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【32】

社長 28

ゑびす4 (2006年09月22日 14時13分)
 『社長 vol.28』

 社長と我々は飲みに行った時必ずすることがあった。
 それはナンパである。
 おそらくあなたはこう思うに違いない。
 「なんで社長が一緒なのか?」
 社長と一緒だとナンパ成功率が下がるのではないかと思うあなたは,間違っている。
 社長がいてもOKであるということは,もうこちらにぞっこんであるということになる。
 その日も予定通りナンパをしていた。
 この日の場所は,パブではなく買い物公園だった。
 因みに買い物公園とは恒久的に歩行者天国なった旭川の全国初の通りである。

 まずはジャンケンである。
 誰が声を掛けるかのジャンケンである。
 結果は・・・
 一番気の弱いN2になった。
 早速,4,5人のお嬢様のグループを探す。
 ・・・いない・・・
 全然いない・・・
 30分ほど買い物公園を物色しながら歩く。

 時は21:00。
 暗くて顔など良く見えない。
 それでもOKなのである。
 そこまで我々5人は落ちぶれていた。

 いた。
 4人グループがいた。
 早速N2が声を掛ける。
 「あの〜,煙草の火貸してもらえますか?」
 これを皮切りに口説く。
 近くでことの推移を見守る我々。
 玉砕だった。

 しかし,我々はあきらめなかった。
 今度のジャンケンでは社長が声掛け役になった。
 そして,30分後,ようやくターゲット発見。
 「あの〜,ちょっといい?」
 社長が声を掛ける。
 返ってきた言葉が我々の野望を打ち砕いた。
 「あ〜っ,さっきの人!」
 そう,我々は同じグループをナンパしたのだった。
 しかも誰であれ顔を覚えられやすい社長を同行して・・・

 心を粉々に砕かれた我々は,男衆5人で,場末の居酒屋で酒を浴びるほど飲んだ。
 何もかも忘れたかった。
 そして,社長はあいも変わらず飲んでる最中にunkoをしたのはいつもの通りである。

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【33】

社長 29  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 14時15分)

 『社長 vol.29』

 この話も夏休み中の野外実習中の出来事である。
 夕食前のことであった。
 我々は風呂に入っていた。
 大雪山にあるその研究所には風呂が一つしかなかった。
 何せ,研究所とは言っても山小屋に毛の生えた程度のものだったので当たり前であろう。
 
 我々男子が夕食前に入り,夕食後に女子が入るのが慣例であった。
 そして,その時も我々男子は夕食前に,湯船に浸かったり,頭を洗ったり,体を洗っていた。

 「い〜ひっひっひっひ」
 社長のいつもの甲高い笑い声が風呂場の中に響き渡った。
 甲高い笑い声を風呂場中に響き渡せながら,社長は数箇所ある洗い場を行ったり来たりしている。

 社長はあることを企てていたのである。
 それは・・・

 ありとあらゆる石鹸に,自分のお毛毛をくっつけているのである。

 そう,我々の後に入浴するのは女子である。女子たちに対する社長ならではのセクハラである。
 我々は言葉を失った。

 「夕食後に風呂に入るOさんやYさんの驚く顔が目に浮かびますよ。いっひっひっひっひ」
 「私たちが女子の後に風呂に入るんだったら,浴槽の中のお毛毛を掬い取るんですけど。いっひっひっひっひ」
 「それも出来ませんから,せめてこのくらいのことはしないと。いっひっひっひっひ」

 さすがは社長である。
 就寝前の女子のひそひそ話はきっと「お毛毛付き石鹸」だったに違いない・・・
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