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【4】

RE:紅い花の誘惑(後)の続き  評価

元パチプロK (2003年10月29日 22時54分)


次のビッグボーナスまでは1100ゲームほどハマったが、別に気にしなかった。
「この程度のハマリなどヘでもないぜ。軽く連チャンしてくれればすぐに取り戻せるぜ。」
ところが、これは単発だった。
「まあいい、こういうこともあるさ。次に期待しよう。」
次のビッグボーナスまでは、またも1000回を越え、1300回ハマってしまった。
しかも単発で、あれだけあった持ちコインは約半分になった。
「やれやれ、それにしても波が荒いことよ。でも、3回連続でハマリ+単発ということもないだろう。次こそビックリするような連チャンが来るさ。」
ところが、次のボーナスまではまたも1300回ハマリ、単発だった。
そしてその後も1000回以上ハマリ。
ついには持ちコインを全部飲まれてしまった。

沈黙してしまったハイビスカスをぼんやり眺めながら、俺はしばらく放心状態におちいっていた。
「8000枚もあったコインが一気に飲まれるなんて……。」
ああ、この転落感。
「わあああああーーーーーーー。」
はっ、これはまさに夢で見たものと同じだ。
そうか、あれは正夢だったんだな。

                (完)
【3】

RE:紅い花の誘惑(後)  評価

元パチプロK (2003年10月29日 22時53分)

と、ここで目が覚めた。
夢だったのか。
ふう。しかし、妙にリアルな夢だったなあ。
いや、この感じはまさに予知夢。
それもきっと吉兆に違いない。
と思うが早いか俺は布団をけり飛ばし、出かける支度をした。
こうして、俺はいろいろとよくない噂のある沖スロ設置店に向かったのだった。

開店ミュージックと同時に俺は、パネルにでかでかとハイビスカスが描いてある例の台のあるシマにダッシュした。
(この店の機種はおそらく32Pバージョンと思われる。もしかしたら状態モノかもしれない。)

開店直後の店の雰囲気は、新鮮ですがすがしくて好きだ。
中でもこのシマは特別だ。
濃密な空気の中にもピーンと張り詰めた緊張感が漂っている。
「どこだ。この中で大輪の真っ赤な花を咲かせるのはどこなのだ。」
俺は深呼吸をし、感性を研ぎ澄ました。
すると、背後にオーラを感じさせる、明らかに他とは違うこれはという1台が目にはいってきた。
「これだ!」
俺は何の疑いもなく、自分の選んだ台に腰をおろし、ゆっくりとプレイを始めた。

プレイ開始3ゲーム目、レバーをたたいた瞬間腕に電流のようなものが走った。
「来た!」
見なくても分かるさ。
顔を上げると、真っ赤なハイビスカスがピカピカと点滅しているのが目にはいった。それは、もちろんビッグボーナスであった。
「思った通りだ。」
俺は予感が的中したことを確信した。
大当たり終了後7ゲーム目、ハイビスカス点滅、2連チャン目ビッグ。
大当たり終了後10ゲーム目、ハイビスカス点滅、3連チャン目ビッグ
もはや疑いようがなかった。
きている。大きな波がきている。
レバーをたたくたび、緊張感と同時に言いようがない快感が俺をおそった。
そして、ハイビスカス点滅。全身の血液が逆流し、体中にしびれに似た感覚がいきわたった。

この連チャンはREG2発をふくめて8連チャンで終わったが、このままで終わるはずがないという確信があった。
連チャン終了後、約300ゲームを消化したしたところで、再び大連チャンが始まった。今度は先ほどの連チャンよりも長かった。
いつまで続くかと思うような連チャン、点滅し続けるハイビスカス、とめどなくコインははき出された。

25φの薄っぺらいコインはお金という感じがしない。
しかし、30φのコインはまさにお金そのものだ。
重量感のある30φのコインを箱にギュウギュウに詰める。
その箱が1箱、2箱、3箱と重なっていくにつれ、まるで大富豪になったかのような陶酔感に襲われるのだ。
ああ、生きていてよかった。俺はこのために生きてきたんだ。瞳孔は大きく開かれ、まさに連チャンジャンキーそのものであった。
結局、この連チャンは13連まで伸びた。獲得コイン枚数は約5000枚だ。

驚くべきことに、いやむしろ当然のことのように3回目の連チャンがやってきた。
この連チャンはまたしても13連チャンまで伸び、足元や頭上にドル箱の山が積み上げられた。獲得コインは8000枚を越えた。
ハイビスカスは永久に光り続けるかのようだった。1万枚までもうすぐだ。
いや、この調子なら2万枚出るだろう。
まさに今朝の夢の通りだ。俺は女神様の導きに従って、ハイビスカスの大輪の花を手に入れたのだ。
【2】

紅い花の誘惑(前)  評価

元パチプロK (2003年10月29日 22時51分)

これはかなり不評だった一品です。
分かる人も中にはいると思うが。


紅い花の誘惑

ザー。ザー。ザー。
波の音を聞きながら、俺は赤いドレスを着た女の方へゆっくりと歩いていった。
女は俺のことをわざと無視するかのように、横を向いていた。
この女は横顔が特に美しい。
俺は整った横顔をした女の長いまつげをぼんやりと見ていた。
 
