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【3389】 | 美人姉妹物語 −第九話ー お宝命 (2007年10月26日 15時42分) |
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第九話 辰三の裏切り 例によって、浪速屋の女房さくが、店に駆け込んできた。 さく :おまえさん、大変だよ。 浪速屋:なんだい、騒々しいねえ、いつもいつもおまえは。 さく :それどころじゃないんだよ。筑前屋が網元のししゃ衛門に圧力をかけて、上の娘の嫁入りを承諾させたらしいんだ。 浪速屋:そりゃ、大変だ、すぐ手を打たないと。 さく :私にまかせてよ、いい手があるんだ。 浪速屋:どんな手だい。 さく :下の娘と仲のいい漁師で金に弱そうなのがいるんだ。そいつを買収するのさ。 浪速屋:なるほど、それで密かにさらっちまうよいう訳だな。 さく :十両もつかませれば、イチコロさ。姉妹揃っていただきだ。 浪速屋:さく、じゃあまかせたよ。 さくは、辰三に狙いを定めた。こういうことに関しては天才的な悪知恵を発揮するさくであった。 さくが待ち伏せしていると、辰三がやってきた。 さく :おや、あんた辰三さんだね。 辰三 :へえ、そうですが。 さく :実は折り入って話があるんだよ。 辰三 :なんですかい、おら忙しいだ。 さく :つあって娘に関する重大な話なんだけどね。 辰三 :ええっ さく :聞く気がないならいいさ。 辰三 :ちょっと待ってくれ。 さくは、辰三を茶屋に連れて行き話し出した。 さく :辰三さん、つむという娘が筑前屋さんに嫁入りする話は聞いているよね。 辰三 :ああ、きいてるだ。 さく :あれは、筑前屋のはかりごとだよ。 辰三 :筑前屋さんのはかりごと? さく :狙いはつあという娘で、お代官がつあを狙っているのさ。 辰三 :なんだって。 さく :先ず、つむを嫁にもらっておいて、隙を見てつあに近づきお代官に献上しようという筋書きさ。 辰三 :そんな、おらのつあちゃんが・・・ さく :だから私が手を貸そうというのさ。 辰三 :でもどうして、あんたが? さく :そんなことされたら、こっちも都合が悪いのさ。 辰三 :へえ? さく :辰三さん、それで作戦を授けるから二人を連れて浪速屋に来て欲しいんだよ。 辰三 :二人を連れてかい さく :作戦は二人に直に話さないとわからないだろう。それともおまえの大事なつあがお代官の慰めものになってもいいのかい。 辰三 :それだけは絶対いやだ。 さく :じゃあ、明日の晩に二人を連れて来るんだよ。くれぐれも筑前屋の手の者にみつからないように。 辰三 :明日の晩けえ、わかった さく :何かと金がかかるだろうから、これを使っておくれ。 そういって、さくは辰三に十両渡した。 辰三 :こ、こんなに沢山いらねえだ。 さく :余った分は、あんたに上げるよ。手間賃だ。 辰三 :ほんとにええのけ、すまねえだ。 大金を手にした辰三は、すっかり騙されているとも知らずに、浮かれ気分で家に帰っていった。 つむとつあに絶体絶命の危機が迫る。ほくそ笑む浪速屋。 次回の展開やいかに。乞うご期待。 |
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【3395】 |
三宮すろったー (2007年10月26日 16時42分) |
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これは 【3389】 に対する返信です。 | |||
お宝さん 10両って、すげー大金じゃ・・・。。<がんばれ三吉っ!!> サクラさんとのやりとり、めっちゃおもろいんですけどーww |
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