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【14】

RE:〜ブレイクタイム〜  評価

reochan (2014年01月11日 19時19分)

愛読者の皆様、ごめんなさい!

WOW!!

シブイ声ですね!( ̄▽ ̄)=3   (ホンマ?

唐獅子  ハイ!ど真ん中です!(#^.^#)

網走番外地も、全て見ました!

だけど、野歩さんのが、一番リアルでコワイです。(言っていいの?

?知り合い?

以上。目障りと思いますので、削除して下さいね( 〃▽〃)
【13】

RE:仁義の墓場  評価

野歩the犬 (2014年01月11日 17時24分)


【軍人刺傷】

昭和十四年、大西が十六歳の夏、その名が知れる事件が起きた。

それまでの大西の凶行はカシメの組中でのことだった。
気の荒い連中の集まりみたいな組織だから、
大西に限らず喧嘩や刃傷事件も珍しくはなかった。

大概のケガなら、組中で話しがつき、警察が動くこともなかった。

だが、今回はちょっとワケが違った。

カシメが早くあがった、午後二時過ぎ、大西は一人で街の食堂で刺身をあてに
ビールを飲んでいた。

日米開戦二年前、そのころは軍港・呉の繁華街はたえず我が物顔で闊歩する海軍軍人の姿があった。

大西の近くの席にいた海軍水兵が椅子を蹴って立ち上がると大西へ詰め寄ってきた。

「貴様、銃後の守りが叫ばれているときに、
子供のくせに昼間から酒を飲むとは何事だ!」

潮焼けした顔、胸板の厚い大男だった。

「なんじゃい」
大西は一瞬、ひるんだが、睨み返したその眉間はすでに立っていた。

胸ぐらを掴まれそうになった大西は素早く身を翻して外に出た。
ギリギリと眉間を立てたまま、大西はスタスタと足早に歩き、三軒ほど先の
なじみの小料理屋の板場に入ると、タライの中から刺身包丁を二本ぬき、
またスタスタと食堂へと戻った。

水兵は大西が飲み残したビールを自分の席に持ちだし、飲んでいた。

大西の眉間の縦じわがさらに深くなる。

両手に刺身包丁をぶら下げた大西はすい、と横から近づきいきなり水兵の脇腹に刺身包丁をズブッと突き刺した。
「ぎゃっ!」という悲鳴をあげて大男が椅子から転げ落ち、
夏用の白い軍服が鮮血に染まった。

大西の狂気は血をみて、ますます沸騰した。
水兵の襟首をつかんで引き起こすや、片耳をスパッと斬りおとした。
一瞬の出来事だった。

「た、助けてくれぇぇえ!」
血まみれの水兵が食堂の入り口にたどりついたとき、もう、大西の姿はなかった。

白昼、繁華街での軍人刺傷。大事件である。
店主の目撃から、大西の犯行であることはすぐ、割れる。

しかし、不思議なことに警察も呉の鎮守府も動く気配はなかった。

向井組が裏から手を回したのか、
刺された軍人、本人に表ざたにできない問題でもあったのか、

大西の凶行の噂だけが、呉の街をさざ波のように駆け抜けていった。
【12】

〜ブレイクタイム〜  評価

野歩the犬 (2014年01月11日 11時14分)

ぬ? レレレのレス?

では、ご挨拶を。


■TAKERUさん

>毎日最低1ページは読みたいです。
出来れば2ページお願い致します。

さーせん・・・2ページ目標でスタートしたのですが、
ついつい、かまけてしまって。
のんびり、お付き合いください。

■reochanさん

>はじめまして。れおと申します。
はじめまして…かと♪

>『仁義』、高倉建のファンなので、アイコンに引き込まれてしまいました。よく見れば、違いました。

ほ〜ですか。しかし、
ケンさんは建設会社の社長ではなく「高倉健」ですぞ

あ、初対面で失礼しました!
お詫びに一曲、歌わせていただきます。

「せ〜なで、泣いてぇる、唐獅子ぼぉたぁ〜ん♪」
え?そっちじゃない?

では、改めて
「どうせ、おいらのいくぅ先は、その名も網走番外地〜♪」

↑どっちこっちない、古っ!

