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【46】 |
メルカトル (2017年08月29日 21時52分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年2月23日 『狐の密室』 高木彬光 5点 高木彬光の持ちキャラ二人の探偵が、宗教絡みの雪密室の謎に挑戦する晩年の作品です。法医学者神津恭介と私立探偵大前田英策の二大探偵が共演するわけですが、これは筆力の衰えが見え始めた高木氏のファンに対するせめてものサービスと私には感じられます。 ストーリー、密室トリック、プロットなど見るべきものはほとんどなく、まさに平凡を絵に描いたような作品に出来上がってしまって、残念な限りです。また、二人の探偵は対決するわけではなく、あくまで共演ですので、その意味でもあまり萌える要素はありませんね。燃えているのは大前田のみで、神津は相変わらず冷静そのもの。それぞれの個性が相殺し合っての最初で最後の共演は、淋しいものになりました。 甘目の採点で5点でしょうか。 |
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【45】 |
メルカトル (2017年08月23日 22時28分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年2月24日 『複雑系ミステリを読む』 野崎六助 5点 冒頭で著者の野崎六助氏は複雑系ミステリをこう断定しています。 複雑に見えるほど単純 複雑に見えるけど単純 まるで禅問答のようですが。つまり複雑=単純ということのようです。全編を通しても頭の弱い私には理解しきれませんでしたが、とにかくそういう事のようです。 そして何を基準に選んだのか判然としませんが、複雑系として次のようなミステリを挙げて解説を加えています。 『占星術殺人事件』『すべてがFになる』『レベル7』『殺人鬼』『生者と死者』『哲学者の密室』『消失!』『密閉教室』『姑獲鳥の夏』『僕の殺人』『思いがけないアンコール』『人格転移の殺人』『リング』『暗色コメディ』『匣の中の失楽』などです。 どれも本質を衝いているようにも思えますが、なにしろ迂遠な言い回しや比喩的表現が多く、完全に納得できるというには程遠い結果になりました。 しかし、意外にも『占星術殺人事件』を褒め称えていたり、『姑獲鳥の夏』に関して京極堂、関口、榎木津、木場四兄弟説を唱えたり、『匣の中の失楽』と『殺人鬼』の相似性を指摘するなど、面白い論点もいくつかありました。 最終的には村上春樹の『アンダーグラウンド』を引き合いに出しながら、○○○○○○事件、○君事件、○○○○○○事件などを熱く語っています、暴走しています。それと共にエヴァも・・・。 結局何が言いたいのか、迷子になりそうな私は、これらの事件はミステリに影響を受けたのではないという結論に達しました。 何だかんだで、複雑系だったのは本書の著者である野崎氏の頭の中だったようです。 |
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【44】 |
メルカトル (2017年08月17日 22時29分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
あるラジオ番組での一幕 パーソナリティはSKE48北野瑠華(きたのるか)、サブは竹内彩姫(たけうちさき)、ゲスト・メンバーは後藤楽々(ごとうらら)。 ・・・・ 楽々 「私はいつも珠理奈さんや陵巴(りょうは)さんと一緒だから(気疲れする)」 瑠華 「じゃあ、瑠華とさきぽん(彩姫)はしょぼいメンバーってこと?」 楽々 「違います、違います。家庭的な雰囲気、みたいな」 彩姫 「そうなの?でも・・・」 ・・・・・・ クイズのコーナー 楽々 「じゃあ、今朝私が食べたものは?」 彩姫 「卵焼き!」 楽々 「違います」 瑠華 「あ、わかった、ヨーグルト」 楽々 「ピンポーン」 瑠華 「でもヨーグルト食べると、お腹痛くなんない?」 楽々 「そうなんですよ。今朝も痛くなって・・・駅から走ってきたんですぅ」 (へぇーそうなんだ、それにしても後藤楽々がトイレに走り込むところは・・・その後のことを考えると、それなりに萌える) (北野瑠華にはえーっ、で、間にあったの?と突っ込んで欲しかったなー) この回で後藤楽々の好感度はうなぎ上りだったとか、そうでもなかったとか。 そんな噂です。 |
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【43】 |
