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【25】

社長 23  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 14時00分)

 『社長 vol.23』

 我々の通う大学では,集中講義というのがあった。
 夏なら水泳,冬ならスキーの実技講習を受けなければ卒業できないのである。
 しかし,両方の講義を受ける必要はなかった。
 どちらかだけ受ければよかったのである。

 我々の大半はスキーを選択した。
 水泳はつまらなく,スキーは楽しいからである。

 しかし,社長とHは水泳を選択した。
 理由は明確である。
 水着姿のじょしどぅあいせいが見れるからである。

 じょしどぅあいせい達は,教職員試験を目指すものが多かったため,水泳を選択する者が多かったのである。

 勿論,社長もHも張り切って,講義を受けに行っていた。
 ところがある日,社長が激怒する事件が勃発したのである。

 我々のゼミには,Oというミス大学に匹敵する美人がいた。
 Oも水泳実技講習を受けていた。
 一緒に講義を受ける,Oと社長とH。
 何と,Hは間違えた振りをしてOの小さな胸に触れたのだ。

 社長の怒りは尋常でなかった。
 「え,え,え,H君なら,あろうことか,Oさんのオッパイを触ったんですよ」
 社長はゼミの全員が出席する野外実習の夕食の席で,いきなり言葉を発っしたのである。
 ニヤニヤと笑いながら言い訳をするH。
 その姿は,サッカーW−Cupに出場を果たせなかった岡田監督に似ていた。
 そして,可愛らしく赤く頬を染めて俯くO・・・
 初めて怒りに打ち震える姿を見せた,社長。

 とても,楽しい宴会であった。
 楽しい宴会は,は静寂に包まれていた。
 そして,Hは社長の口に入れた生肉を食った所為で,翌日嘔吐した。
 やはり社長の怨念の所為であろう・・・
【24】

社長 22  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時59分)

 『社長 vol.22』

 社長が素人に筆下ろしをしたのには,裏があった。
 ズバリ,テレクラである。
 そう,社長は一時期テレクラに通い詰めていたのである。
 H海道の中心都市S幌市は勿論,彼の実家がある道東のK市でも通っていた。
 
 社長は毎週土曜になると,温泉に行って腹黒い体を清め,テレクラへと突進していたのである。
 初体験はS市だった。
 その時,釣果は無かったという。
 それでも彼は,毎週500kmもR町からS市の間をへたくそな運転でドライブしていた。

 そして,ついに念願叶い,素人と事に及ぶ時が巡り来た!!!

 ああ,ついに彼は普通の人になってしまったのか・・・
 我々は落胆した。
 
 しかし,社長の細部にわたる『事』の顛末を聞くとNは興奮した。
 Nは,落胆から一気に昇天である。

 何故なら社長が経験したのはア○ルなのである。
 Nは,小学生のころからアナ○に異常に惹かれていたといふ。
 そんな,モテてモテて,しようもなかったNより先に,社長は○ナルを経験したのである。

 Nの胸中には,社長に対する羨望が渦巻いた。
 「あ,あ,あ,憧れのア○ルを,社長に先を越されるなんて・・・」
 社長が事の顛末を語り終えた時,Nはポツリと言った。
 「いいなぁ・・・」
 とても看護婦キラーのNとは思えない発言だった。

 そう,Nは特に看護婦と仲良しだった。
 俺の知る限り,付き合った看護婦は5人以上いた。
 俺に話をしていない数も入れると10人は優に超えていたと思ふ。

 しかし,そういうNの母親は看護婦だった。
【23】

社長 21  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時57分)

 『社長 vol.21』

 前にも話題として出たことがあるかも知れんが・・・
 社長はとある有名国立大学『T大学』の付属高校出身だった。
 正式名称は「T大学付属S高校」である。
 しかし,実態は農業高校だった。

