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【158】

コピペ 39‐2 彼女のお守り

真比呂 (2009年02月27日 22時03分)
652 :649 :04/05/16 18:23 ID:aQPXgC2a

ある日、海外出張からの帰り、成田で携帯の電源を入れた
とたんに同僚から電話があった。彼女が亡くなったと言わ
れたとき。全身の力が抜けた。みみの奥がキーンと鳴った
のを覚えている。交通事故だった。事故直後は、意識もあり、
たいしたことはないと思われたらしいが、内臓からの出血が
あり、急変したとのことだった。

現実のこととは思えずに、なぜかあまり、涙もでてこなかった。
職場の何人かで、葬儀の手伝いをした。そのとき初めて知っ
のだが、母子家庭だった。お姉さんもいるが、施設に入って
いるとこのことだった。彼女が大黒柱として家族を支えていた
のだ。彼女を軽率にからかったりしたこと恥じた。とても申し
訳なくて気が狂いそうだった。

葬儀の後、帰ろうとしていると、彼女のお母さんに呼び止めら
れた。渡したいものがあるから彼女の実家にあとで一緒に来
てほしいと言われた。貸していた本のことかな?と思いつつ
彼女の母親と実家に向かった。

母親は、道すがら、彼女は大好きだった父親が出て行ってから
男の人が嫌いになったこと、誰にも頼らないで自分の力で生き
ていこうと誓ったこと、土日はあまり健康でない母親と、施設の
姉の世話をしていたことを話してくれた。自分の子供とは思えな
いほどがんばりやだったと。

653 :649 :04/05/16 18:24 ID:aQPXgC2a
家に着くと、彼女の部屋に案内された。きれいに片付いていた、
というより女性の部屋とは思えないくらい何も無かった。ただ、
専門書とノートがたくさんあった。母親は、彼女がいつもおいら
の話を楽しそうにしていたこと、おいらのことが大好きだったけど、
おいらの子供たちを自分のように悲しませることになるといけな
いと思い黙っていたこと、彼女が意識を失う直前に、おいらに会
いたいと言っていたことを話してくれた。机のすみにおいらと写っ
たプリクラが貼ってあった。声を出して泣いたのは、大人になっ
てから初めてだった。

帰るとき、彼女が亡くなったとき身につけていたネックレスと、
いつも持ち歩いていたお守りを形見にもらった。そばにおいて
やって下さい。と言われた。ネックレスは母親が就職記念にあ
げたものだった。ただ、お守りのほうはどう手に入れたか分か
らないということで受け取るのはちょっと気が引けた。
でも、彼女がとても大切そうににしていたのを知っていたので、
受け取ることにした。お守りの中を開けてみようとも思ったが、
やめた。

それからすぐ転職をした。一年後、ようやく少し落ち着いた。
形見のお守りは、いつも彼女がしていたようにかばんにつけて
持ち歩いていた。先日、職場の女の子が、
「これ前から気になってたんですけど、何が入ってるんですか?」
といい、かばんのお守りを開けてしまった。とめる間もなかった。
というより、そういったときはもう中身を取り出していた。彼女は、
突然、なにこれー?といって大笑いを始めた。

お守りの中には、チョコエッグのカメが入っていた。

おいらは、もう、職場にいることも忘れ、ただただ泣き続けた。

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コピペ 40 彼女の遺言  評価

真比呂 (2009年03月02日 18時42分)

568 名無しさんの初恋 2005/08/28(日) 07:27:20 ID:kjzzLB0c

   長くなるけどネタの様なホントの話。
   大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいました。
   仲良しで、でも二人だけの世界を作ってるわけじゃなく、みんなと仲良くしてました。

   私は女の方の一番の友達だったんだけど、彼氏とも仲良くしてたわけです。
   大学を卒業しても交流があったし、何度か会った時も二人は一緒で、
   本当に仲良しだなァって思ってたわけです。最後に3人で会った時、
   「結婚しないの?」って聞いたら、「うん、まあね…。」とお茶を濁す様な返事。

   その後、彼女が病気だった事がわかって入院して、
   彼は仕事の行きと帰りに欠かさず彼女のお見舞いしてました。私も何度も行きました。

   病名は水頭症(脳腫瘍の一種?)でした。
   結局、治療も空しく、彼女はこの世の人ではなくなってしまったんです…。
   私たちが25歳の夏でした。

796 名無しさんの初恋 2005/08/28(日) 07:27:59 ID:kjzzLB0c

   お通夜と告別式の手伝いに行った時、喪服を着てチョコンと座ってタバコを吸っている
   彼に、 「…、なんて言って良いか、わかんないよ…。」と泣きながら私は言いました。
   すると彼は、

   「そうだね。でも、これでアイツが他の誰の物にもなら無い事が決まったしね。」
   と、ニッコリと笑顔で言いました。私は耐えられなくて号泣。

   それでも彼は殆ど無表情で、まあまあと私の肩を抱いてくれました。
   出棺の時、「これが最後のお別れです。」って式場の人が言った途端、
   彼は耐え切れなくなって、崩れるようにボロボロと涙を流し始めました。

   子どもの様に、大きな声をあげて。
   その姿を見て、またしても私は号泣でした。

797 名無しさんの初恋 2005/08/28(日) 07:28:30 ID:kjzzLB0c
   
   数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。見て欲しい物があるって。
   それは彼女が昏睡して意識を失う前に書いた、最後の手紙だったんです。彼が、
   「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ。』って言ったんだ。
   そうしたら、アイツは『病気が治ったら結婚届けを出そうね。』って言ってた。
   俺は『間違いなく治るからさ』って励まして、役所に行って結婚届け貰ってきた。
   でも俺は本当はもう無理だって知ってたんだ。でも励ましたかったんだ。
   アイツが死んだ日に、アイツのお父さんが黙ってこれを渡してくれた。」

   と言って、私に手紙を渡してくれました。
   中には見慣れた彼女の筆跡でこう書いてありました。

798 名無しさんの初恋 2005/08/28(日) 07:29:57 ID:kjzzLB0c
   
   「うそつき。でも凄く嬉しかった。本当にそうなったらなって何度も思いました。
   私にはあなたの代わりはもう見つからない。だから私はずっとあなたの物。
   だけどあたしの代わりはいるんだよ。気にしないで良いからね。
   落ち込んだあなたを、きっと一番励ましてくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから。
   その人にこの手紙を見せてあげて下さい。本当にありがとうございました。じゃあね!」
   って。

   私はその手紙を見て、人前なのにまたしてもボロボロに号泣してしまって。
   彼が、「それは多分、君の事なんじゃないか?」って。

   うん。私は前から彼が好きだった。

   あれからずーっと引きずってる彼と仲良くして4年。
   今度結婚します。
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