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【96】

寿命を買い取ってもらった その9  評価

綺華 (2014年11月21日 12時15分)



(その1は、【88】)



女店員はシステムの詳細を教えてくれた。

本当は教えちゃいけないらしいんだが、

あんまりにも俺がしつこかったんだろうな。


特にショッキングだった情報は、一万円というのが、

寿命一年あたりの最低買取価格だったってこと。


ようするに、俺の人生は限りなく無価値に近いってことだ。

幸せになれず、また誰一人幸せにできず、

何一つ達成できず、何一つ得られないらしい。



「問題がなければ、こちらにサインをお願いします」

女店員がしびれを切らしたように言うが、

これを見て問題がないって言うやつがいたら、

そいつは脳の病院に行った方がいいと思うぜ。



だがその頃には俺の感覚は麻痺しちまっててさ、

自分の物や時間を安売りするのに慣れ過ぎてた。

で、ヤケになって、こう答えちまったんだ。


    「三か月だけ残して、あとは全部売ります」


 
 

【95】

寿命を買い取ってもらった その8  評価

綺華 (2014年11月21日 12時13分)



(その1は、【88】)



査定結果を見て、俺は変な声をあげちまった。

    一年につき一万円? 余命三十年?

ブックオフだってもう少しまともな値段をつけるぞ。

カメか何かの結果と取り違えたんじゃないのか?

でも、そこには確かに俺の名前が書いてある。



「これ、何を基準に決められてるんですか?」

俺はそう言いつつ査定表を女店員に見せた。


「色々です」と彼女は面倒そうに答えた。

「幸福度とか、実現度とか、貢献度とか、色々」

多分、こういう質問に飽き飽きしているんだろうな。




 
 

【94】

寿命を買い取ってもらった その7  評価

綺華 (2014年11月21日 12時12分)



(その1は、【88】)



駅前の広場に行って、煙草に火を点け、

最後の一本を時間をかけて味わった。

煙草もそろそろやめなきゃな、と思う。

金食い虫だし、健康にもよくねえからな。


近くで鳩に餌をやっている老人がいたんだが、

それで食欲が湧いてしまう自分が情けなかったな。

もうちょっとで鳩と一緒に地面をつっつくとこだったぞ。


寿命、高く売れるといいなあ、と思った。


駅で時間を潰した後、俺は少し早めに店に戻り、

ソファでうたた寝しながら査定結果が出るのを待った。

二十分ほどして、俺の名前が呼ばれた。


妙だよな。俺、一度も名乗った覚えはないんだよ。



 
 

【93】

寿命を買い取ってもらった その6  評価

綺華 (2014年11月21日 12時10分)



(その1は、【88】)



一連の出来事で神経がまいっていたのか、

俺はもう考えるのが面倒になって、「寿命」と答えた。


「二時間ほどお時間をいただきます」と女は言い、

すでに両手はPCのキーボードをかたかた叩いていた。


おいおい、人の価値って二時間程度で分かっちゃうのかよ?

俺はあらためて店内を見回した。

なんていうんだろうな、眼鏡のない眼鏡屋、

宝石のない宝石店みたいな空間とでもいうか。


でも俺の目に見えないだけで、本当はそこら中に

寿命とか健康とか時間が飾ってあるのかもしれない。

なんてな。いつまでこの笑えない冗談は続くんだ?


 
 

【92】

寿命を買い取ってもらった その5  評価

綺華 (2014年11月21日 12時09分)



(その1は、【88】)



だが結局、俺はそのビルに向かうことになった。

CDも本も家具も、まったく金にならなかったからだ。


寿命を売るなんて話を信じたわけじゃない。

しかし、俺はこういう可能性を考えたんだよ。

爺さんや兄ちゃんが言っていたことは何かの比喩で、

実はものすごく割のいいバイトがあるんじゃないかって。


寿命を縮めるようなリスクを負う代わりに、

一か月で百万くらい稼げたりするとか、そういうの。


ところが、うす暗い階段を上がってドアを開け、

目が合った店員らしき女が、俺の顔を見るなり

「時間ですか? 健康ですか? 寿命ですか?」

なんて言ってくるもんだから、笑っちゃうよな。



 
 

【91】

寿命を買い取ってもらった その4  評価

綺華 (2014年11月21日 12時07分)



(その1は、【88】)



老いの恐怖でついにボケちまったかと思いつつ、

俺は話半分に爺さんの説明を聞くことにした。


つまりは、こういうことらしい。


ここからそう離れていないとこにあるビルに、

寿命の買い取りを行っている店が入ってるらしい。

そこでは時間や健康さえも売れるんだが、

寿命は特に高値で取引されてるんだそうだ。


爺さんは震える手で地図と電話番号まで書いてくれたが、

俺でなくたって、そんな話、爺さんの願望が作り上げた

空想に過ぎないって思ってしまうだろう。

ちょっとかわいそうに思ったね。死ぬの怖えんだろうな、って。



 
 

