアン防衛ストラテジー部顧問にご一緒させて頂いております。」

ハイダウエイはそこで一つ咳をすると、癖のように一同を見まわし話を続ける。

「ユビ殿からの先ほどのご依頼の件ですが...。
 監査部として第55エリアのあの事件について内偵を進めましたが
 ユビ殿につきましては決定的な落ち度は見い出せなかった、というのが公式の見解です。」

「そういうことだな。
 逆にあの時のアキラの対応が、第55エリア陥落の原因だったという声もあるじゃないか。
 おっと、アルフィーネそんなに睨むなよ。君の気持ちは分かるが、現実は受け入れる必要がある。」

ユビ・シアンは今にもつかみかかりそうなアルフィーネに、更に皮肉な調子で言葉を浴びせた。

「それにアルフィーネ。君は有名人物だが、たかが一級プラント運用官に過ぎないじゃないか。
 僕にタメ口でつっかかるのはどうかな。まあ、本部に君を買ってる人物が多いのは認めるが
 あまりいい気にならない方が良いのではないかな。」

ユビとアルフィーネの間には一触即発の空気が漂った。



(続く)
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