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【5】

巨乳との遭遇(前)

元パチプロK (2003年10月29日 22時57分)
この物語は、以前に書いたものです。
書いては見たものの、出来が悪かったのでボツにしていました。
しかし、ここなら発表してもいいでしょう。

巨乳との遭遇

アメリカ軍基地が近くにあるM店に通っていた頃の話である。

当時僕はお気に入りの「海物語」を毎日打っていた。この台はステージの性能がよく、回りが良かった。
ある日、いつものように専用台の海物語に着席しようとすると、僕の専用台の隣りに金髪のご夫人が座っていた。
そこまでは喜ばしいことだが、問題はそのご婦人の体格だった。
かなり太っているなんてものではなく、まるで一個の樽だった。
そのバストは推定1m50cm、小池栄子やメグミや叶姉妹などは比較にもならない大きさで、さながら胸に2個のバスケットボールを入れているようなものだった。
しかも、露出度が高い服を着ていたので、その見事なおわん型をした巨乳はほとんど露わになっていたし、正視するにはかなり勇気がいった。
「困ったな。」
このご婦人(以下巨乳ちゃんと呼ぶ)の隣りに座るのはさすがにためらわれた。しかし、他に打つべき台はない。
「無視すればいいか。」
僕は勇気を出して、お気に入りの海物語の席に座った。
ところが、巨乳にばかり気を取られていて気がつかなかったが、実は巨乳ちゃんのお尻もすごかった。
推定ヒップは約2m。そのお尻は彼女の座っている椅子の底面積に納まるはずもなく、僕が占有すべき空間まではみ出していた。
したがって、僕は真っ直ぐに座ることができず、やや体を斜めにしていなければならなかった。

巨乳ちゃんはどうやらパチンコの素人のようだった。
リーチがかかるたびに著しく興奮し、外れるとOh!no!と言わんばかりに巨乳をゆすって落胆した。
僕と巨乳ちゃんは何度か目をあわせた。
というより、僕の目が思わず巨乳にいってしまい(男のサガというやつですな)、あわてて目をそらせたら、目が合ってしまったというのが真相だ。
そんなことを何回か繰り返すうち、僕と巨乳ちゃんの台に同時にカメのリーチがかかった。
そして、巨乳ちゃんの台には泡予告が、僕の台には魚群が出現した。
数秒後、巨乳チャンの台ははずれ、僕の台は大当たりとなった。
おさまらないのは、巨乳ちゃんである。
「〇×▲★♯……!」
(まずいなあ、巨乳ちゃんたら自分の台と僕の台を交互に指差しながら何か言っているよ。)
早口で何を言っているのかわからないが、ところどころ理解できる単語から推測するに、
「どうして同じリーチなのに私の台ははずれて、あなたの台は当たったの。」
と言っている様だった。
(そんなこと言われても困るんだけど。)
「ええと、君の台は泡予告だったでしょ。泡予告からのスーパーリーチの信頼度は5%しかないのよね。で、僕の台は魚群が出たでしょ。この場合信頼度は50パーセントにもなるんだ。だから、僕の台が当って君の台が外れたのは当たり前の出来事なんだよ。」
というようなことを英語で言えたらいいんだけど、とても無理だ。
そもそも魚群って英語でなんて言うんだ?メニィフィッシュでいいのかな、それともアロットオブフィッシュなのかな。あるいはアグループオブフィッシュなんて言うのかな。

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【6】

RE:巨乳との遭遇(後)  評価

元パチプロK (2003年10月29日 22時58分)

あれこれ思案している矢先だった。
一回目の大当たりを消化し確変に突入している僕の台に魚群が通過した。
もうヤケクソだ。何か言ってしまえ。
「オー、フィッシュ!メニィフィッシュアピア!」
巨乳ちゃんは、画面を横切る魚群に目を見開いて感嘆しているように見えた。
気分をよくした僕はさらに変な英語で続けた。
「ホェン メニィフィシュアピア ラッキィヒット カム。」
(いいのか?こんな言い方で。)
僕の台は魚群で再び大当たりした。
「オー、アイシー」
(うん、なんか通じたみたいだ。言ってみるもんだね。)

しかし、新たなるピンチが僕を襲った。
巨乳ちゃんの台に、サメのリーチがかかり魚群が通過したのである。
(しまった。さっきの言い方だと魚群が通過すればすべて当るみたいじゃないか。
なんか大喜びしているよ。
まずいなあ。魚群の信頼度は約50%なんて言えないしなあ。
イッツフィフティフィフティとかさ。
これじゃあ通じないだろうなあ。
お願い、当ってちょうだい。
ふう。当ったよ。
再変動はなかったけれど、良かった、やれやれだよ。
「コングラチュレイション」
(けっこう難しい単語知ってるじゃん。)
嬉しそうに大当たりを消化する巨乳ちゃん。ホント良かったね。
(これで安心して自分の台に取り組めるぞ。あれっ、巨乳ちゃんは大当たり消化後、上皿を使いきったところで何か考え込んでいるようだ。もしかして止めるつもりかな。ちょっときいてみよう。)
「アーユー ストップ?」
(うわあ、文法がめちゃくちゃだよ。でも、うなずいたところをみると、どうやら通じたらしいや。)
僕はすかさず巨乳ちゃんのドル箱を持ってジェットカウンターのところへ持っていった。
(これ以上の面倒なことはゴメンだからな。あれっ、巨乳ちゃんが何か言っているよ。)
「ハウマッチ〇×▲★♯……?」
(うーん。理解できたのはハウマッチという単語だけだ。ということはたぶん、この出玉がいくらになるか知りたいんだろうな。ええと、出玉は2000発より少し少なくて、換金率は3円だから5000円より少し多いくらいだろう。)
「ユーゲット アバウト ファイブサウザンドエン」
結局、僕は巨乳ちゃんを景品カウンターまで案内し、さらに景品交換所までエスコートするはめになった。
「グッバイ」
「グッバイ サンキューベリィマッチ」
「ユア ウェルカム」
最後だけはまともな会話になったのかな。

その後、巨乳ちゃんは週に1,2回姿を現した。
しかし、もう二度と彼女の隣に座ることはなかった。

(end)
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