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【31】 | RE:放浪記・第3話 元パチプロK (2003年10月30日 00時07分) |
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第3話 もし、仕事を引き受けたら、当分の間少なくとも2ヶ月は仕事に忙殺されることだろう。もう二度とこんな楽しいパチンコ生活を送れないような気がする。 もし、仕事を断ったら楽しいパチンコ生活を続けることができる。収入的にはパチンコを続ける方がよさそうだ。 しかし、仕事を断ったら、二度と仕事が来なくなるだろう。 そうなると、社会との関わりが完全になくなってしまう。これがちょっと恐かった。 どうしようか。究極の選択を迫られた。 常識的に考えれば仕事を取るに決まっている。 しかし、僕の中に住み着いている悪魔(それとも天使?)がこうささやいた。 断っちゃえよ、仕事なんか。お前は仕事なんかしたくないんだろ。パチンコがしたいんだろ。やりたいことがあったら何が何でもやる、というのがお前の主義だろ。 で、結局僕は仕事を選択した。 つまらん人間だねえ。僕は自嘲した。人生はギャンブルだなどと日頃言っておきながら、大事な時には安全な方を選択するのかよ。 だいたい仲間に申し訳ないだろ。結局のところ、つまらねえ小市民じゃねえか。 しかし、結果的にはこの選択は正しかった。 2ヵ月後、すべての仕事を終わらせC店に戻ってきてみると、状況は一変していた。 客が少ないのである。2ヶ月前には盛況だった店内がガランとしている。 しかし、仲間たちは健在だった。 トウリョウ、ヤマさん、バクさんは口々に言った。 「回んねえよ。」 「これじゃ、やっていけねえよ。」 「なんでも経営者が代わったらしいや。」 確かに彼らの言う通りだった。 ほとんどの台が釘をペチャンコにされ、打てそうな台はほとんどなかった。 彼らはそれでも毎日やってきた。 最初に店に来なくなったのはEさん夫妻だった。 僕としても、すでに情熱を失っていた。 僕はC店に来ることがまばらになり、やがてもっと状況の良い店を探して、そっちの店を主戦場とするようになった。 そして、半年後。久し振りに仲間に会いたくなってC店へ行ってみたところ、愕然としてしまった。 C店はつぶれていたのである。 こうして、僕は楽しい居場所と友人たちを同時に失った。 さらに1年後、僕は近くのコンビニでEさんの奥さんと偶然に再会した。 彼女は腕に彼女にそっくりな珠のようにかわいい赤ちゃんを抱えていた。 僕は彼女にパチンコはまだやっているの、ときいた。 彼女は首を横に振った。 「あたしのツキもすっかり衰えちゃってさあ。それなのにうちの主人ときたら相変わらずヒキが弱くてさあ。それでお金が全然無くなっちゃったわけよ。そういうわけで今は真面目に働いているわ。パチンコはもうやらないと思うわ。」 またさらに半年後、僕はトウリョウとN店で再会した。 彼は羽根物をやっていたが、なんだか疲れたような表情だった。 トウリョウはつぶやくようにして言った。 「今の台はちっとも面白くないし、どの店へいっても回る台なんてありゃしねえ。俺も月に1回くらいしかパチンコはやらないよ。」 僕は他の仲間の消息をきいた。 「みんなパチンコを止めちまったよ。ヤマさんはスロットに転向したらしいが、他の奴はみんなまともな仕事に戻ったさ。もっともバクの奴は夜逃げしちゃって、行方不明だけどよ。」 こうして、みんないなくなってしまった。 結局今でもパチンコをしているのは僕だけか。彼らがパチンコをやめてしまったのは、彼らの純粋性の故だと僕は思っている。そして、セコク立ち回った僕だけが生き残ったということだろうな。 「僕がパチンコをしていられるのもそう長くはないな。」 そんな不安が胸をよぎった。 そして、その不安が的中するのには、そんなに時間はかからなかった。 |
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【32】 |
元パチプロK (2003年10月30日 00時10分) |
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これは 【31】 に対する返信です。 | |||
(第4話)パチプロ廃業 パチンコとパチスロはどう違うだろうか。 もちろん、玉を使うかコインを使うかという違いはある。(当たり前) パチンコは、ただハンドルを握っているだけだが、パチスロは自分でボタンを押して絵柄をそろえる、という違いもある。(これまた当たり前) それでは、勝つ(お金をもうける)という目的でパチンコとパチスロに接する場合の両者の違いは何だろうか。 パチンコにしろパチスロにしろ、勝つためには優秀台を選ばなければならない。 パチンコの優秀台とは、よく回る台、すなわち球持ちのいい(ベースが高いともいう)台のことである。 パチスロのいい台というのは、設定が高い台のことをいう。 言い換えると、パチンコの優秀台とはベースが高い台のことをいい、優秀台でも大当たり確率は変わらない。(同じ機種では) これに対し、パチスロの優秀台とは、大当たり確率の高い台のことをいい、優秀台でもベースは変わらない。(例外はある) パチンコは守備型で、パチスロは攻撃型の性格を持つということもできる。 優秀台の見分け方という意味ではどうだろうか。 パチンコの場合は釘を見ればある程度、優秀台かどうかの判断はつく。 パチスロの場合は設定は外見からは分からないので、優秀台かどうかの判断はつかない。 以上のことをふまえると、安定した勝ちを望むならば、パチンコの方がパチスロよりも有利だといえるだろう。 僕は長い間そう信じていた。 パチンコは収入を得るためにやるもの、パチスロはごく稀に遊びでやるもの、そういう区別をしていた。 ところが、そうともいえない状況になってしまったのだ。 C店がつぶれてしまった後、僕は数件の2.5円換金の店を回り、なんとかしのいできた。 ところが、2001年の夏頃からは、ほとんど日当期待値をみこめる台を見つけることができなくなっていた。 毎日何件もの店を回りながら、まったく球を打つことすらできなかった。 これをパチスロに例えるならこういうことだ。 パチスロ店に行って、すべての台に「設定1確定」という札がついていたとしたら、あなたはその店で打つだろうか。普通は絶望感を抱いて店を出るでしょう。 当時のパチンコ店では、釘を見るにつけ、毎日毎日絶望感を抱き続けていた。 そして、2001年12月、一生忘れることができない悪夢の1ヶ月がやってきた。 2001年12月、稼動悪化に業を煮やした僕は、ボーダーラインを日当1万円まで下げた。 待っていたのは特大スランプであった。 まずは、確変の2分の1の振り分けに泣かされた。 CRバカボン、CRギンギラパニック、CRワニワニパニックといった機種を相手に、来る日も来る日も確変を引けずに苦しんだ。 10日間で、総当り26回のうち、単発が25回に対して確変はたったの1回(それも2回ワンセット、確変突入率は驚愕の約4%!)であった。 その後、すっかりCR恐怖症に陥った僕は、現金機へと転進した。 しかし、悪夢はまだ続いた。 今度は当たらないのである。 29回/kという台(平和の縁起マンR、確率は238.8分の1)を相手に1週間で全敗。 通算の大当たり出現率は400分の1を下回った。 12月24日の時点で、この月の通算赤字は415000円となった。 一ヶ月にこれほど負けたのは、これが始めてであった。 そして運命の12月25日(クリスマスだ。)、がやって来た。 |
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