アイコンは「仁義なき戦い・広島死闘編」の山中役・北大路欣也です。
今はスマホのCMでたりしてますが、若いときは
かっけぇ――!



■こぱんださん

>コン・・コン・・  すみません^^ 少しおじゃまさせてもらってもいいでしょうか。。

来ると思うてわい・・・
ま、なんよ。
好き勝手に書きたいものを書くからには
いちおうバレバレでも、コテハンも変えんと、昔のお仲間には失礼と思ってな。

もちろん、あっちのコテハンは
トキがくるまで、大事にとってあるわい。

>まだまだ。寒い日が続きますもんね。  代表ーっ!・・・あ。じゃなかったです。
野歩The犬さんもお体お大事に。。。執筆、頑張って下さいです。  

お〜い、ミッツ、こぱんださんに鏡開きのぜんざいでも出さんかい・・・
って、・・・・こっぱんだぁぁぁぁあああああああ
熱い焙じ茶、入れて、かえらんかぁぁぁああああああああああい!
【11】

RE:仁義の墓場  評価

こぱんだ (2014年01月11日 09時51分)

コン・・コン・・  すみません^^ 少しおじゃまさせてもらってもいいでしょうか。。



野歩The犬さん、はじめまして。

私のとても、お世話になった大事な方にそっくりで・・・

ご挨拶したいしたい・・と思ってたのですが。書き物のジャマになったり。。アイコン怖いですしね・・・悩んでました

先ほど覗きましたら。。先客がいらっしゃったので^^  私も勇気を持って。



悪魔のキューピー辺りから、ムムッと思って読んでおります!

まだまだ。寒い日が続きますもんね。  代表ーっ!・・・あ。じゃなかったです。

野歩The犬さんもお体お大事に。。。執筆、頑張って下さいです。  

スルーでも全然いいのでお気になさらずにです^^





では・・この辺で☆   おじゃまいたしました 
【10】

RE:仁義の墓場  評価

reochan (2014年01月11日 06時27分)


はじめまして。れおと申します。

『仁義』、高倉建のファンなので、アイコンに引き込まれてしまいました。よく見れば、違いました。

読ませて頂いてます。

『読み捨て御免』とトピ文に書かれてるのに、ごめんなさい。
【9】

RE:仁義の墓場  評価

TAKERU (2014年01月11日 02時02分)

毎日最低1ページは読みたいです。

出来れば2ページお願い致します。
 
【8】

RE:仁義の墓場  評価

野歩the犬 (2014年01月10日 20時56分)


【道  具】

ホドに入ってまもなくのある日。

大西は休憩時間に水飲み場に来ていた。
溶鉱炉のようなコークスの前では一時間も作業すると
暑さとのどの渇きは耐え難いものがある。

蛇口にすがりつくようにして、水を飲んでいた大西の後ろに
組出入りの鳶職人がきた。

大西はまだ、見るからに子供である。

「おい、小僧、早く、せい」
男は水を飲むのに夢中になっている大西の頭を小突いた。

つんのめった大西が振り返ったとき、もう、その眉間は縦に立っていた。

「なにすんない!」

言うが早いか大西はポケットから折りたたみの小刀「肥後の守(ひごのかみ)」
をとりだすや、そのまま、男に突っ込んでいった。

「ぎゃぁあ!」という声で周囲が飛んできたから大事には至らなかったが
大西のキレ癖は知れるところとなった。

昼飯時に自分の弁当を間違われてとられそうになったときも
鋲焼箸を手に殴りかかった。

カシメ若衆の弁当というのは、組の賄い婦が、一人ずつに持たせてくれるもので
美少年の大西の弁当箱は、ほかのものより一回り大きかった。

大西はそれを恩義に感じて大切にしていたのだろう。

現場を見ていた兄貴分のボーシンも
「政寛いうんは、根性もんよのう。ありゃあ、ええカシメになるわい」
と、なかば、感心するありさまだった。

大西は自分の体躯がカシメとしては、小柄で非力なことを自覚していた。
そのため、とっさの対抗手段として、耐えず「道具」を使っている。

あるとき、現場の都合で日ごろのホドが組み替えられ
見かけない「とりつぎ」が付いた。

その男が現場の段取りの件で自分のボーシンに横柄な口をきいた。
横にいた大西はボーシン、本人が言葉を返す前に
「利いた口ぬかすな」と短く言うや
ボーシンが持っていたエアーハンマーをひったくると
男の側頭部へむけ、ぶっ放した。