 ♪ 地平線が見える 教室で
   社長は 机並べて
   同じ月日を過ごした
   少しの園芸と体育祭 そして
   社長は騙しと 借金を覚えた

   卒業しても 周りを
   お馬鹿扱いしたよね
   お金はいくらでもあると
   半分笑って 半分真顔で
   借りていた

   低い雲広げた 冬の昼
   社長は 学園祭で
   売り上げをポッケした
 
   今年もファミレス行くって
   ご馳走たくさん食べるって
   社長実行したの
   社長実行したじゃない

   離れたい
   うぅう〜 ♪

 というように社長は学園祭の模擬店の売り上げをネコババしたそうだ。
 その手口は緻密に計算され,周到に用意され,慎重に実行された。
 まず,自分のポッケに3万円。
 そして,彼の腹心の部下3人には,「君達は良く頑張った」と言い,お小遣いとして千円ずつ渡した。
 そして,クラス全員に「先生には内緒だぞ」と言って,茶話会による打ち上げを実施した。
 そして,担任には,「これしか儲かりませんでした」と言って,10円,5円,1円玉の入った数百円の売り上げを渡した。
 腹心たちはお小遣いを貰っているので,その気まずさから社長のネコババに気づかない。
 また,他のクラスメートに貰ったことを黙っている。
 クラスメートは,担任に内緒でジュースや菓子を飲み食いしたから,担任には何も言えない。
 そう,社長は完全犯罪を成功させたのだ。
 そして,社長はそのころ暮らしていたお寺(父親が失踪したので,預けられていた)を夜中にこっそりと抜け出し,近くのファミレスに行って,3日3晩,飲み食いした。
 そして,そのうまみを忘れられず,大学の学園祭でも売り上げをネコババした。
【22】

社長 20  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時54分)

 『社長 vol.20』

 社長がR町に赴任してからというもの,H海道のガソリンの消費が激しくなった。
 それは,社長がR町からS幌市に通っていたからである。
 R町からS幌市までは距離にして,500kmはあった。
 時速50kmで10時間である。
 まあ,H海道では,平均時速は60kmくらい簡単に出せるけれども,それでも8時間以上である。
 ここまで来ると,常軌を逸している。
 何せ,毎週なのであるから。
 しかもこの頃の学校は週休2日制ではなかった。
 土曜日は半ドンだったのである。
 さすがは社長。
 執念である,FZKに対しての。
 ここまで来ると我々は社長を崇拝してしまっていた。

 午後一番に出発しても,S市に到着するのは,9時頃である。
 そして,社長は運転の疲れも見せず,FZK店に直行するのである。
 皮切りは,社長のホームグランドである『プ○シーキャット』。
 ここで,まず1週間のスペ○マを『69』によって放出するのである。
 社長が言うところの「まずは一服」である。
 そして次に安いソ○プランドに行く。
 お気に入りは「女○院」であった。
 「軽く一杯」である。
 更に,ちょっとお高めのソープに行く。
 「最後の締め」である。

 こうして,社長は毎週,オイルメジャーと怪しげなFZK関係者と日本の景気のために血税を貢いでいた。
 しかし,ホテル産業には貢いでいなかった。
 S市に住む,大学の友人であるNのところに泊まっていたのである。
 社長なりの節約術である。
 Nにとってはいい迷惑である。
 それはそうだ。
 毎週,せっかくの土曜の夜を社長と過ごさなければならないのだから。
 Nは,最初は我慢していたが,ある時,
 「来週の土曜は俺・・・いないから」
 と宣言した。
 しかし,社長は次の土曜もNのところに泊まった。
 そう,社長はNが家にいることを第六感で感じ取っていたのである。
 社長はエスパーでもあった。
【21】

社長 19  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時51分)

 『社長 vol.19』

 社長のパパはDQNだった。
 北海道のO市生まれで,社長の母さんに惚れて,東京まで追っかけて行き,娶ったのはいいが,その後,小チンピラとなりシャブにも手を出した前歴がある。
 その頃は,羽振りも良く,その頃では高級車であるセドリックに乗っていた。
 「セドリックに乗っているとホテルに食事に行っても恥ずかしくないんですよ。いっひっひっひ」と社長は俺たちによく語っていた。

