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【161】

燃える男の主張(恥さらし編)  評価

チュウエイ (2014年11月07日 23時58分)


 皆さん、こんばんは。巨乳好きが定着しつつあるチュウエイでございます。


 当然、私がこうもしつこく主張するのには訳があります。


 と、それはさておき・・・・・って触れんのかいっ!!


 と、相変わらずのクダリですが、私は負けません(だからなんのこっちゃ)


 えっと、何でしたっけ?


 あっ、そうそう、萌える男の主張でしたね。


 してその訳とは・・・


 そう、ずっと言い続けていれば、いつか巨乳ちゃんが言い寄ってきてくれるんじゃないかという・・・・・・ちゃうちゃう(笑)


 それはある女の子の悲劇。話は高校時代までさかのぼる。


 同じクラスに、すっごい胸の大きな女の子がいました。本当にもう、高校生でそれは反則でしょってくらいデカかったですね。


 そうするとですね、茶化すんですよ、アホの男子どもが。


 「何食ったらそんなにデカくなんだよ」とか、本当に心ない発言なんですけど、当時はそういう言葉が当たり前のように飛び交ってました。


 私にしてみれば、というか今にして思えば、それは本当に恵まれた、超強力な武器を授けられた選ばれし女神だと思うんですけど、当時の彼女にしてみれば、それはコンプレックス以外の何ものでもなかったのでしょう。


 最初はうまくはぐらかしていた彼女も、いつしか、というか日に日に、元気がなくなっていったような気がします。


 当時の私は、そんな彼女の心情を察してあげれるような気の利いたものは持ち合わせていませんでした(今もだろっていうツッコミはお断りします)


 本当に、そんなツラい思いをしているなんて思ってもいませんでした。


 私は知りませんでしたが、彼女には彼氏がいました。多分、周りのみんなも知らなかったと思います。内緒にしてたようですし。


 彼女はそんなツラい思いを、ずっと彼氏に打ち明けていたそうです。


 当然、彼氏も強くそういうことをやめさせたいと思ってはいたんですけど、付き合ってるって知られたくないのと、それが原因で仲間はずれにされるんじゃないかという危惧もあったみたいです。


 あと、男って何かそういうのって恥ずかしいじゃないですか。いいカッコしぃじゃないですけど。




 じゃあもう結論は決まってますよね。


 そうです、恥の塊、というより恥ずかしい思いをすることが快感のあの男の登場です。


 彼女が限界だと感じた彼氏は、あの恥さらしに相談します。


 まぁはっきり言って、この件についてはすぐに片が付いたんですけど、そのあとがよろしくなかった。


 変な噂が立つんです。


 そう、私がその子に惚れてるっていうね。


 「んなわけねぇだろ」と言えば言うほど、「間違いない」ってことになっちゃうんですよね。


 まぁ別に、その子に惚れてるって思われても私に不利益はないですし、すきに思わせとけばいいやと思っていたんですが、あったんです、不利益が。


 彼氏がそれを真に受けちゃったんです。


 彼氏とのそのやり取りを書くとすごく長くなるので割愛しますが、結局どんなに私が惚れてないと言っても信じなかったんです。


 まぁたしかに、そう勘違いしてしまうような出来事があったのは事実なんですけど(汗)


 とりあえず頭にきたので、1発ぶん殴っておきました。


 そしてこれが決定打になるというね。


 結局彼女は、その彼氏にフラれてしまいました・・・




 ・・・やっぱり悪いのは私?


 そして私は今でも、このことに懺悔し、罪を償っているのです(出た、言い訳大臣)




 もしかしたら彼女のように、胸が大きいことにコンプレックスを感じている方がおられるのかもしれません。


 でもその必要はありませんよ。




 だって世の男性は・・・・・みんな巨乳が大好きですから!!残念!!





