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【12】

RE:たくけん

順目まどか(L) (2024年02月03日 20時55分)
今回のお勉強
入門民法から「物件」と「担保制度」

ややこしそーなとこ…ってかおおまかな内容



*抵当権

債権者が債務者にお金を貸す際に不動産を担保にする際に…

抵当権設定者→債務者
抵当権者→債権者
つまり抵当権を実際に設定するのは債務者。…だが後述の登記は債権者が行う必要がある


被担保債権→担保権(ここでは抵当権)により保護されている権利
目的物→実際に担保となっている不動産

抵当権の設定も契約の1つなので、書面での契約は不要
抵当権の設定は不動産に対してのみ

債務不履行があった場合は抵当権者は抵当権を実行して目的物を競売にかけ、その代金を他に債権者がいた場合でも優先して弁済に充てることが出来る。
まあ、なるほどねって感じ。



*物件変動と対抗要件…

まず、
登記→登記簿に不動産の表示や権利に関する記録をすること、またその記録

で、
当事者間で売買契約が締結されたなら、特約のない限りはただちに所有権が売主から買主に移るが…

例えばAが所有する不動産をBに売った後、Aが同一の不動産をCに売った場合、






はあ?






BとCは互いに自分が締結した契約の第三者となるが、物権変動は登記を備えなければ第三者に対抗できない。
ただしその第三者が「背信的悪意者」であった場合、登記の有無に関わらず他方に所有権を主張できる。


つまり…
・BがAから不動産Xを買った後、Bが登記をする前にCがAからXを買った上で登記を備えたなら、CがXの所有権を主張できる。
・BがAからXを買った後、Bが登記をする前に「その事実を知っていた」Cが「例えばBに高額で転売しようとする等の目的により」Xを買った上で登記を備えたなら、BがXの所有権を主張できる。(C→背信的悪意者)

注意しなければならないのは、Cがただ単に「その事実を知っていた」だけならば単なる悪意者であるので、所有権はCが主張できるという点。





いやいやいや!2重に物を売るって行為自体がおかしいやん!と思って調べると…
例えばAがBにXを売った後、Cが「もっと高値でXを買うよ」と言い、AがBよりもCとの契約を優先させたい場合、
Bが登記を備えて「Xは自分のものだ!」と主張するまでの間、AはXに関して他者に自由に二重譲渡しても良い。





ただし、Bは契約を反故にされた訳だから、Aに対して契約の解除と損害賠償の請求をする事が出来る。

そりゃそうだ。当然っちゃ当然だけど。
一言そう書いてくれるだけで混乱する人が少なくなると思うんだけど…



*抵当権その2

物上保証人→他人の債務のために自らの不動産に抵当権を設定した者
要は保証人…人自身が担保になるか人の所有物が担保になるかってだけの話


付従性→抵当権により担保されていた債務が消滅したならば、同時に抵当権も消滅する。
これはこの後も出てくる…まあ当然の話。


物上代位性→目的物が何らかの理由で消滅した場合、もしその目的物に保険金がかけられていたならば、抵当権者はその保険金を差し押さえて債権の弁済に充てることが出来る。
ただし差し押さえは保険金が債務者に支払われる前でなければならない。



法定地上権→Aが所有する土地と建物に抵当権が設定された後、競売によりBが土地、Cが建物の所有権を取得した。
CはBの土地の上に建物を所有する形になり、一見すると問題があるように見えるが…

1、抵当権設定時に土地と建物が存在し、
2、またその土地と建物の所有者が同一人物であり、
3、抵当権の実行により土地と建物の所有者が別々になる

と、Cの建物には法定地上権が認められ、存続を認められる。
色んなケースを想定しなきゃいけないから法律作る人って大変だなあ…


続く

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【25】

不動産物件変動   編集  評価

順目まどか(L) (2024年03月17日 20時53分) ID:HcEzXuFk

▽不動産物件変動
今回1番の面白ポイント…以前やった二重譲渡絡みの話

まずおさらい…
売主Aが買主Bに目的物Xを売却する契約を結び、さらにAは買主Cと売買契約を結んだ
この時BC間は対抗関係にあり、先に登記を備えた方が所有権を主張できる…が、一方が背信的悪意者だったならば他方が所有権を主張できる