 社長パパは,社長の母親の死後,社長たちを母親方の祖父母に預け,ふらりと姿をくらました。
 そして,社長が某有名大学の付属高校に入学した頃,姿を現した。
 その第一声目が,「『親は無くとも子は育つ』とはよく言ったもんだ。はっはっは」と高笑い交じりだったという。
 さすがは社長パパである。
 気風がいい,ではなく,ずぼらである。

 そして,新しい母親を社長たちに紹介した。
 そう,行方不明になっている間に,新しい女を作っていたのである。
 社長パパは結構いい男なのである。
 そこは社長と違っていた。
 女にも,そこそこもてたらしい。
 そこも社長と違っている。
 なんてたって素人とは,縁の無い社長である。

 ある日,社長パパが大学を訪れた。
 自分の息子がどのような暮らしをしているのか,知りたくなったらしい。
 大学の正門の中に車を乗り入れ,車を止めた。
 運の悪いことに,学生がその近くでキャッチボールをしていた。
 更に運の悪いことに,受け損なったボールが社長パパの車のボディにぶつかった。
 社長パパは見た目がいかつい。
 当たり前である。
 つい最近まで小チンピラだったのだから。
 社長パパは,車から降りてこう言った。
 「おいそこの学生!!! ちょっと来い!!!」
 「す,す,すいません・・・」

 「電話はどこにある?」

 学生を呼んだのは,ただ電話を掛けたかっただけであった。
 社長パパは,見た目がいかつくても悪い人ではなかった。
【20】

社長 18  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時49分)

 『社長 vol.18』

 教師になった社長は輪をかけて酒癖が悪くなった。
 DQNな親を相手に飲むのだから,社長一人の責任ではないだろうが。
 
 それは10月の頃であった。
 学校で観楓会が行われたときだった。
 その日も社長は積極的に『カポ』をやったらしい。
 他の先生からのアンコールに応えて,際限なく『カポ』を行ったらしい。

 その結果,予想通り社長は泥酔したらしい。
 社長は泥酔した体で無理やり車に乗り込んだらしい。
 そう,彼は飲酒運転をしたらしい。
 社長もとうとう刑事的問題を起こすようになった。

 ただでさえ,社長は運転が上手くない。
 よくこれで免許を取ることができたと周りの誰もが思うくらい,運転が下手糞だった。
 そんな腕前の持ち主が泥酔状態で運転したら・・・

 そう,あなたの予想は当たっている。
 彼の車は予想通り路肩からはみ出し,溝に落ちたらしい。
 その溝がすごかったらしい。
 路面からの落差が約2mあったらしい。
 溝と言うより崖に近いらしい。
 それにも拘らず,悲惨な事故にはならなかったらしい。
 車もそれほど破損せず,社長の体も無事だったらしい。

 普通,2mもの落差のある場所から落ちたのなら,意識は覚醒するはずである。
 アドレナリンの分泌も多大に行われるはずである。
 やはり,社長は社長であった。
 車が落ちても寝たままだったらしい。
 朝になり,社長の車が落下していたのを発見した同僚に揺り起こされるまで,社長は寝ていたらしい。
 
 社長は持ち前の強運を発揮し,飲酒運転でK察に検挙されることもなく,怪我をすることもなく,車を破損させることもなく乗り切ったのである。
 我々の間では,彼の地位は神の領域まで達した。
【19】

社長 17  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時47分)

 『社長 vol.17』

 DQNな学校に勤務する社長。
 それでも。それなりに楽しくやっていたみたいである。
 そこでは,『社長』とは呼ばれていなかった。
 そうである。新しい渾名が付いたのである。

 それは6月下旬の頃のことである。
 社長は修学旅行の引率に着いていった。
 修学旅行の行き先は札幌方面だった。
 R町は道東に位置するため,修学旅行先は毎年札幌だった。
 もちろん社長は喜んで引率した。
 大好きなススキノに近づくことができるのであるから,進んで引率になった。
 普通は嫌がる。
 やはり社長である。