 さあ大変 いつまで続く この成長 嬉し恥ずかし 未来のわたし  (ポッ)

 
【160】

大事な言葉  評価

チュウエイ (2014年11月07日 00時04分)



 皆さん、突然ですが、一目惚れって言葉をご存じですか?


 え?知ってる?


 じゃあ一般的に通用する言葉なんですね、安心しました。


 ところで皆さんは一目惚れをしたことはありますか?


 実はですね、私の知人に、「オレは一目惚れなんてしたことがない。大体、一目惚れすることなんて本当にあるのか?オレには信じられない」って言う人がいるんですよ。


 うーん、そんなもんですかねぇ。私には彼の言葉のほうが信じられない。


 私なんて、年中一目惚れしてますよ(笑)


 あっ、別に、胸に一目惚れしているわけではありませんよ。


 ・・・まぁそれも事実ではありますけどね(笑)


 個人的にはやっぱりFくらいが理想ですかね〜。推定Fの女子社員に相談持ち掛けられた日にゃあ、そりゃもう大変ですよ。


 コクられるんじゃないかって、ハラハラドキドキもんです。そりゃ平常心では対応できないですよね〜。


 当然騙されてる可能性も十分にあるんでしょうけど、個人的には全然問題ないっす。想像の世界ですから。あっ、ちなみにカップのことですからね〜。


 あっ、そうそう、巨乳好きって、幼稚なんですって。


 それを否定できない男がここに居ます(キッパリ)


 ・・・って、またいたらぬ方向に(汗)




 では気を取り直してリスタート。


 一目惚れって、当然見た目の話ですよね。だって見ただけで内面的なものまではわかりませんもんね。


 見た目の好みの幅って、個人ごとにかなり差があると思います。ストライクゾーンがめちゃくちゃ狭い人、私みたいに限りなく広い人とか。


 だからその頻度に差が出るのは当然のこととして、一度もないっていう人は、よほどピンポイントなんでしょうかね。


 でも、一度もないって言う人でも、好きな人がいたり、人を好きになったことはあると思います。


 それはやっぱり、接しているうちにその人の性格とか内面的なものがわかってきて、それに惹かれて好きになるんだと思いますが、やっぱりそれが普通なんですかね。


 見た目でホイホイ好きになる私は異常?変態?ケダモノ?お茶目?恥ずかしがり屋さん?


 当然その比重も人さまざまだと思うんですが、やっぱり付加要素がそれなりのウェイトを占めているということは、私でも重々承知しているところであります。


 そして当然、何が主要素で何が付加要素なのかも、人によって変わってくることでしょう。


 ・・・と、結局はそこに行きついちゃうんでしょうけど、私は負けません(なんのこっちゃ)


 私はね、『一目惚れ』って言葉をすごく大事にして生きていきたいんですよ。




 ・・・だって、巨乳の女の子に、悪い子なんて一人もいないですもん。




 ・・・そこか(汗)





 顔を見て 下に目をやる 完璧だ でもそんなキミ われ関せずと

 
【159】

男は黙って・・・  評価

チュウエイ (2014年11月05日 23時52分)



 皆さん、こんばんは。いつも若い女子社員たちにモテモテのチュウエイでございます。


 ・・・え?自分でそう思ってるだけだろって?


 いえいえ違いますよ。よく勘違いをする私ですけれど、本当なんです。


 私はよく女子社員に相談を持ち掛けられるんです。


 ・・・ってそっちかい!!


 まぁ正直大歓迎ですよ。男だったら門前払いですが(笑)


 他愛もない雑談的な相談だったり、思わず『マジか』と固唾をのむような相談であったり、その内容は様々。


 相談事って、できれば無いほうがいいんでしょうけど、やっぱり誰でも少なからず悩みとかあるでしょうし、誰かにそれを話せるっていうのはいいことなんだと思います。


 悩み事って、誰かに相談した時点で、すでに8割は解決されてるって言いますしね。


 自分一人で抱え込むと気が重くなりがちですが、人に話すと気が楽になるというかね。


 そういうことってやっぱり大事なんでしょうね。


 はてさて、私がこのような現状になったのには当然理由があります。


 その発端となったある事象により、それが一部の女子社員の間で話題になり、それがまた、変な方向へと向かっていくのです。


 そして、人が変われど、それが伝統的に受け継がれていくことになります。


 ・・・さて、このあと私が書くことは何でしょうか?


