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【206】

RE:   メモ帳 代わりにご利用...  評価

さオ (2014年11月21日 23時54分)




いかがでしたでしょうか?


なかなかステキなファンタジーだとはおもいませんか?


一日、いちにちを。 大事にすべきだし。

今出来ることを懸命にやる。 耳を澄ませて、人の言うことに注意を払う、、、 人を知る、ってことだよね。




そしたら、もしかしたら。 こうしたステキな恋が始まるかもしれませんね。 アハハハ



いい話だったなぁ。 なんか、目から汁が。。。。


では、皆さま。 良い夢を。

おやすみなさい。


スロ歴30年さん。 ご声援ありがとうございました。

はい。 お互い健康には気をつけましょね。






パクちゃんのがんばりに比べること自体おかしいけども。


少しだけ、がんばってコピペってきました。 パクちゃんに影響されちゃったかな。 アハハハ



最後まで読んでいただいたみなさま。 ありがとうございました。




男優は、誰でもいいけど(知らないので)

ミヤギ役は、橋本愛ちゃんで。

ドラマにならないかなぁ。。。。。





さて、今宵はこれにて。

さあ、飲むぞー


 
 
 
【205】

寿命を買い取ってもらった その113  評価

綺華 (2014年11月21日 23時51分)





おしまい。



 
 
 

【204】

寿命を買い取ってもらった その111  評価

綺華 (2014年11月21日 23時57分)


(その1は、【88】)



「さて、クスノキさん」
 
ミヤギは俺に微笑みかける。

 
「これから三日間、どう過ごしましょう?」







寿命を買い取ってもらった その112


(その1は、【88】)



多分、その三日間は、

 
俺が送るはずだった悲惨な三十年間よりも、

 
俺が送るはずだった有意義な三十日間よりも、

 
もっともっと、価値のあるものになるんだろう。


 
 
 
【203】

寿命を買い取ってもらった その110  評価

綺華 (2014年11月21日 23時50分)



(その1は、【88】)



ミヤギは俺の手を握り、説明してくれた。

 「つまり、私もあなたと同じことをしたんですよ」

 
俺が寿命を三日だけ残して売った直後、

 あの代理監視員の男が、彼女に連絡したらしい。

 『クスノキとかいう男、自分の寿命をさらに削って、

 お前の借金をほとんど返しちまったぜ』、ってさ。

 
それを聞いたミヤギは、すぐに決断したそうだ。

 
「三日残して、あとは全部売っちゃいました」とミヤギは言った。

 「おかげで、借金を返しても、まだまだお金があまってます。

 三日間だけじゃ、とっても使い切れないくらい」

 
 

【202】

寿命を買い取ってもらった その109  評価

綺華 (2014年11月21日 23時48分)



(その1は、【88】)



「……すごいですよね、たった三十日で、

 私の人生の大半を買い戻しちゃったんですから」

 
隣に座ったミヤギは、俺によりかかりながらそう言った。

 
周りの人間はあぜんとした顔でミヤギを見てたね。

 そりゃまあ、実在してるとは思わなかっただろうなあ。

 
「あんた、もしかしてミヤギさん?」と一人の男が訊ねて、

 「そうです。ろくでもないミヤギです」と彼女が答えると、

 俺の手を取って「良かったな!」と祝ってくれた。

 
だが、当の俺はまだ事情を飲み込めずにいた。

 なんでミヤギがここにいるんだ?

 どうして周りの人の目にミヤギが映ってるんだ?

 
 
 

【201】

寿命を買い取ってもらった その108  評価

綺華 (2014年11月21日 23時47分)



(その1は、【88】)
 
 
 
その声に、俺は聞き覚えがあったんだよ。

 一日や二日で忘れられるもんじゃない。

 俺にその声を忘れさせたかったら、三百年は必要だね。

 
声のした方を向く。

 俺は確信していたんだ。

 聞き間違えるはずはなかった。

 でも実際に見るまでは、信じられなかった。

 
「そのミヤギって人は、ろくでもない女ですね」

 
ミヤギはそう言うと、自分でくすくす笑った。


 
 

【200】

寿命を買い取ってもらった その107  評価

綺華 (2014年11月21日 23時46分)



(その1は、【88】)
 
 
 