メルカトル (2017年08月15日 21時48分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年2月26日 『たけまる文庫 謎の巻』 安孫子武丸 7点 みなさん、かなり点数高いですね。まあしかし、確かに高水準の短編が揃った感はあります。本格ミステリからSFっぽいもの、ホラーなど、我孫子武丸の力量を測るのには最適の短編集と言えそうです。 個人的に気になるのは、やはり速水三兄妹が久しぶりに読めた『裏庭の死体』。裏庭に埋められた、寝袋に収まり頭に玄関マットが乗った死体の謎を、兄妹が例のごとく掛け合いながら解決に導いていくという、お馴染みのパターンを踏襲した作品です。寝袋はともかく、玄関マットの発想はなかなか面白いです。 『夜のヒッチハイカー』『青い鳥を探せ』も佳作だと思います。 『夜のヒッチハイカー』はどこか既視感があるものの、一捻り加えてあるところが憎いですね。ヒッチハイクする側、される側両者の思惑が絡み合って生まれるサスペンスは、印象深いものがあります。 『青い鳥を探せ』は自分の出社から帰宅までを一週間に亘って調査してほしいという奇妙な依頼を受ける探偵の物語。途中から何となく先が読めてしまいますが、かなりの異色作ではあると思います。しかし、この依頼自体の必然性があまり感じられないのがやや残念です。そんな回りくどいことをする必要があったのだろうかという、ふとした疑問がわだかまります。私の読み込みが浅いんでしょうかね。 |
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【42】 |
メルカトル (2017年08月07日 22時01分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年3月1日 『猿島館の殺人〜モンキー・パズル〜』 折原一 4点 最近面白そうな新刊がないなあと思いながら、何気なく本棚から引っ張り出してしまった一冊です。しかし、読み返す価値はなかったと言うしかありませんでした。 内容は全く忘れていたので、初読と変わらないにもかかわらず、あまりにも面白くなかった、折原一、こんな作家だったのか?残念です。 一応体裁は本格ミステリ、或いはユーモアミステリの形を取っていますが、正直バカミス以下の取るに足らない作品にしか、私には感じられません。連続殺人事件には違いありませんが、まあ何と言いますか、つぎはぎだらけでストーリーの流れというものが全く見受けられませんし。 「どくしゃへの挑戦」や古の海外ミステリなどのガジェットは、お遊び程度にしか思えず、また大して重要なポイントになっているわけでもありません。黒星警部は動物園から脱走したチンパンジーが犯人だと、本気で信じている様子だし、当然のごとく解決を担うのは一人しかいないことになります。その辺りの完全予定調和感もやや辟易してしまいます。 【ネタバレ】 やはり連続殺人事件というのは、単独犯に限りますね。4人もの死者を出しながら、いずれも違う人物による、殺意のない事故のようなものという真相は脱力ものですね。 |
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【41】 |
メルカトル (2017年07月29日 23時19分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年3月3日 『探偵映画』 安孫子武丸 6点 まあちょっと地味ですね。しかし、映像上での叙述トリックを文章で著すという功妙なテクニックを駆使しているところが新しいとは言えると思います。 監督を失って完成まであとわずかながら締め切りが迫る状況で、助監督三人をはじめスタッフがクランクアップに向けて悪戦苦闘する様が読みどころの中心となっています。また、すべてのキャストが我こそが犯人であると主張し、犯人探しではなく、犯人たる資格探しをするシーンなどは、明らかに推理合戦ですね。ある有名な海外作品を意識していると解説の新保博久は書いていますが、そこまで大げさではありません。 なぜ監督は撮影終盤まで来た段階で失踪したのか、なぜ主人公立原に対して美奈子は突然冷たい態度をとるようになったのか、これらの謎をはらみつつ進行していく物語は、一種の青春群像劇とも呼べるような、爽やかな印象を残す異色作だと思います。 |
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【40】 |
メルカトル (2017年07月23日 21時43分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年3月7日 『鳴風荘殺人事件』 綾辻行人 7点 あとがきに前作のまっとうな続編とあります。本作は前作のような外連味こそありませんが、大変生真面目に描かれているのがよく分かります。あまりの丹念な仕事ぶりにややもすると冗長に感じられるかもしれませんが、決して無駄な描写が目立つというわけではなく、きっちりと伏線が紛れ込ませてあるわけです。 理詰めで真犯人を絞り込んでいく過程は、この作品の真骨頂と言えるでしょう。そこには綾辻の愚直なまでの本格へのこだわりが感じられます。トリックに関しては全然大したことないんですが、それまでも一つの推理するための道具立てとして使い捨てされており、意地とか執念のようなものすら感じます。 個人的には前作のほうが好みですが、こうしたまともなパズラーも悪くありません。真犯人へのアプローチ(結局消去法ですが)も納得、動機にも納得。注意深く読めば必ず犯人が指摘できるように作り上げられた、本格推理の結晶と思います。 補足 さすが綾辻氏です。 最近ではお目に掛かれない本格ミステリですね。 |