 修学旅行一行は無事見学を終え,ホテルに到着した。
 社長はススキノでの巡回補導に向けて,臨戦態勢を整えるべく風呂に入ることにした。
 しかし,問題が一つあった。
 ススキノ巡回の時間に間に合わせるには,生徒と一緒に風呂に入るしか,入浴時間が無い。
 彼は逡巡した。
 しかし,どう考えても身体的欠陥を生徒から隠すよりも欲望が優先であった。
 生徒と風呂に入るも止む無し。
 社長は不本意ながらも風呂に入る決意をした。
 
 脱衣所で,社長は何気なくタオルを腰に巻いた。
 自然な流れである。
 しかし,社長の周りにはいたずら好きで人の弱みを見つけるのが大好きな厨房がうようよいる。
 当然の如く社長のタオルは毟り取られた。
 毟り取られたタオルに隠れていたのは,社長の愛らしい方形である。

 厨房は一斉に囃し立てた。
 「○○は,方形だ〜!」
 ススキノに行きたいがために厨房から『方形』呼ばわりされてしまった。
 そして,中の一人がこう叫んだ。
 「形がシューマイだ〜!!!」

 そう,社長はこの日から渾名が「シューマイ」になった。
 そして,絶望に打ちひしがれた社長はその日は,ススキノに行かなかった。
 今でも,R町では,「シューマイ」と言えば,社長のことを表しているらしい。
【18】

社長 16  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時45分)

 『社長 vol.16』

 1985年4月,そんな社長も大学を卒業し,とある中学校へ赴任して行った。
 そう,彼は教師になったのである。
 こんな彼を採用したのは,北海道教育委員会である。
 おろかなお役所仕事である。
 面接で,彼の本質の一端でも見出すことはできなかったのであろうか?
 やはり,講釈垂れるのがうまい社長の方が一枚上手だったのだろう。
 面接官を責めるのは忍びない。

 彼は晴れてR町へ赴任して行った。
 R町は漁師町である。
 社長のずぼらな性格は,きっぷのいい男と勘違いされ,漁師の父ちゃんたちのハートをがっちりと掴んだらしく,PTAの飲み会では,甚くもてたらしい。
 「こっちの町では,PTAの飲み会でお金を払わないんですよ。いっひっひっひ。馬○な父ちゃんたちがみんな払ってくれるんですよ。いっひっひっひっひ。」
 電話の彼の口調はいつにも増して明るかった。
 それはそうである。
 彼は,「ただ」が大好きなのである。
 借金も「ただ」で貰ったお金と思い込んでいる男である。
 しかし,その何倍もの負債を背負い込むことになる破目になるとは,社長とて,思いつきだにしなかったのである。

 先ほども言ったようにR町は漁師町である。
 漁師はみんな,普通の船の他に「特攻船」を持っている。
 「特攻船」とは・・・違法に他国の領海内に入り,ささっと密漁をしては,疾風の如く逃げ出せる突拍子もないスピードを持った船のことである。
 そんな父親を持った子供たちを相手に教師を行う社長は哀れだ・・・
 そう,彼も他国のようにやられたのである。
 陸の上の「特攻船」に・・・
 
 ある日,彼は部活の関係で生徒たちを車に乗せた。
 そして,エンジンを掛けたまま書類を取りに学校内に戻った。
 その時,DQNな親を持つDQNな生徒が車を動かし,そのまま学校に特攻してしまった。
 社長のHONDAシビックは大破した。
 社長は一瞬にして600000円を失った。
 数回の飲み会代が600000円掛かったのも同様になってしまった。

 数日後,社長は新たに借金をしてまた,中古のHONDAシビックを買った。
 PTAの飲み会はその後も「ただ」だったらしい・・・
【17】

社長 15  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時44分)

 『社長 vol.15』

 そうそう,この事件も社長を語る上で書き留めておかなければならない。
 ウニをたらふく食って,社長のおかげでウニの実験は中止になった臨海実習でのことだ。

 我々2年目は,夕食前に風呂に入っていた。
 当然,Y教授も一緒である。
 暗い暗いと言われていたKも一緒に風呂に入った。
 性格の暗さにも拘らず,Kのイチモツは,それはそれは堂々たるものだった。
 黒光りを帯びて,直径6cm,長さは18cmくらいだったろうか?