これはつまり、AがBとC両方に対してXを引き渡す債務があるということ…これが二重譲渡の前提



で、こっから…例えば、
Bの詐欺行為によりAがBにXを売り、BがCに転売した後、Aは詐欺を理由にAB間の契約を取り消そうとしたとする。
この時、Cが善意無過失であればAはCに対抗することが出来ない…上でやった内容と同じこと。


では、Bの詐欺行為によりAがBにXを売り、Aが詐欺を理由にAB間の契約を取り消したが、その後でBがCにXを売却したならば?
この時、Bは「Aに所有権を復帰する義務」と「Cに所有権を移転する義務」を有するので、二重譲渡と同視することが出来る
すなわち、AC間は対抗関係にあり、先にXの登記を備えた方が所有権を主張することが出来る…
ここではCが善意か無過失か、そういうことは一切関係が無くなるということ。なるほどなあ…


これは例えば債務不履行などを理由に契約を解除するときも同様で…要は契約が無くなった『後』に第三者に譲渡される形になった場合は、二重譲渡の形になるので対抗要件が登記になるということ。



注意点として…他人の土地建物を長期間実質占有すると取得時効が認められる、というのも以前やったけど、例えば…

・A所有の建物をBが占有して取得時効が完成し、その後AがCに建物を売却した。
→AはBとCに対して建物を引き渡す義務が発生するので、BとCは登記を先に備えた方が所有権を主張できる

・A所有の建物をBが占有している中、AがCに建物を売却し、その後Bの取得時効が完成した。
→Bは当該建物の所有者に関係なく建物を占有して取得時効を有しているので、Bは登記に関わらず所有権を主張できる。


他にも色々例があるけど、イメージさえ掴めれば応用は効きそう…かな?


さらにつづくのだ
【24】

抵当権、保証債務   編集  評価

順目まどか(L) (2024年03月17日 20時51分) ID:HcEzXuFk

▽抵当権
おおよそ以前やった内容と同じ…新しいとことおさらいした方がいいとこだけ

・抵当権の効力の及ぶ範囲

例えば土地建物に抵当権が設定された時、その後増築した部分やその建物自体の一部(畳や建具など)は当該抵当権の効力の範囲内
逆に抵当権に設定されているものの内から、庭木や畑から実る作物(天然果実)やそれらの利用の対価として得られる金銭(法定果実)は効力の範囲外
そも抵当権は『抵当権設定者が目的物を自由に使える』事を前提としているので、そこから生み出される利益は抵当権設定者のものである、ということ



・抵当不動産の買主の保護

せっかく買った建物に抵当権が設定されていて、競売にかけられそうだやばいよやばいよ…って時に出来ること

1,第三者による弁済
→買主が抵当権設定者の債務を肩代わりする…でもそんなこと普通しないのであまり現実的ではない

2,代価弁済
→抵当権者が買主に対して、「いくら払えば抵当権を消滅させますよ」と提案すること

3,抵当権消滅請求
→買主が抵当権者に対して、「いくら払うので抵当権を消滅させてください!」とお願いする事。色々ルールはあるけど今日のところは割愛



・抵当不動産の借主の保護

基本的に賃借権と抵当権は早いもの勝ちだけど、後から借りた人を保護するルールがいくつか…

1,抵当権者の同意を登記した賃借権の対抗力
→抵当権よりも後に登記した賃借権は、すべての抵当権者の同意があり、かつ同意の登記があるならば、抵当権に対抗できる

2,引き渡しの猶予制度
→抵当権者に対抗できない賃借人も、競売から6か月を経過するまでは建物の引き渡しを猶予される

まあ…ふーんそうなんだって感じ




▽保証債務
ここは……………以前やった内容とほぼ同じだし特に見直すところもないかな…
1個だけ、売買や抵当権の設定等は当事者間の意志が一致さえすれば契約が成立する(諾成契約)けど、保証契約は書面が必要(要式契約)ってとこだけ。忘れてたんで。



とりま以上〜
どんな感じなんか身構えてたけど、前にやった内容のちょい発展だったから掴みやすくて良かった…
来週もこんな感じならとりあえずなんとかなるかな?

でも今回のまとめは…
ユーモアが足りないな、ユーモアが!←

おわり
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