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【729】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 43  評価

さオ (2016年03月22日 13時06分)




おじさん「お父さん…って言っていいのかあれだけんど」 


俺「はい?」 


おじさん「アイツとは、上手くいってるけ?」 


さっきまでのにこやかな表情ではなく、少しだけ物憂げな表情に変わっていた。 


俺「ああ、まあ…ハイ。それなりには」 


おじさん「ほうけ。それならまあ…ごめんね、変なこん聞いちゃって」 


俺「いえ、とんでもないです…」 


俺がそう答えて、しばらくその場で虫の鳴き声だけが響いていた。 


俺「僕の方こそ、突然押しかけて…これからお世話になります」 


俺がそう言うと、おじさんは力なく笑って「ゆっくりしてけばいいよ」と言ってくれた。 



その後、おじさんとしばらく縁側で話したが、 


「勉強なんてテキトーでいいだ」だの「今度一緒にパチンコでも打ちに行かないか」など、 

あまりに義父とかけ離れたことばかりを言われて、驚いた反面、 

今までプレッシャーの中にいたので、とても安心できたのを覚えている。 


これは俺の勝手な予想だが、もしかしたら息子ができたと思ってくれたのかもしれない。 

そうだったら嬉しいな、という俺の気持ちだが。 



 

【728】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 42  評価

さオ (2016年03月22日 13時05分)




家の奥から「もー、はいはい」という声が聞こえて、 

俺とおじさんの間に、冷えた瓶ビールとグラスが置かれた。 


おばさん「1君は勉強しに来たんだからー…あんまり変なことさせちょし」 

そう言われて、おじさんは「わーかってる!少しだけだから!」と苦笑いした。 


こうして見ているとおじさんはまるで小学生のように楽しい人で、(酔っているのもあるが) 

あの義父の弟さんには、やっぱり見えなかった。 

そして独特の方言も、なんだか俺には心地がよかった。 



おじさん「ほらほら」 

おじさんが楽しそうに俺の持ったグラスにビールを並々と注いでいく。 

もう大丈夫ですwと言ってもおじさんは子供のように「まだまだ」と言って聞かなかった。 


おじさん「じゃ、乾杯だな」 

そう言われて、カチンとグラスを突き合わせた。 


夏の夜風に混じって「リーーン」と虫の声が聞こえる中で飲むビールはやっぱり美味しくて、 

思わず二人で「かぁー!」とうなってしまった。 

しばらくおじさんは、黙って煙草を吸い続けた。 

途中、「吸うけ?」と言われたが、俺はそれとなく断った。 


 

【727】

SP中断  評価

さオ (2016年03月21日 16時17分)

↑ ↑ ↑ ↑ 

運気欲しい人、どうぞ♪ ギャハハハ


まじやば。 時間だ。

ちょっとこんなところで、中断で申し訳ない。


また明日です。


【726】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 41  評価

さオ (2016年03月21日 16時14分)




夕飯が終わるとおばさんが片付けを始めたので、 

俺も率先して洗いものを手伝ったりした。 

奈央に一言声をかけようと思ったものの、 

ご飯が終わるとすぐに部屋に戻ってしまった。 


ふと、縁側で食後の一服をしていたおじさんに呼ばれた。 

おじさん「1君、こっち来おし」 

俺「あ、はい」 


縁側に座ると、外の青臭い夏の匂いを感じた。 

わずかに、「リリリリ…」という虫の声も聞こえた。 

空には、微かに星が光っていて、俺は「はー…」と唸ってそれらを眺めた。 



おじさん「どうでこっちは?すごい田舎でしょw」 


俺「ああ…そうですね。色々初めてです、こういうの…でも、いい感じですね」 


おじさん「それはよかったw」 



おじさん「でもなんだか不思議なもんだよねぇ」 

おじさんは、そう言ってゆっくりと煙を吐き出す。 


俺が「何がですか」と聞き返す前に、おじさんは続けた。 


おじさん「1君は、今いくつ?酒は飲めんのけ」 


俺「あ、20歳なので…たまには飲んだりも」 


おじさん「それはいいなw」 


おじさんは嬉しそうにおばさんを呼んだ。 


おじさん「母さん、ちょっと瓶持って来てよ!あとグラス2つね」 



 

【725】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 40  評価

さオ (2016年03月21日 16時13分)