 それをいいことに,Kは湯船の中でイチモツを手にして,イチモツの先端を水面から出し,
「ネッシー,ネッシー」
と喜んでいた。
 岡田監督似のHもイチモツに自信があったため,すぐに加わった。
 我々もイチモツには自信がないが,「勝つことではなく,参加することに意義がある」というクーベルタンの言葉の如く参加することに意義を持ち出した。

 6,7人もの男共がイチモツを持ち上げて,
「ネッシー。ネッシー」
と大声を上げながら湯船を走っているのだから,傍から見れば異様な光景に違いない。
 Y教授は呆れて言った。
「お,お,お,お前らは,ほ,ほ,ほ,本当にホモ・サピエンスだな」
「しゃ,しゃ,しゃ,社長君はな,な,な,仲間に入らないのかい?」

 認識が間違っている。
 教授は社長のイチモツを知らないのである。
 社長は加わらないのではなく,加われないのである。
 イチモツに対し,少しばかりの劣等感を持っていただけなのである。
 みんなが,
「ネッシー。ネッシー」
と喜んでいる間に,社長は一人,寂しげに風呂を後にした。
 その背中はとてもとても小さかった。
【16】

社長 14  評価

ゑびす4 (2006年09月22日 13時42分)

 『社長 vol.14』

 これも3年目の野外実習のことである。
 2日目の真昼間の実習中の出来事を記す。

 野外実習とは,毎年大雪山を徒歩で登り(ロープウエイがあるにも拘らず),各地域における植物生態を研究するのが目的だ。
 ここでHが,嘔吐した件は先にも述べたので,割愛する。

 それは,天女ヶ原での出来事だった。
 我々はそれぞれグループに分かれて植物生態の実習を行った。
 我々のグループにはオイラの他に,社長,O(♀ 美人),先輩のOさん(♂)後輩のI(♂)がいた。
 O先輩の指示で我々はすばやく生態観察実験を行った。
 言い方を変えるとさっさと実習を終わらせたかっただけである。
 まずは,方形枠の中の植物の種類を数えた。
 全部で32種。昨年より増えているらしい。
 植物に関心を持っていないオイラにはどうでもよかった。

 しかし,ここで社長が持ち前の博学を広しめた。

 O(♀ 美人)は,オオイヌノフグリを手にしてこうみんなに聞いた。
 「ねえねえ,オオイヌノフグリの『フグリ』って何?」
 我々は,答えを知っていたがあえて無視していた。
 「ねえ,社長,『フグリ』って何?」
 Oは,社長に答えを求めた。
 Iも,興味津々である。さすがは理科の学生である。

 「Oさん,Oさん,実は『フグリ』というのは睾丸のことなんですよ」
 「つまりは『大きい犬のタマキン』という意味ですよ。いっひっひっひ」

 O(♀ 美人)は,真っ赤な顔をして俯いた。
 しかし,O(♀ 美人)は,きっと顔を上げてこう言った。
 「社長,何でも知っててすごい!」
 ここまでは学術的な会話である。
 しかし,その後おもむろに自分の股間を指差して言った。
「私のフグリも大きいんですよ。いっひっひっひ」

 普通,大きさを自慢するなら袋ではなく棒の方だ。
 しかし,社長は棒を自慢できない。
 何せ帽子を被った礼儀正しい象さんなのだから・・・
 それから一時期,フグリの大きさを競い合うことが,オイラたちの間で流行りだした。
 勿論,チャンピオンは社長だったのは言うまでもない。
 それから1週間,社長の顔はいつにも増して輝いていた。
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