 そう、そうですよね、その発端となった事象のことですよね。


 でも今日は何かそんな気分じゃないのでまた今度にします・・・・・・・ってなんじゃそりゃ!!


 ・・・と、いつものようにキレキレのジャブをかましたところで本題。


 人は悩み事があるとき、誰に相談するでしょうか。


 家族であったり、親友であったり、恋人であったり、上司や同僚、その内容や状況によっても変わってくることでしょう。


 では人が、相談する相手に求めているものは何でしょうか。


 親身になって一緒に考えてくれる誠実な心?たくさんのアドバイスができる豊富な知識?秘密を絶対に守ってくれる口の堅さ?それらを包含した絶対的な信頼?


 その悩みが深刻であればあるほど、受ける側の重圧といいますか、『何とかしてあげたい』って思いが強くなりますよね。


 でもこれまでの経験の中で私が思うのは、多分ですけど、基本的に相談相手には何も求めていない、特に期待してないんじゃないかと思うんです。


 当然全てがそうではないですし、ちょっと間違った表現ですけど、前述したように、本人にその自覚がなかったとしても、その多くは、『誰かに話を聞いてもらう』ことが一番の目的なんじゃないかなぁって。


 誰かに話を聞いてもらうことでスッキリする、気分が晴れる。


 相槌を打ってくれてるだけなのに、ただただ黙って聞いてくれてるだけなのに、なんか落ち着く、自分のことを理解してくれてるような気持ちになる。


 相談をするってことは、そこに何かしらの不安があるんですよね。そして、その不安を取り除くのって、結構難しいんですよ。


 でも、安心を与えることはそんなに難しいことじゃなくて、安心を与えることで不安を感じさせなくする、不安を包み込んでしまう。


 そう、ちょっと矛盾してしまいますけど、相談相手に求めるものは、意図してない『安心』なんじゃないかなぁって。


 あっ、当然、時と場合、その内容にもよることをお忘れなく。




 では今日の格言。




 師匠、女の子に相談持ち掛けられて、いい気になっていっぱいアドバイスしている男がいたんですよ。


 な〜に〜、やっちまったな。


 『男は黙って相槌、男は黙って相槌』




 失礼しました。


 
【158】

美香へ(序章)  評価

チュウエイ (2014年10月28日 23時17分)