奈央はテーブルの向こうに座っていて、力なく笑っていた。 

さっきはもっとハキハキした子に見えたけど、家族の前だとやはり恥ずかしいのだろうか、 

それとも、俺の最後の態度にひっかかる所があったからだろうか… 


どうしようか、奈央にいつ謝ろうか、そんな事を考えているうちに、 

目の前には沢山の料理が出てきた。 


初日の料理は印象的で、おばさんが張り切ったせいなのか、 

豚の生姜焼きに、そうめんに、外で冷やしてあっただろうキュウリの浅漬やトマトなど、 

夏っぽいメニューがわんさか出てきて、それはもう食べ切れなかった。 




おばさん「奈央、1君とは話した?」 

奈央「え、うん…ちょっと」 

おばさん「そう、それならよかったw」 

奈央はいかにも気まずい、という感じで下を向いてしまった。 


おじさん「奈央も見習って勉強しっかりやらんとだめだぞ」 

奈央「わ、わかってるよ、そんなこと」 

おじさん「信用出来ないな〜w」 

どうやらおじさんは、少し酒に酔っているようだったw 


みんなでテレビを見て元気に笑いながら夕飯は進み、 

夏の宵闇の時間が過ぎていった。 



 

【724】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 39  評価

さオ (2016年03月21日 16時12分)




おばさん「1君、夕飯できたよー」 

気づくと、1階から自分を呼ぶ声が聞こえた。 


「はーい」と生返事をしつつ1階の居間に降りると、 

おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん(義父の弟)、奈央がテーブルを囲っていた。 

俺は身構えて再び自己紹介をして、食卓についた。 

おばさんが台所から出てきて、「とってもいい子だよ」と言って笑った。 



おばあちゃんはにこにこして「よく来たじゃんねぇ」と喜んでくれた。 

おじいちゃんはあまり表情を崩さず、少し怖い印象を受けた。 


そして、おじさんはビールを飲みながら 

「まあ何もない田舎だけど、ゆっくりしてけしw」と笑っていた。 

義父の堅い印象とは裏腹に、とても温和そうな人に見えた。 

なんでも、地元の農協で働いているのだとか。 





 

【723】

中断2ダッシュ  評価

さオ (2016年03月21日 16時11分)



あっし:


こんにちは♪


とても疲れてて、本日は無理だと思いましたが

少し寝たら、ちょっと元気になりました。


少しだけですが、再開します。



 

【722】

中断2  評価

さオ (2016年03月20日 11時39分)



すみませんが、今日は一旦ここまでにしますー 

また明日書きに来ます。 

それでは〜





あっし:

コピペってるだけだけど、けっこうしんどい(眠)


毎日は無理かもしれないけども、始めた以上は最後まで必ずたどりつくので

気長によろしく。 ギャハハハ

いつになるやら笑


寝よw


 
【721】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 38  評価

さオ (2016年03月20日 11時34分)




俺は、何をやってるんだ。 

明らかに不機嫌な態度をとってしまった。 

奈央は別に何も悪くないのに。 


俺はただ、奈央が羨ましかった。羨ましくて、悔しかった。 



 
屈託なく「バレーが好きです」と言い切れる奈央が、羨ましかった。 

俺にとってバレーは「好きだった」ものに成り果てていたから、 

今を楽しくバレーができる奈央が、羨ましくて、一緒に居られなかった。 


そして相変わらず、腰からはあの鈍い痛みを感じた。 

たった一瞬、奈央と対人をしただけだったのに。 

部屋に戻ってからも、奈央のバン、バン、という壁打ちの音はしばらく聞こえた。 


俺はその後、夕飯の時間まで部屋に篭って勉強に没頭した。 

奈央についてしまった悪態も、バレーのことも、これからの事も、何もかも忘れたかった。 



 

【720】

夢を捨てた俺に忘れない夏が来た 37  評価

さオ (2016年03月20日 11時33分)




俺「奈央さんは…バレーがすごい好きなんだね」 

奈央「はい、好きです!…できたら、ずっとみんなでバレーしていたいです」 

照れ隠しなのか、奈央はちょっと苦笑いだった。 


奈央「1さんは、バレーやめちゃったって言ってましたけど…」 

奈央「大学に行ったら、きっと続けるんですよね」 

奈央「きっと、上手いだろうし」 




「あ……」 


瞬間、言葉が詰まって何も言えなくなる。 

奈央の言葉が俺の胸に突き刺さって、じんじんと痛みを感じるくらいだった。 

どうしよう、なんて答えればいいのだろうか。 



俺「もう、バレーはやめたって言ったじゃん」 

奈央「え…?」 

俺「ごめん、俺先に家の中に戻ってるね。」 

戸惑う奈央をよそに、俺は急いで家の中へ戻って2階へと駆け上がった。 


 

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