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【39】 |
メルカトル (2017年07月16日 22時38分) |
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これは 【38】 に対する返信です。 | |||
まるにさん、こんばんは。 >猛暑で寝苦しい夜が続いてますねぇ。 本当ですね、一方で局地的な豪雨が広い範囲で降っていますので、くれぐれも注意していただきたいものです。 >ただ乗ってるだけなのにヘトヘトになりました。 大変ですね、私は仕事柄出張が少ないのですが、まるにさんのご苦労、ご心痛お察しします。 移動というのは意外と疲れるものだと思います。慣れもあるでしょうが、これも仕事の内と割り切ってもなかなかつらいものがありますよね。 > 十字架@重松清 > メタボラ@桐野夏生 貴重な情報ありがとうございます。 のちほど、Amazonやネットで調べてみたいと思います。 >買いだめ本を全部読み終えたら、メルカトルさんが紹介されてる小説を >読んでみたいと思います。 とてもありがたいことですが、できれば7点以上付けている作品を読んでいただけるとよろしいかと思います。 尚、こちらでご紹介させていただいている作品の元ネタは、これまでも何度か書きましたが、『ミステリの祭典』というサイトです。 こちらを参考にしていただくと、よりご自身の嗜好に合ったものに出会えると思います。 ミステリと言っても、結構範囲が広いですので、選択の余地もかなり広がるのではないでしょうか。 時間があれば一度覗いてみてはいかがでしょう。 もちろん、私の書評も載っていますよ。 >あ、梅酒は私も昨年から作ってます。 そうですか、それはいいですね。 チョーヤの梅酒とは一味違いますよね。クセがないというか、いくらでも飲めるような感じの仕上がりじゃないですか。 ではまた、お待ちしていますよ。 |
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【38】 |
まるに (2017年07月16日 14時24分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、お部屋の皆様こんにちは。 猛暑で寝苦しい夜が続いてますねぇ。 局地的な豪雨もちらちら発生して、先週の出張では3時間半の移動時間が 雨によるダイヤの乱れで5時間…。 ただ乗ってるだけなのにヘトヘトになりました。 明日の仕事の為に前日入りで、今まさに移動中です。 まだ2時間以上かかるので、買いだめしてた小説を…と 十字架@重松清 を読んでます。 ミステリーではないですが、グイグイ引き込まれて面白いです。 あと、今朝ちょうど読み終えた メタボラ@桐野夏生 も、桐野作品では上位の面白さでした。 こちらもミステリーではないですけども…(^-^; 買いだめ本を全部読み終えたら、メルカトルさんが紹介されてる小説を 読んでみたいと思います。 あ、梅酒は私も昨年から作ってます。 飲んでみたら「ちゃんと梅酒になってる!!!」と感動しました(笑) 甘いけど20度くらいありますからね、結構キツいお酒ですよね(^-^) |
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【37】 |
メルカトル (2017年07月15日 22時22分) |
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これは 【トピック】 に対する返信です。 | |||
2017年3月10日 『迫りくる自分』 似鳥鶏 6点 タイトルからくるファンタジー感はこの作品とは無縁でした。また、ホラーでもありませんので念のため。 迫りくるのは自分ではなく、○○です。たまたま主人公の本田が自分と同じ顔の男と知り合ったばかりに、とんでもない災厄を経験することになるお話です。とにかく逃げて逃げて逃げまくる、それだけの小説ですので、ややこしい人間関係とか同じ顔の男の背後関係などは完全に端折ってあります。それだけにストレートに面白さが伝わってくるのは確かですね。 少ない登場人物の中でも、私が興味を惹かれたのは佐伯という男で、いわゆるギャップ萌えというやつでしょうか。こんな境遇なのにこんな人なの?という、いい意味での裏切りがいい感じです。 結末も味のある締めくくりで、少なくとも悲劇的ではなく、救いも余韻もあるまあハッピーエンドと言えると思います。ちょっぴり意外性というか、反転もありますし、その意味でも後味は悪くありません。 尚、あとがきも面白いですよ。これだけでも立ち読みしてみるといいんじゃないですかね。 補足 悪くはないんですが、タイトルからくる期待には残念ながら届かなかった印象です。 迫りくる自分というのが、自分にそっくりの男だったというオチには納得しがたいものがあります。その由来というか、なぜそういう人間が存在するのかという疑問にも回答がなかったのも気になる点ですね。 |
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