 「フラれちゃった・・・」


 そう言って美香(仮名)は泣き崩れた。


 女の子の悲しむ姿が、これほどまでに切ないものだとは知らなかった。


 美香は近所の幼なじみ。私が唯一、姓ではなく名で呼ぶ女の子。


 美香は本当に明るい子。そんな美香が泣く姿を見ることになるとは、夢にも思っていなかった。


 愛情が冷めたりとか、心変わりというのは、ある意味当然のことであり仕方のないこと。


 誰が悪いわけでもない。


 そこに赤い糸はなかった。それだけのこと。


 ・・・本当にただそれだけのこと。


 そう言い聞かせていたのに、私が介入するべきことではないと何度も言い聞かせていたのに、心と体を止めることはできなかった。


 相手は私たちの一つ先輩。美香と同じ学校。


 私は直接接したことはなかったが、仲間伝いに、少しだけ彼のことが耳に入っていた。


 その『少しだけ』に、そのことを聞いていただけに、私の防波堤は何の意味も成さなかった。


 気が付けば、そのことで頭がいっぱいになっている自分がいた。


 私は、彼と面識がある先輩にお願いして、話をする場を設定してもらった。


 一応、バックレる可能性も視野に入れていたが、ちゃんと彼はやってきた。三人で。


 「田中(仮名)さん、二人だけで話がしたいんで、あとの二人は席外してもらえませんか?」


 「オレは別に構わない」


 「いや、あとの二人には関係のないことですから」


 「はあ?何言ってんだ、お前。それはオレが決めることだろ」


 「わかりました。じゃあこのまま話をさせてもらいます。一つだけ、正直に答えてください。美香のどこがいけなかったのか、それだけ教えて頂けませんか?」


 「お前バカか?あいつのいいとこ見つけるほうが難しいだろ。まさかあいつ、オレと付き合ってる気でいたんじゃねぇだろうな」


 「ええ、そうですよ。っていうか、美香が勝手に勘違いするわけないでしょ。そう思わせる何かがあったんじゃないですか?」


 「何が言いたいんだ、てめえ。つーかなんだ、もしかしてお前、あのブスに惚れてたんか」


 ・・・十分だ。


 これ以上はいらない。皮肉にも、私の予想は当たってしまった。


 美香はなんで、こんな外道を好きになってしまったんだろう・・・


 美香には、オレやこいつみたいなヤツではなく、真面目で誠実な男が似合うとずっと思っていた。そう願っていた。


 美香はこいつのどこに、魅力を感じたのだろうか・・・


 ・・・本当にもう十分だった。だからここでやめておくべきだった。


 決して美香はそんなこと望んでいないのはわかっていたし、更に美香を悲しい気持ちにさせてしまう。十分わかっていた。


 ・・・でも、私の思いは止まらなかった。


 「田中、お前、まさかオレのこと知らねぇわけじゃねぇよな?今の言葉、一生後悔させてやる。楽しみにしとけ」


 突っかかって来るかと思いきや、それすらもない。所詮、その程度の男。


 美香の心の痛み、嫌というほど体に叩き込んでやる。


 ・・・ただ、この時点ですでに、誰のためでもない、自己の欲求を満たすためだけの行為になっていたのは、否定のしようがなかった。


 そしてこの欲求が、更なる悲劇を巻き起こすことになる。

 
【157】

美香へ(第二章)  評価

チュウエイ (2014年10月29日 22時43分)

  
 
