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RE:≪マリー☆ルイーゼ≫  評価

カンパチ・環八 (2017年02月02日 21時15分)

(4)


スカーレットとマリー・アントワネットがダブってしまうのはなぜなのかを、書いとこうかな、と思って。

マリーは、たまたま、王侯貴族の家に生まれた平凡な女の子であり、

貴族社会のしきたりや慣習といった『常識』を、何の疑いもなく身につけ、

たまたま、フランスの王家に嫁いで、王妃になっちゃったわけですが、

フランス革命という歴史的大事件に巻き込まれ、

自分が属している貴族階級の危うさや社会情勢を次第に知っていくうちに、

人としての尊厳を理解し、

しかし、自分には、たまたま置かれた立場のために、

破滅(彼女の場合は、処刑)への道しか残されていませんでした。

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「不幸のうちに初めて人は、自分が何者であるかを本当に知るものです」

という、半ば誇りやかな、半ばうち驚いたこの言葉が、

突然彼女の驚いた口から洩らされる。

まさにこの苦悩によってこそ、

彼女の些細な平凡な人生も実例として後世に生きるところがあるという一種の予感が、彼女を襲う。

そしてこのような一段と高い責務の自覚によって、

彼女の性格は自分自身を超えて成長する。

はかない形が崩壊する直前に、

芸術品、永続的な芸術品が実現する。

最後の最後の瞬間に、平凡人マリー・アントワネットは、

ついに悲劇の域に行きつき、その運命と同様に偉大となるからである。

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スカーレットは、たまたま、奴隷制のアメリカ南部の貴族の家に生まれた平凡な女の子であり、

南部貴族社会の「常識」の中で、割と普通に育ちます。

そして、マリーがフランス革命に巻き込まれたように、

スカーレットは、南北戦争に巻き込まれていきます。

そこに、レット・バトラーという、不思議な人物が現れ、

スカーレットに、南北戦争中のアメリカ内部の様々な矛盾を教えていきます。

まだ第2巻目なので、今後二人がどうなっていくのかわかりませんが、

今のところ、バトラーは、スカーレットの視線を、

現実離れした貴族社会から、矛盾に満ちた現実社会へと向けさせる先導役、としての人物設定がなされているような気がします。

南北戦争の進行とともに、南部の貴族社会は、確実に没落し、破滅へと向かうのですが、

当然のことながら、マリーと違って、処刑されるということにはなるはずもないので、

ならば、スカーレットは、どういう風に現実社会の問題に気づき、

どう向き合うことになるのか。

第2巻目の前半部分でのバトラーとスカーレットの会話。

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「前に、君に言ったことがあったね。 

巨万の富を手にする機会は二度ある。 

一つは建国の時、一つは国の崩壊する時だ、と。

 建国の時は、徐々に金ができるが、一獲千金は崩壊の時だ。

 僕の言葉を覚えておくことだ。 

いつか君の役に立つかもしれない」

「結構な忠告をありがとう」

スカーレットは、せいぜい皮肉に聞こえるように言った。

「でも、せっかくのご忠告だけれど、それには及ばないわ。 

あたしの父を貧乏だとでも思っているの?。 

父には、あたしが必要とする財産くらいはあるし、

 そのうえ、あたしにはチャールズ(スカーレットの夫。すでに戦死)の遺産もあるわ」

「フランス革命当時の貴族どもは、 いよいよ死刑囚護送車に乗り込むまで、 

それと同じようなことを考えていたようだ」

ーーーーーーーーーーーーー

バトラーに、これだけのことを教えられても、

スカーレットは、まだ、ピンと来ていません。

ま、とにかく、「風と共に去りぬ」は「マリー・アントワネット」と相通じるものがあるような気がします。

とりあえず、ここまで。
【4】

RE:≪マリー☆ルイーゼ≫  評価

カンパチ・環八 (2017年02月01日 21時40分)

(3)

「風と共に去りぬ」は、2巻目に入りました。

スカーレットとマリー・アントワネットがダブって見えて、しょうがないです。

シュテファン・ツワイク作『マリー・アントワネット(岩波文庫)』が、

ものの見事に描いて見せた、マリー像にそっくり。

(ちなみに、この作品に感銘を受けた池田理代子が、漫画『ベルサイユのばら』を描きました)

まだ2巻目なんで、

この先、スカーレットがどう変わっていくのか分かりませんが、
「マリー像にとらわれないようにしなきゃな」と思ってるとこです。
【3】

RE:≪マリー☆ルイーゼ≫  評価

カンパチ・環八 (2017年02月01日 00時38分)

(2)

僕は、「風と共に去りぬ」を読み始めたばかりですが、僕が気に留めた部分を、ちょこまか、抜き書きしていこうかな、と思います。

現時点において16歳のスカーレットの性質については、すでに書きました。

スカーレットの両親の生い立ちが、書かれてますが、
母親、エレンについて。
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しかし、誰にも語らぬ秘密が一つ彼女には秘められていた。
それは、、彼女より28も年上のジェラルド・オハラ(スカーレットの父)が彼女の人生に立ち現われた年であり、