前頭部なら即死である。

「政寛、政寛」とかわいがっていたボーシン本人が
このときばかりは青ざめていた。




「あんときゃ、たまがったのう。いきなり、ぶっ放したんじゃけん。
悲鳴を聞いて、爺さんと、ワシらがとんでいったときゃ、
こめかみから血の泡ふいて痙攣しとって、で。
あれからじゃわい、よそのホドもんは、大西にかかわるな、いうて、のう」

まっちゃんには、当時の様子がありありと蘇っているようだった。
【7】

RE:仁義の墓場  評価

野歩the犬 (2014年01月08日 21時19分)


【魔性の開花】

即日退学となった大西の将来を母・すずよは案じた。

教師への傷害事件の噂が広まり、すっかり札付きとなった息子である。
おまけに、読み書きができない、とあっては簡単に奉公先も見つからない。

思い余ったすずよ、は当時、連れ合っていた男に相談した。
男は当時、山陽道に名の売れた「博徒」であった。

若いときは飯場の用心棒を務め、岩国・錦帯橋のたもとで
四人を叩き斬ったという筋金入りである。

「わしゃ、まあちゃんなら、カシメがええ、思うんじゃがのう」

寡黙で熱中する性格。
気が短いのもある意味、カシメにむいているかもしれない。

「パッチン(花札博打)で向井組の親分をよう知っとるけん、
頼んでみるき、折をみて、まあちゃんを連れちゃってみないな」

すずよは改めて男に頭を下げた。

「話は聞いちょる。お母さん、まかせんですか」

面倒見のいいことで知られた向井信一は快諾した。

かくして、大西はカシメ若衆として向井組の半纏を着ることになった。

すずよの連れ合いの見立て通り、カシメ業は大西の肌に合っていた。
ガンガンと火が焚かれたコークスの前でボルトを焼くことに熱中し
一年もたつと、ヒトホドのメンバーに組み入れられた。

十四歳にして、遊郭に出入りするようになると大西の姿は呉の繁華街でもひときわ眼についた。

可愛い人形のような顔立ちの少年が着流しにソフト帽、
といった、当時の伊達姿でチャリチャリと雪駄をならす。

「あれが、退学になった大西か」

事件を知っている街の人は、
一人前のカシメとして肩で風をきる大西の姿に畏怖のまなざしを送った。

しかし、当の大西は周囲の眼はなにするものぞ。
すぐにカッとなる秘めた狂気にホドの連帯がうしろにあるとあって
ますます、不条理には身体でぶつかっていくようになる。

気の荒さが売りのカシメ現場に水を得た大西の眉間は、たびたび
すっと、立つようになっていった。
【6】

RE:仁義の墓場  評価

野歩the犬 (2014年01月06日 22時48分)