 あれから数日が経った。日が経てば少しは気も収まるかとも思ったが、そんなことはなかった。


 私は、田中と同じ学校の友人に、「あいつが一人になったら教えてくれ」と頼んでいたが、あれ以来、あいつが一人で行動することはなかった。


 シビれを切らした私は、強行策に出る。


 校門の前で待つことにした。


 しかし数で来られたら太刀打ちできない。その場合は日を改めて、別の手段を考える。


 そして、その場合のその場を乗り切るため、社会人になった鬼神に、近くに待機しておくよう頼んだ。


 どれくらい待っただろうか。私の視界に入ってきたのは、田中ではなく、美香だった。


 よく見ると、目の横に青タンができていた。


 「チュウエイくん、なんでこんなことしたの・・・」


 そう言って美香は、また泣き崩れた。




 ・・・あの野郎、もう完全にブチ切れた。絶対に許さない。とことん追いつめてやる。




 学校内に入ろうとした私の手を、誰かが握った。


 鬼神だった。


 「とめんな」


 振り切ろうとした私の顔面に、鬼神は強烈な一発をお見舞いした。


 「チュウエイ、彼女のことを第一に考えろ」


 一発も強烈だったが、鬼神のこの言葉はあまりにも重く、心に突き刺さった。


 「美香・・・」




 「キミ、田中ってヤツに伝えてくれないか。今後一切、チュウエイには手出しさせない。だからお前も、絶対に彼女に手を出すんじゃねぇって。

  今後もし何かあったら、今度はオレが出てくる。そう伝えてくれ。鬼神って言えばわかるはずだ」




 「美香、オレ・・・」


 「ううん、ごめんね・・・チュウエイくん、一緒に帰ろ」


 「・・・うん。顔、痛むか?」


 「ううん、平気。チュウエイくんこそ大丈夫?口から血が出てるよ」


 「ああ、鬼神のヤツ、本気で殴りやがった。あいつは手加減ってもんを知らねぇからな(笑)」


 「でも鬼神さん、素敵な方だよね」


 「そうかあ?オレにはただの単細胞にしか見えねぇけどな(笑)」


 「ふふっ、でもなんだか嬉しそう(笑)」


 「そんなわけねぇよ(笑)」




 「こうやって二人で帰るの、小学校以来だね」


 「そうだな」


 「中学以降はチュウエイくん、一緒に帰ってくれなかったから」


 「いや、オレは別に・・・」


 「うそうそ(笑)

  ・・・私ね、田中先輩のこと、本当に大好きだったんだ。あっ、過去形だよ。

  私可愛くないし、誰も相手にしてくれなかった。でも田中先輩は優しかった。本当に優しくしてくれた。本当に毎日が楽しかった。

  本当に夢のようだったよ。本当に幸せだったよ。毎日毎日が待ち遠しくてたまらなかったよ。

  田中先輩は、いっぱいいっぱい幸せをくれたんだよ。

  だからいっぱい感謝してるの。だからもう、これ以上の幸せを望むことはできないよ、罰が当たるよ。

  だからもう大丈夫だよ、本当だよ」




 ・・・美香、お前は今、どれほど大きな傷を、心に抱えているのだろう・・・


 そして、こんなことをしたオレにまで、気を遣っているんだな・・・


 そしてやっぱり今でも、こんなことをされてまでも、やっぱりあいつのことが好きなんだな・・・




 私は、人を傷つける優しさがあることを知った。そしてそれは多分、偽りだからではない。


 美香、お前ほどの優しい子が幸せを望まないで、一体誰が望むんだよ。


 そして美香、お前はもう一つ間違ってる。


 世の中には、もっともっとたくさんの幸せを、本当の愛を、与えてくれる人がいるんだよ。


 それがわかる日がきっと・・・


 
【156】

美香へ(第三章)  評価

チュウエイ (2014年10月29日 23時32分)

 

 「美香、あのさ・・・」


 「・・・チュウエイくん、私ね、これから先もずっと、一生、田中先輩のことは嫌いにならないと思う。

  たとえこれまでの日々が、そしてその愛が、幻覚やまぼろしだったとしても、私が幸せだったのは事実だよ」




 わかってる、わかってるよ、美香。お前はそういう子だもんな。


 そして絶対、嘘や偽りって言葉は使わないんだな・・・


 神さま、なんでこんな優しい子が、こんな純粋な子が、こんなにまで苦しい思いをしなきゃならないんだ?


 なんで田中みたいなヤツが毎日をのうのうと過ごしているんだ?