そしてまた、彼女の青春と、黒い眼をした青年、いとこのフィリップ・ロビヤールが彼女の人生から消えてしまった年でもあった。

きらめくような目と気ままな性格を持つフィリップは、永遠にサヴァナを去った時、エレンの胸に育まれた情熱まで持って行ってしまい、

後に残されたのは、美しい彼女の抜け殻だけだった。

がに股で小男のアイルランド人(ジェラルド)は、この抜け殻と結婚したのだ。
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スカーレットの母親は、愛されるということを知らずに、スカーレットの父親と結婚した、ということです。

彼女は、フィリップを好きにはなりました。

ただ、人を好きになる、ということと、愛するということは、全く逆の心理現象です。
人を好きになる、ということは、その人に愛されたい、甘えさせてほしい、という願望が強くなった、ということです。

そして、その人に愛されるためにはどうすべきか、と、さまざまな策略を練ることに頭を悩ますことになります。

一番簡単なのが、ラブレターということになりますか。

とにかく、相手の気を引くために必死になります。

相手の視線を自分に向けさせようとしますが、たいがい、失敗に終わります。
理由は、簡単です。

相手も、「愛されたい」と願っているのであって、「あなたを愛します」なんて、みじんも思っていないからです。

相手が、「うん」と言うとしたら、「あなたは、私を愛してくれる」という確信を持った時です。

厳しい。

というわけで、

失恋とは、愛されたいという願望が破たんしたということです。

スカーレットの母は、破たんし、抜け殻になった状態の時に、スカーレットの父と、いわば、破れかぶれの気持ちで結婚し、子を産んだ、ということになります。

現代では、人を好きになっては、破たんし、抜け殻になっては立ち直り、また誰かを好きになる、

ということを、

つまり、「恋愛」を、何度でも繰り返せますが、
この時代では、そうはいきませんでした。

抜け殻になった状態で、屁とも思わぬ相手と、「お家の事情」で結婚させられたら、その人の人生はどうなるか。

生まれてきた子供を愛せるか。

難しいところです。

スカーレットは、そういう母のもとに生まれた、ということです。
【2】

RE:≪マリー☆ルイーゼ≫  評価

カンパチ・環八 (2017年02月01日 00時32分)

(1)

昨日から読みだしてるのは「風と共に去りぬ」です。

いつかは、読むか観るかしなきゃ、と思ってたんですが、
何しろ、長いので、なかなか手につきませんでした。

マキャベリと違って、読みやすいので、
もう100ページ近くになりました。
登場人物が、だれもかれも、攻撃的で、怒りっぽくて、プライドが高い。

主人公スカーレットからして、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
スカーレットは、生まれつき、
どんな男にしろ、自分以外の女に心を寄せるのを黙って見過ごすことことができなかった。

だから、インディア・ウィルクスとスチュアートが
親しそうにその集まりに出席しているのを見ると、
すぐに略奪的な本性を高ぶらせた。

そして、スチュアートだけでは満足せず、
ブレントの心までも支配しようとし、
ついに完全に二人とも征服してしまったのだ。

(スチュアートとブレントの母親は、こう言います)
「あのいたずら娘が、もし、おまえたちのうち、どちらか一人をだけ愛するとすれば、
 それは、お前たちに当然の天罰というものだよ。

 気になるのは、お前たちが、
 あの碧(あお)色の目の腹黒い小娘にのぼせ上って
 嫉妬しあい、ピストルの撃ち合いでもしはしないかということだけど、
 でも、まあいいさ、それも悪くはないだろうよ」

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救いがたいナルシスト。
ただ、作者は「生まれつき」と言ってますが、
それは誤りだと思います。
育った環境が原因だと思います。

スカーレットの父母の生い立ちを見ると、
どっちもナルシストで、
母は、おそらく、潔癖症。境界性パーソナリティーってとこ。
父は、間違いなく、サイコパス。

こんな両親のもとで育ったら、
最低、自己愛性パーソナリテイになるわな。

攻撃、怒り、プライド、そして、反撃。
その行き着く先は、破滅か、
そうでなければ、神の光に包まれ、愛を知るか、どっちかです。

は〜、先が思いやられる。

この時代は、奴隷制の時代。
即ち、支配・隷属の時代。

支配する方も、支配される方もナルシステイックになってしまう時代。

というか、ナルシズムが支配・従属社会を作り上げるのです。
会社や役所の上司・部下の関係と同じです。
言い換えれば、
人間関係が、愛情よりも計算で成り立つ時代。

もっとどぎつく言えば、「奪ったもん勝ち」。

成功者というのは、計算高く、奪い続けることに成功した者のことを言うのです。
「あいつと付き合うのは、
 (出世(=成功)するうえで)損か得か。
 得なら付き合ってやろう。損なら切り捨ててやる」
上昇志向、というのは、そういうことでしょう。

いったい、人間は、いつからこうなってしまったんでしょうか。
貨幣経済が始まってからなのかな。

「風と共に去りぬ」か。
この作者の洞察力って、すごい。

で、この作品が公開された時、
世界中で共感された、ということは、何を意味するのでしょう。
【1】

RE:≪マリー☆ルイーゼ≫  評価

カンパチ・環八 (2017年01月31日 05時59分)

当面は、僕の落ちトピの中から、気に入ったレスを拾っていこうと思います。

まずは、何と言っても、「風と共に去りぬ」
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