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【43】 | RE:≪マリー・ルイーゼ≫ ☆カンパチ☆ (2017年05月21日 23時09分) |
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畜産業の話≪8≫ 『A−5』とはなんぞや。 牛肉の最高ランク、と思っている人が多いと思います。 では、『A−5』とは、何を意味しているのでしょうか。 牛肉の格は、「日本食肉格付協会」が制定する『牛枝肉取引規格』に基づいて、格付けします。 この格付けは、二つの基準で決められます。 一つ目は、歩留(ぶどまり)等級(A、B、Cで表わされる)。 二つ目は、肉質等級(肉質を(1)〜(4)の観点で区分し、それぞれ、5〜1の等級で表わされる)。 まず、歩留等級とは、枝肉(枝肉とは何のことなのかは、後ほど説明します)から、 骨や「余分」な脂肪を取り除き、部分肉がどのくらい採れるかを示します。 標準よりたくさんの肉が採れる場合は「A」(歩留基準値72以上) 標準的な量の場合は「B」(歩留基準値69以上72未満) 標準より量が少ない場合は「C」(歩留基準値69未満) 次に、肉質等級とは、 (1)脂肪交雑 (ここで言う「脂肪」は、「余分な脂肪」ではありません。「さし」、つまり、赤身の中にまぶされている脂肪分のこと。だから、「交雑」と言うのです) (2)肉の色沢 (3)肉の締まり及びキメ (4)脂肪(ここで言う「脂肪」も、(1)と同じです)の色沢 の4つの観点で区分し、それぞれ5〜1等級に判定されます。 ここが、ちょっと、理解が難しいところです。 しばし、頭を抱えていただきます。 「等級3」が標準で、数字が大きいほど高い等級になります。 そして、(1)〜(4)の区分のうち、最も低い等級が採用され格付けされます。 例えば、区分(1)〜(3)は「等級5」でも、区分(4)が「等級3」だったら、 その牛の肉質等級は「3」になります。 この二つの基準に基づいて、具体的に説明しますと、 枝肉からたくさんの肉が採れて(つまり「A」)、 肉質等級の区分(1)から(4)につき、どれもが「5」であれば、 『A−5』と格付けされる、ということです。 ですから、「格付け」というのは、『おいしさ』で決めている訳ではないので、 格付けの高い肉がおいしく、低い肉はおいしくないとは一概に言えないのです。 要するに、「結構、いい加減」 格付けは、価格や売れ行きに大きく影響しますが、 実は、この格付けは、脂肪交雑の多い肉(脂肪交雑を多くするにはどうするか、は後ほど)を高く評価する内容となっているのであって、 必然的に、霜降り肉になる黒毛和種に有利に働くのです。 結局、どの肉が本当においしいかは、 「自分で食ってみなきゃ分からん」 ということです。 |
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【50】 |
☆カンパチ☆ (2017年05月26日 20時18分) |
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これは 【43】 に対する返信です。 | |||
畜産業の話≪9≫ 肉は、屠畜後すぐに食べずに熟成させた方がおいしくなります。 家畜の筋肉は屠畜直後は死後硬直で硬くなりますが、 時間が経つと再び柔らかくなります。 タンパク質が分解されることなどにより、アミノ酸の一つであるうまみ成分のグルタミン酸が増えます。 これが熟成の正体です。 さらに、アミノ酸が増えることで、加熱時のメイラード反応による香りが強くなります。 店頭の肉はすでに熟成したものです。 牛肉は10日〜2週間 豚肉は5〜7日間 鶏肉は1〜2日間 冷蔵貯蔵(熟成)してから出荷されます。 近年、熟成の効果をうたった「熟成肉」が話題ですが、 どれだけの期間、どのような方法で熟成させるかなどの定義はありません。 ドライエイジング、氷温熟成と言った熟成法が注目されています。 ドライエイジングは、牛肉の場合、温度を1〜2度、湿度を70〜80%ほどに保った熟成庫内で、 肉に風を当てながら1か月以上熟成させます。 風によって、肉の余分な水分が飛ぶと同時に、 微生物の働きでタンパク質がアミノ酸に分解され、うまみが増します。 熟成中に肉の外側に発生するカビは取り除きます。 氷温熟成は、0度以下の食品が凍る直前までの氷温域で、肉を熟成させる方法です。 その原理は、伝統的な寒ざらしや寒仕込みと同じです。 凍らないようにしようという肉の働きがアミノ酸を生成し、 うまみが増します。 ドライエジングより短期間で熟成が進むほか、細菌の繁殖を防げます。 |
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