 教えてくれ。ちゃんと説明してくれよ・・・




 美香、こんなオレが、今お前にしてやれることは何だろうか・・・


 それとも、それはただの傲りだろうか、オレにはその資格すら、その必要すらないのだろうか・・・


 でもオレは、美香の役に立ちたい。それがオレの本音。




 「美香、幼稚園のとき、オレがいつも、大きくなったら美香と結婚するって言ってたの覚えてる?」


 「え?そうなの?全然覚えてない」


 「うん、実はオレも全く覚えていないんだけど、おふくろがそう言ってた。子供って正直だろ?だから絶対、そういうことで嘘はつかないと思うんだ」


 「・・・」


 「美香、さっき誰も相手にしてくれないって言ったよね。そんなことはない。そんなこと言ったら、悲しむ人がたくさんいるよ」


 「・・・」


 「美香のこれまでの日々が全て真実であったように、オレや田中さんも、そして誰しもがそうだと思うんだ。

  でもそれって、実はほんの一部でしかなくて、大半の真実はなかなか見えてこないんだと思う。それが現実であり、真実なんだと思う。

  でも、今まで気づかなかった、見えてなかった真実の一つでも、その少しでも、それに気づくことができたなら、

  また違った意味での、ある意味、本当の意味での幸せっていうものが、見えてくるんだと思う。

  美香にはもっと、たくさんの幸せを感じてほしい」




 ・・・美香、オレは今多分、無責任なことを言ってる。


 美香は明るい子だとずっと思っていた。でももしかしたら、オレのその勝手な思い込みが、知らず知らずのうちに、美香を傷つけていたのかもしれない。


 美香はもしかしたら、やせ我慢の連続の日々を送っていたのかもしれない。


 もしそうだとしたら・・・




 「チュウエイくん、いつもいつもありがとね。

  そうだね、そうだよね、いつも近くにいたよね。

  私が苦しいときは、いつもチュウエイくんがそばにいてくれたよね。

  ・・・こんなにも近くにいたのに、いっぱい感謝しなくちゃいけないのに、私は・・・」


 「違う。オレは・・・」




 美香、そうじゃない。オレが言いたいのはそういうことじゃないんだ・・・


 でもそれは、絶対オレが口に出してはいけないこと。言うべきことじゃないこと。


 そんなことくらい、わかっている。こんなオレでも、ちゃんとわかっているよ。


 だから大丈夫、安心して。

 
【155】

美香へ(最終章)  評価

チュウエイ (2014年10月30日 23時28分)

 

 『美香へ』




 美香、あれからもう20年以上経つんだね。


 今の美香の目には、あのときのこと、どのように映っているのかな。


 懐かしい思い出だと、笑って振り返ることができているのかな。


 その如何の全ては、『今』にかかっていることを思えば、やっぱり少しだけ気になるところではあります。


 そう言えば、成人式以来、一度も会ってないような気がする。


 家が隣同士なのに、なんかおかしな話だよね。


 実家を離れたあと、ちょくちょく帰省していたけれど、家では一切美香の話は持ち出さなかった。


 なんとなくだけど、美香のことを聞くのがちょっと怖かったのかもしれない。


 でも今度一人で帰省したときは、美香のこと、おふくろに聞いてみようと思う。


 オヤジもおふくろも、美香のこと、本当に我が子のように可愛がっていたからなぁ。


 もしかしたら、オレが美香の話題を出さないこと、寂しく思っていたのかもしれないね。


 あれからお互い色んな経験を積んで、表面上は大人になって、その中で築き上げてきたものがたくさんあると思う。


 オレはオレの生き方、美香は美香の歩むべき道を進み、今に至る。


 百人いれば百通りの生き方があり、その全てが正しい。間違いなんてない。


 美香の歩んできた道は、どんな道だったのかな。


 あるときは坂道であったり、交差点もあったと思う。絶景もあったと思うし、暗闇もあったんだと思う。


 その一つ一つに悩み、ときには歓喜し、あるいは失望し、また、希望を見いだしてきたことと思う。




 その全てが素晴らしいと思える美香は、今そこにいますか?




 美香は多分、無責任だと言うと思うけど、オレはあのときのこと、後悔はしていないよ。


 いっぱい反省したけど、後悔はしてない。


 あのときのオレには、あれ以外の行動はとれなかったと思うから。


 あのときはそうじゃなかったかもしれないけど、今は、一生懸命生きていたと思える自分がいるから。




 本当に色んなことがあったよね。オレにとっては、その全てが素晴らしい思い出だよ。




 そして、美香と幼なじみであることがオレの誇りであり、自慢です。




 最後に再度、問います。




 『美香、たくさんの幸せ、感じていますか?』




                                 〜Fin〜


   
【154】

おまんら、許さんぜよ  評価

チュウエイ (2014年10月25日 01時55分)



 「チュウエイくん、ちょっといい?」


 スケバン3人組に呼び出されました。


 ヤバい、これはオモチャにされるのではないでしょうか・・・(汗)


