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【1555】

RE:ぶくぶくぶくなんな?

lovelove0418 (2007年06月15日 00時42分)
むかし、むかし、人里離れた山奥に、年老いた母と暮らす貧しい男が居りました。
長い年月、男は誰にも心を開かず、自由を求めて暮らすうち、
自分が歳をとってしまったことに気がつきませんでした。
男は、痩せた土地を耕して、その日暮らしをしておりました。
けれども男は、そんな気ままな生活に満足しておりました。

有る日、そんな男の家に、傷ついた子狐が迷い込みました。
男は、その子狐を優しく優しく介抱しました。
ささくれ立っていた男の心に、いつしか温かい風が吹き込みました。
子狐の傷が癒える頃、男は痩せた土地を耕すことも忘れ、日がな一日、子狐と野山を歩き、遊んで暮らすようになりました。

月日が過ぎ、子狐はだんだん、大人になっていきました。
そして時折、ひとりで出歩くようになりました。
時には、狩りをして、お土産にねずみや、野うさぎを銜えて帰ってきたりもしましたが、山へ遊びに行った狐が家にもどるまで、男は、心配で心配でたまりませんでした。

やがて男は、子狐を山に返さなければいけない時を恐れるようになりました。
狐の居なくなる寂しさを恐れ、男は何も手につかない毎日を送るようになりました。
痩せた土地はさらに荒れて、明日、食べるものさえ、なくなりました。
それでも、男は荒れた土地を耕そうともせず、狐の居なくなる日ばかりを恐れておりました。

ある日、いつものように山へ遊びに行った狐がなかなか戻らず、男は不安と心配で、年老いた母が作った僅かな米で出来た粥さえ喉を通らぬまま、夜も眠れない日々が続きました。

数日後、狐は若い大きな狐と山から降りてきました。
二匹は男の前でじゃれあうようにして、また山へと消えていきました。
男は、可愛がっていた狐と、大きな若い狐とが楽しそうに走り去っていった山の影が消えてしまうまで、いつまでも、ただじっと、山を見つめておりました。

月が山に影を作り始める頃、男は自分の細く頼りない影に気がつきました。
男は、その影を見て始めて、老いというものを感じてしまいました。

次の日、男は何事もなかったかのように、また痩せた土地を耕しはじめました。
痩せた土地は、年月と共に肥え、次第に男と年老いた母に豊かな実りを与えてくれるようになりました。

けれども、男は、二度と笑わなくなりました。
そして、傷ついた小鳥でさえ、拾い上げることすら、しなくなりました。

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つづき  評価

lovelove0418 (2007年06月15日 02時06分)

男の心から、狐の去った寂しさが消えかかっていたある日、3頭の子狐を連れた親狐が、山から降りてきました。

狐の親子は、男の傍らでじゃれあいました。
畑の手を休め、男はその様子を、黙って、ただじっと見つめておりました。

仲睦まじい親子狐の姿をみているうちに、やがて、男の目から、一粒の涙が零れ落ちました。
男の心に、いつかの温かい風が吹き始めました。
男は親狐の側に跪き、背中を優しく、優しくなでてあげました。

男の心に吹きはじめた温かい風は、氷のように硬く閉ざしていた男の心の扉を開き始めました。
男のその開いた扉の中からは、薄桃色の花びらが溢れんばかりに舞い散り、男の目から溢れ始めた涙は、今では肥よくになった畑に吸い込まれ、そこからは何百もの青い芽が、いっせいに吹き出しました。


暫くすると、男の姿はどこにもありませんでした。
男が跪いて、親狐の背中をなでていた辺り一面には、果てしなく広がるれんげ草があるだけでした。

そして、そこには親狐と、無邪気にじゃれあう3頭の子狐の姿が有るだけでした。

痩せた土地を肥よくな土地にするために、むかしむかしから、れんげ草の種を撒くのは、こんな悲しいお話があったからなのかもしれません。


☆へんしう

花言葉は
「心が和らぐ」「私の苦しみを和らげる」「感化」
【1556】

RE:ぶくぶくぶくなんな?  評価

ジグティー (2007年06月15日 00時40分)

なんか悲しいお話だね・・o( _ _ )o ショボーン

らぶちゃん、PCメールの写真見て寝てね。
ジグももっかい見てから寝るです。

おやすみ〜ノシ
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