気付けば俺はぼろぼろ泣いていたな。
 
 二人は、そんなみっともない俺をなぐさめてくれた。
 
 
で、驚いたことに、俺の想像している以上に
 
 俺のことを知ってるやつは多いらしくてさ。
 
 “またクスノキが新しいことやってるぞ”って感じで、
 
 徐々に俺の周りには人が集まってきたんだ。
 
 
俺はミヤギとは喧嘩別れしたってことにしといた。
 
 向こうが俺を見限って、捨てたってことにしたんだよ。
 
 
「ミヤギはクスノキの何が気に入らなかったんだろう?」
 
 女子大生っぽい眼鏡の子が、怒ったように言う。
 
 まるで本当にミヤギが存在したかのような口ぶりでさ。
 
 
「こんな良い人をおいて消えるなんて、
 
 そのミヤギってやつは、本当ろくでもない女だな」
 
 若いピアスの男はそう言って、俺の背中を叩いてくれた。
 
 
俺は何か言おうとして顔を上げて、
 
 でもやっぱり言葉につまって、、、
 
 
 
 ――そのとき、背後から声がしたんだな。
 
「そうですよ、こんな良い人なのにねえ」って。
 
 
 
 

【199】

寿命を買い取ってもらった その106  評価

綺華 (2014年11月21日 23時45分)



(その1は、【88】)



噴水の縁に座ってうなだれていると、

 中学生くらいの男女に声をかけられた。

 
男の方が俺に無邪気に話しかける。

 「クスノキさん、今日はミヤギさん元気?」

 
「ミヤギはさ、もう、いないんだ」と俺は言う。

 
女の方が両手を口にあてて驚く。

 「え、どうしたの? 喧嘩でもしたの?」

 
「そんな感じだな。お前たちは喧嘩するなよ」

 
二人は顔を見合わせ、同時に首をふる。

 「いや、無理じゃないかな。だってさ、

 クスノキさんとミヤギさんですら喧嘩するんでしょ?

 あんなに仲良しの二人でさえそうなるなら、

 俺たちが喧嘩しないわけがないじゃん」


 
 

【198】

寿命を買い取ってもらった その105  評価

綺華 (2014年11月21日 23時44分)



(その1は、【88】)


 
残り、三日。最初の朝だった。


 ここからは、監視員の目は一切ない。純粋に俺だけの時間だ。

 
ミヤギは今頃、どっかの誰かを監視してるんだろうか。


 そいつがヤケになってミヤギを襲ったりしないことを、俺は祈った。

 ミヤギが順調に働き続け、借金を返し終わった後、

 俺のことを忘れちまうくらいに幸せな毎日を過ごせるよう、俺は祈った。

 
三日間を何に費やすかは、最初から決めていた。

 俺はかつてミヤギと一緒にめぐった場所を、今度は一人でめぐった。

 
思いつきで、俺はミヤギがいるふりをしてみることにした。

 手を差し出して、「ほら」と言って、空想上のミヤギと手をつないだ。

 
周りから見れば、いつも通りの光景だったろうな。

 ああ、またクスノキの馬鹿が架空の恋人と歩いてるよ、みたいな。

 
でも、俺にとっては大違いだったんだ。

 俺はそれを自分からやっておきながら、

 まともに立っていられないほどの悲しみに襲われた。


 
 

【197】

寿命を買い取ってもらった その104  評価

綺華 (2014年11月21日 23時42分)



(その1は、【88】)


 
『世界一通俗的な絵』。

 俺の絵は、後にそう呼ばれ、一大議論を巻き起こしながらも、
 
 最終的には絶大な評価を得ることになるはずだったらしい。
 
 もっとも、三十日を売り払った今、それも夢の話だ。
 
 
俺が描いたのは、五歳頃からずっと続けていたあの習慣、

 寝る前にいつも頭に浮かべていた景色たちだった。
 
 
 自分でも知らないうちに、俺はずっと積み重ねてきてたんだよ。
 
 それを表現する方法を教えてくれたのは、他でもないミヤギだった。
 
 
女によると、俺が失われた三十日で描くはずだった絵は、

 『デ・キリコを極限まで甘ったるくしたような絵』だったらしい。
 
 美術的史なことにはほとんど興味がなかったが、
 
 一か月分の寿命を売っただけで大金が入ったことは嬉しかったな。


 ミヤギの借金を返しきるには至らなかったが、それでも、

 彼女はあと五年も働けば、晴れて自由の身になるらしかった。

 
「三十年より価値のある三十日、か」と監視員の男が笑った。


 でも、そういうもんだよな。



 
 

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