 「笹本(仮名)くんってさ、彼女っていうか好きな人いるのかな?」


 なんだ、そういうことでしたか。少し期待してしまったではありませんか(笑)


 「ん〜、いるんじゃね?」


 はい、出ました、いい加減対応。


 「そう・・・」


 その中の一人が、すんげえ悲しそうな顔をしたんです。


 そして更に別の一人が、これまたすんげえ顔で私のことを睨んでいるんですよ。


 ・・・またやっちまったか(汗)


 「あっ、うそうそ、ごめん、それとなく探り入れてやるよ」


 かくして、私の探偵生活が始まりました。


 「お前さ、永野(仮名)のこと好きだろ?」


 ・・・って、へたくそかっ!!


 「いや、別に」


 「じゃあ好きになれ」


 ・・・だからへたくそかっ!!


 「なんだよそれ。チュウエイくんが好きになればいいじゃん」


 かくして、私の探偵生活に終止符が打たれました。


 そして私はガン付け花子に報告。


 「どうやら笹本は永野のこと好きじゃないみたいだぜ」


 「そう」


 あれ?なんか意外な反応。


 「いいの?」


 「別にいいんじゃない。っていうか、好きじゃないのに好きになれっていうほうがムリでしょ」


 「本当にいいのかよ」


 「何よもう、そんなに言うんなら、チュウエイくんが好きになればいいじゃない」


 あれ、また怒っちゃった。っていうか、なんか聞いたことのある台詞。


 と、それはさておき、私は何が何だかわからなくなってしまいました。


 結局、私のやったことと言えば、ただのパシリ。で、ヨシヨシさえもしてもらえないという・・・


 よくわからないし、何か納得がいかないので直接問い詰めることにしました。


 「お前さ、笹本のことが好きなんだよな?」


 「ううん、別に」


 はい?そんなわけないでしょ。


 「あのとき悲しそうな顔してたよね?」


 「そうだっけ?(笑)」


 一体どういうことでしょうか。あのときとは打って変わって、屈託のないこの可愛い笑顔。眩しすぎるではありませんか。


 ・・・!?


 まさか、もしかして・・・


 私はこのスケバン刑事三姉妹にしてやられたのでしょうか。


 いや、そんなはずはないでしょう。もしそうだとしたら、ちょっと末恐ろしいですよ、これは。


 ・・・でもこの現状は、どう理解すればいいのでしょうか。




 ハメられて いい気はしない はずだけど なぜか気持ちは 裏腹歩む

 
【153】

息子として、そしてオヤジとして  評価

チュウエイ (2014年10月19日 01時31分)