突然、女は潮風に髪をなびかせながら、けだるそうに言った。
「ねぇあんた、あたしの頼みをきいてくれる。」
(この女、俺を試そうとでもいうのか。いいだろう。そっちがその気ならこっちにも考えががあるぜ。)
俺は即座に答えた。
「もちろんだよ。君の頼みならどんなことでもきいてあげるよ。」
女は黒曜石のような瞳をキラキラと輝かせながら俺を見た。
「本当?」
俺はわざとぶっきらぼうに答えた。
「男に二言はないよ。」
女は俺をじらすかのように暫く黙っていた。
俺は正面から女の黒くて大きな瞳を覗き込んだ。
すると、女はこう言った。
「あそこの崖の上に咲いているハイビスカスの花が欲しいの。」
見ると、切り立った崖の上に大輪の真っ赤なハイビスカスの花が咲いていた。
「お安い御用だぜ。」
言うや否や、俺は崖によじ登り始めた。

垂直に近い切り立った崖だったが、俺は一気に駆け上がった。
(あの花を取ってきたら、女の黒髪にさしてやろう。俺は女を優しく抱き寄せ、女は俺の元に崩れ落ちてくるに違いない。)
俺はなんとかハイビスカスの花が咲いているところまでたどり着くことができた。
でかい!
直径20cmはあろうかという深紅のハイビスカスの花が日の光を浴びてピカピカと輝いていた。
もう少し、あともう少し手を伸ばせばハイビスカスの花の枝を取ることができる。そして、枝に手がかかった、ちょうどそのときだった。
「わあああああーーーーーーー。」

足元の岩が崩れ、俺はまっさかさまに地面に向かって落下したのであった。
【1】

巨人の星物語  評価

元パチプロK (2003年10月29日 22時47分)

この物語は本板で発表後、「荒らしを誘発するスレ」と言われれた、いわく付きの物語である。

巨人の星物語

花形 「勝負だ、星君。」
星  「またかよ。タイガースの強いのはわかったから、もう勘弁してくれよ。」
客  「こらー、星。1球目から大リーグボール投げんかい。」
星  「第1球、えいっ。」
花形 「カキーン。」
    「ファール」
客  「おっ、これは期待できるかも。」
星  「第2球」
アンパイア 「ストライーク。ツー。」
星  「第3球。この1球にかける。大リーグボール2号だ。」
花形 「何ぃ。」
客  「なんだ、2号かよ。まあ1号よりましか。打つなよ、花形。」
花形 「カキーン。」
星  「負っ、負けた。」

客  「しょうもないなー。花形は打ちすぎだよな。左門にしてくれよ。おーい。一徹、左門を呼んでくれ。」
一徹 「左門。」

左門 「俺は負けない。」
客  「いや、その、そんなに気張らなくたっていいんだよ。」
星  「大リーグボール3号だ。」
左門 「ちょっと待て、星君。君の腕をひっぱっている幼い弟と妹の姿が見えないのかな。」
弟と妹 「お兄ちゃんに打たせてあげて。」
星  「うっ。仕方がない。大リーグボール1号におまけだ。」
左門 「カキーン。」
星  「そんな馬鹿な。原作では打てなかったくせに。」

花形 「星君、だまされたな。」
星  「何?それはどういうことだ。」
花形 「左門の体型を見てみろ。あれが貧しくて食べ物がない家の育ちに見えるか。」
星  「むっ、そういえば、あの腹のでっぱり、おかしいと思ったよ。」
花形 「左門の奴、弟や妹の食べ物まで一人で食べているんだぜ。」
左門 「おのれ花形め、どうしてそれを。」
星  「左門め、もう一度勝負だ。父ちゃん、左門を呼んでくれ。」

一徹 「左門。」
客  「左門って言ってるのになんでチャブ台が出てくるのさ。」
明子 「おとうさん、やめて。」
客  「おいおい、やめてもらっては困るんだよ。派手にひっくり返してちゃぶだい。」
一徹 「うおーりゃあー。」
    ガタン(失敗)
明子 「うふふ。」
客  「こらっ、明子。何がおかしいんだよ。だいたいお前は何の役にも立たないじゃないか。このドブス。」
花形 「こらこら、そこの客、未来の俺の嫁さんに対して何てことを言うんだ。」
左門 「星君、気をつけろよ。花形はな、明子さん目当てで君に近づいているんだからな。」
花形 「ギクッ」
星  「何、それは本当か。」
花形 「そ、そんなことはないよ。おい、左門、デブのくせにでしゃばるな。」
左門 「なんだと、この女たらしめ。」

客  「あーあ。星も花形も左門も期待できないな。こうなったら、自分で特訓モードひくしかないな。おっと、リプ3連だ。頼むから特訓にはいってくれよ。」
客  「おっとナビが出た。特訓モードだ。」
一徹 「左、右、右。」
客  「ええと、左に右に右と。えっ、右?何だそれ。押せないじゃないかよ。どうなっているんだ。」
一徹 「ははは、今のは日本シリーズのタイガースの先発ピッチャーの予想じゃ。どうだ、参ったか。」
客  「もうやってられないや、こんな台。」

          (終わり)
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