【即日退学】


昭和五年。

屈折した幼少期を過ごした大西は尋常小学校に入学した。
兄・隆寛はすでに三年に進級、クラスの委員長を務める秀才だったが
政寛は、対照的な異常性を発揮する。

教師のいうことに何一つ耳を傾けず、ひたすら、教科書のページにクレヨンを塗りたくっていた。

簡単にいうと、文字を覚えようとしなかった。

大西は生涯、自分の名前意外は文盲に近かったという。

しかし、色彩感覚には独特のものがあり、毎年、学校対抗の絵画コンクールでは
入賞する腕前だった。

極彩色を使った絵画は読み書きができないコンプレックスの裏返しであり
小さいときから、侮辱に対しては怒りを露に体でぶつかっていく
大西の気性、そのまま、であった。

時代さえ違えば、異能の天才画家として認められたかもしれない。

しかし、大西は自己に秘められた狂気をキャンバスではなく
暴力へと転化させる悲劇を生む。

事件は小学校高等科に進んでまもなく、起きた。

その日、高等科に進んでも相変わらず教室で絵を描いている大西の手元を覗き込んで
教師が言った。

「大西、おまえ、ペンキ屋にでもなるんか」

冷やかしと分かりながらも、邪魔されたくない大西は
「うん」と生返事しながら、クレヨンを動かし続けた。

嘲笑を浮かべた教師が続けた。

「ほいじゃが、ペンキ屋は字も書かな、ならんけん、お前にはおえんじゃろう。
お前、脳病院の絵の先生にでもなるか」

「脳病」という言葉が大西の屈折した心の闇に鋭利な刃物となって突き刺さった。

「なにぃ」

教師を睨み挙げた大西の眉間がギリギリと縦に立っていた。

次の瞬間、大西は文鎮をつかむと、力まかせに殴りかかった。
教師の額がパックリと割れ、鮮血が飛び散った。

教室は騒然となったが、大西の怒りは治まらない。
足払いをかけ、馬乗りになった教師にさらに殴りかかる。

学校中が大騒ぎになり、校長ら数人の職員が駆けつけ、
大西を押さえつけたとき、教師は三針を縫う傷を負っていた。

血にまみれた文鎮を手にした大西は即日退学を命じられた。
前年、祖母が他界し、再び母、すずよの元にひきとられた直後であった。

呼び出しを受け、学校に迎えにきた母・すずよ、を見つめた
大西政寛の眉間はやっと、素顔に戻っていた。
【5】

RE:仁義の墓場  評価

野歩the犬 (2014年01月06日 22時38分)

【ヨイヨイ】

睫毛が長く、ぱっちりとした瞳の優男。

しかし、いったん怒り出すと眉間が「縦に立ち」血の雨を降らす。

「ヤルといったら必ずヤル」

「一日、一回は血を見ないと晩飯がうまくない」


悪魔のキューピーは、いかにして生まれたのか。

ここではまず、大西政寛の生い立ちにふれてみよう。

大西は大正十二年、広島県・加茂郡広村小坪の海軍御用の雑貨商
「よろずや」を営む大西万之助と妻・すずよ、の間の二男として生まれた。

政寛が生まれたとき、父・万之助はすでに重度のモルヒネ中毒であった。
麻薬は大陸航路の船員から「よろずや」に借金のカタとしてもたらされた。

当時は鎮痛薬として市販されていたモルヒネも
常用すると、悲惨な禁断症状に襲われる。
それは自律神経の嵐とよばれ、くしゃみ、鼻水、よだれがとまらず
下痢と強烈な悪寒に震えだす。

「すずよ、後生じゃ。注射してくれんかいのう。頼むわい」

若いとき、大阪の病院で看護婦見習いの経験がある妻のすずよは
夫の哀願を断りきれなかった。
その場しのぎとわかっていても、モルヒネで元気を取り戻す夫の姿にほだされ
注射ダコの上に針を刺すことを繰り返す。

しかし、万之助の中毒症状が進み、五グラム瓶を十二時間おきに使い出せば
もはや「よろずや」の経営自体が傾きだしていた。

息子の中毒を知った姑は激怒し、注射に手を貸したすずよを罵り
ついに、大西家から追い出した。

すずよが去って一年後、まだ二歳の政寛の兄弟を残して父・万之助も重度の中毒患者のまま、この世を去った。

残された幼い兄弟は祖母がひきとることになった。
両親のいない幼子は町内の悪ガキどもの格好の餌食になる。
父の震えながら歩く禁断症状はすっかり評判になっていたからである。

「わりゃ、ヨイヨイの子じゃけんのう。ヨイヨイよっこらしょ、踊ってみい」

猿踊りの強要であり、最初は意味も分からず兄に従って真似していた政寛だったが
四、五歳になると、からかわれていることがわかり
石を手に猛然と殴りかかっていくようになった。

最初はあしらっていた悪ガキどもも、あまりの政寛の剣幕に
恐れをなして、兄弟への、からかいも止むことになる。

「ヨイヨイって、なんない?」

孫の疑問に祖母は狼狽しながら、諭すように言った。

「脳病じゃけん、あがいに、悪くいうもんとは違う」

幼い政寛のクリクリとした瞳に不安の色がよぎった。

「死んだ父が脳病ならば、自分にも脳病の血が流れているのだろうか」

悪魔のキューピー、狂気の芽生えは
その、不幸な境遇にあったのかもしれない。
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