 オヤジはもうほとんど目が見えない。


 おふくろは膝が悪く、椅子がないと座れない。


 生きていることが、最大の親孝行だとは思うけれど、目に見える具体的な親孝行なんて、これまで何一つやってないような気がする。


 二人は、幸せだったのだろうか・・・




 オヤジはいつも、黙って見ていた。


 とんでもない悪さをして、今度こそは怒鳴られると思ったときでも、オヤジは何一つ言わなかった。


 オヤジに怒鳴られたのは、小学校のとき。


 後にも先にも、怒鳴られたのはその一回きりだったように思う。


 あれは、クラスのみんなから仲間はずれというか、いじめられている女の子がいて、『オレには関係ない』と、知らんぷりというかシカトをしていたときのことだった。


 本当にもう、シャレになんないくらい猛烈に怒られた。


 『オレはいじめはやってない』と言い訳したけれど、同じことだと怒鳴られた。


 あのときのオヤジの鬼の形相、今でも忘れない。本当に怖かった。


 それと同時に、私はすごくびっくりした。


 『何でわかったんだろう』と、本当に不思議でならなかった。天からいつも見てるのかと思った。


 でも、それが『親』なのだ。


 この一件で私は変わった。


 そして、この一件があったからこそ、その後の私がある、今の私がいる。それがよくわかる。


 くり返しになるが、これ以外に怒鳴られた記憶はない。


 オヤジは、静観することで、色んなことを伝えていたのだろうと思う。


 自ら感じ取ってもらいたかったのだろうと思う。


 私は、そのオヤジの思いを、ちゃんと受け取れていただろうか・・・




 私に対する日々の教育は、おふくろの役目。


 おふくろにはよく叱られた。


 でも、『勉強しなさい』と言われた記憶はない。


 ちゃんとやっていたからではない。全くやっていなかったのに、言われた記憶がない。


 よく言われていたのは、『友達を大事にしなさい』ということと、『迷ったときは、キツイと思うほうを選びなさい』ということ。


 

 私は、とんでもない悪ガキだったと思う。


 でも、そんな私を、二人はいつも温かく迎えてくれた。


 二人はいつも笑顔だった。喧嘩したのを見たことがない。家では笑顔が絶えなかった。


 いつも他愛もない話しかしてなかったように思うけど、その他愛もないやり取りで、私はたくさん、救われていたのだと思う。


 

 オヤジ、そしておふくろ、いや、お父さん、お母さん、私は今、二人の望んだ息子になれていますでしょうか。


 私も親となり、二人の思いの百分の一くらいは、理解できているでしょうか。




 妻と喧嘩をしてしまったあの日、娘は一日中、ずっと私の隣に座っていました。


 一方的に殴られている私を見て、ただ耐えている私を見て、爪が当たって眉間から血を流している私を見て、娘なりに、気遣っていたのでしょうか。


 私はその思いを、どれだけ理解してあげられてるでしょうか。


 心が痛みます。




 お父さん、お母さん、私は、『親』になれていますでしょうか。


 子であり、そして親である私にも、まだまだわからないことがたくさんあります。


 でも、これから先も、あなたたちの息子として、そしてこの子の親として、妻の旦那として、一生懸命生きていきたいと思います。


 この世の価値ある『生』に感謝して。




 生んでくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう。叱ってくれてありがとう。願ってくれてありがとう。頼ってくれてありがとう。


 そして、愛してくれてありがとう。


 ずっと、ずっと、私の大切な人たちへ。





 親として 大事なことは 一つだけ 『親』であること それだけなのだ

 


 
【152】

わかったつもりの一歩先  評価

チュウエイ (2014年10月17日 23時25分)

 あれはいつでしたか、もう結構前になると思いますが、夜中の1時過ぎ、何気なくここを開いたら『掲示板・チャットの部屋』の一覧に私のトピの名前が出ていました。


 『珍しいな、ここに書き込む人がいるなんて』と思いながらトピを開いたら、誰も書き込んでいませんでした。


 多分、書き込まれたあと、すぐに削除されたのだと思います。


 実はこのときすでに、なんとなく気づいてはいたんですよね。


 本音というか、何て言ったらいいんですかね、2つの思いが交錯しているような気がします。


 まぁ正直、自分でも結論がうまく出せないというか、よくわからないというか、だからあえて濁したような表現をしてしまうんでしょうね。


 色んな意味で、もっともっと精進しないといけないなぁと思いました。


 そして今日は、珍しく早い帰宅で、20時くらいには帰ってきました。


 寝る前に娘の顔を見たのは本当に久しぶりでした。


 今、私の目の前には娘のランドセルがあります。


 ランドセルって、こんなにも小っちゃかったんだ・・・


 そういえば、今まで娘のランドセルをちゃんと見たことはなかった。


 『ベネトン』って書いてある。


 私は今まで、それすらも、そんなことさえも知らなかったんだ・・・


 私は、人としての能力向上は、人に関心を持つことから始まる、そう思っています。


 でも私は、一番身近な、家族のことでさえも承知できていなかった・・・


 
 そういうことに気付き、そして、ここ最近の自分を振り返り、こんなことではいけないと、強く思った神無月の夜でした。





 つまずいて 顔にかさぶた できている 娘見ていて 感慨深く


 
 
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