| トップページ | P-WORLDとは | ご利用案内 | 会社案内 |
返信元の記事
【85】

その仔

ゑびす4 (2006年10月26日 06時29分)
 『その仔』

 その仔は,見捨てられた仔だった。
 誰からも顧みられることのない仔だった。
 5月のある日,彼女はその仔と出会った。
 彼女は4匹の中からその仔を選んだ。
 躊躇することなく。
 
 帰りの車の中,ダンボールの小さな箱の中で,その仔は小さく震えていた。
 車が止った時も,その仔は不安だった。
 その仔は,家の中に入れられた。
 そこは,最初,その仔にとって冷たく感じられた。
 どこを探しても,暖かい母親のお腹は無かった。
 無性に獣臭い小屋の匂いが懐かしかった。

 その仔の目の前に,食物が置かれた。
 その仔は少し匂いを嗅ぎ,彼女を見上げた。
 彼女は,優しくその仔の頭を撫でた。

 その仔は,それまでそんなことをされたことがなかった。
 いつも,その仔は隅に追いやられていた。
 いつも,その仔は他の仔にはじかれていた。
 いつも,母親の乳房の出の少ないところにあてがわれた。
 その仔の後ろ足は丈夫でなかった。
 その仔にとって頭は,殴られるためにある物だった。
 その仔は,他にとって疎まれる存在だった。

 その仔は戸惑った。
 なぜ?
 わたしがたべていいの?
 わたしのあたまをなでるのはどうして?

 その仔は,何もかもが不思議だった。
 その仔は,不意に抱きかかえられた。
 その仔はちょっと不安になった。
 いつ落とされるのかと,恐怖心でいっぱいだった。
 でも,彼女はその仔を抱きかかえ,頬ずりをした。
 その仔は,くすぐったさを感じながらも悪い気持ちではなかった。
 その仔は,初めて人の優しさを知った。

 その仔は大きくなった。
 彼女はもう,その仔を抱きかかえることができない。
 その仔はもう,仔ではなかった。
 でも,彼女の前でのその仔は,仔だった。

 彼女が草原を走る。
 その仔は彼女を追いかける。
 足が悪いから,なかなか彼女に追いつけない。
 彼女が走るのをやめる。
 その仔は彼女に追いつく。
 その仔は彼女に抱きしめられる。
 その仔は彼女の匂いを嗅ぎながら,暖かい日差しを浴びる。

 その仔は,もう,獣臭い小屋のことを忘れてしまった。
 自分を小突いてばかりいる兄弟を忘れた。
 母親の硬くしぼんだ乳房を忘れた。
 今,あるのは,彼女の存在。
 いつも優しく抱きしめてくれる彼女。
 この頭を撫でてくれる優しい手。
 時々,草原で繰り広げられる追いかけっこ。

 その仔は,生まれて初めて幸せを感じた。

■ 145件の投稿があります。
15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
【90】

RE:その仔  評価

な! (2006年10月26日 22時47分)

日ハム優勝!日本一ィーーー! オメ! それはそれで良いんだけれど・・・

やがて雪も降りウィンタースポーツに向かう地域なので、そのことを日ハムの選手達が理解して、冬場の練習ゥとかに夢中にならないで、ニセコ?とか、(他はシラン)著名なスキー場に、日ハムのユニホームなど着用してサービスしないと、これはこれで終わると思う。

「新○?それほどでもないべさァータレントになるンしょ!」とか聞こえるし、「来年は、最下位っしょ!」とかも聞いたしィ〜〜〜

それはそれでいいとして・・・。





エビちゃん、俺は離婚しない。子供行き場所無くなるし、人に任せたくない、俺の稼いだ金で育てる。


俺、飯作れないから、婆アのクソマンで我慢しながら飯喰わせる。

子供達は大きくなってきた。1人嫁に行った。あと4年くらいで、残り2人が社会の人として役立つ様になれれば、と思っている。



念願かなったら、死のうと思っている。
15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
メンバー登録 | プロフィール編集 | 利用規約 | 違反投稿を見付けたら