【90】

寿命を買い取ってもらった その3  評価

綺華 (2014年11月21日 12時04分)



(その1は、【88】)



古書店の爺さんは、俺が本を大量に売りにきたのを見て、

「一体何があったんだ?」って心配してくれた。

普段はそっけない爺さんだったから、意外だったな。


「紙はおいしくありませんからね」って俺が遠回しに答えると、

爺さんは心底同情したような目で俺を見つめた。

でも金はくれなかったな。向こうも貧乏だから仕方ないけど。


はした金を受け取って店を出ようとすると、

爺さんは「なあ、ひとつ話がある」と俺を引きとめた。

金くれんのかなーと思って「はい?」と戻ると、

言われたんだよ、「寿命、売る気ねえか?」って。


 
 

【89】

寿命を買い取ってもらった その2  評価

綺華 (2014年11月21日 12時03分)



(その1は、【88】)



二十歳の七月くらいの時の話なんだが、

その頃、俺はとにかく金に困ってた。


白米とみそ汁以外のものを口にしてなくてさ、

数日前、ウェイターのバイト中に三回ぶっ倒れて、

そろそろ栄養のあるものを食べないとまずいと思った。


金になるものといったら、家具、数十枚のCD、

それに数百冊の蔵書の他には考えられなかったな。


ほとんど中古品で、たいした価値はないんだが、

それでも一か月の食費くらいにはなるかと思って、

できるだけ新品に近付けようと入念に掃除して、

行きつけの古書店や楽器屋に売りに行ったわけだ。


 
 

【88】

寿命を買い取ってもらった その1  評価

綺華 (2014年11月21日 11時59分)



(その1は、【88】)





「自分の人生には、何円くらいの価値があるか?」

そんな質問をされたことがあったな。

確か、小学四年生の道徳の授業だったか。


大半の生徒は、きょろきょろ周りを見ながら、

最終的には、数千万から数億という結論を出してさ。

「お金では買えない」って考えを譲らない生徒もいたね。


大人に聞いても、似たような答えが返ってくるだろうな。

少なくとも俺は、実際に寿命を売るその日までは、

自分の人生は二、三億くらいの価値があると思ってた。



だから十年か二十年くらい寿命を売って数千万得て、

残りの人生を楽に生きるのが利口だと考えてたんだよ。


幸せな六十年とそうでもない八十年だったら、

前者の方が絶対いいに決まってるからな。



査定結果を見た時はひっくり返りそうになったぜ。

どうやら俺の一生、百万円にも満たないらしいんだよ。





 
 

【87】

RE:   メモ帳 代わりにご利用...  評価

愛魂 (2014年11月21日 11時56分)


いごさん

いつもどうもです。


ご報告ありがとうございました。




みなさま

おはようございまーす♪


本日はお休み。 天気いいし。 絶好のおでかけ日和。


どうしようかな、パチ屋いくか。 それとも、超ひさびさに、、、くんかくんかwいくか。


たまにはスーパー銭湯のサウナでまったりっていうのもいいかな。



とりあえずパチって。 それから銭湯で。 それから半額寿司買って、、、 一杯やるっていうのがいいかな、かなぁ。


わーい。 じゃあ、いってきまーす。




玄関で靴履こうと思ったら、、、、


あっしのスニーカー。 2足とも。 ない! ない! ない!!!!!


そういえば、母親もいないし。


あ、思い出した!


   靴汚れてるから、コインランドリーに行って洗ってきてやるよ(ありがたく思え!w)

   乾燥もできるみたいだよ。 

   明日休みだから、いいだろ? その後用事あるから、帰りは夕方になるけど。 いいよね?



昨日、母親は確かそんなようなことを言ってた覚えが。。。。

それに対し、あっしは。 


   はい、はい、はい、どうぞ、どうぞ、お好きなように。


って、テケトーに返事したなぁ。 ギャハハハハ




そっか。 靴ないじゃん。

まさか、革靴では行けないし。 普段着に革靴ではアンバランスで。

スーツ着ていくかwwww 

健康サンダルあるけども。 これも、なんだかこの時期に。 めっさボンビー感あるしなぁ。




まあ、仕方ないな。 パチンコあきらめて。 チンコいじりで我慢するかwwww


まあ、お下劣な。


もし、誰かカキコしてくださるならば。


挨拶は、、、


   ちんこいじってますか?



で、おなしゃす(爆




誰も来れないだろうな。 ギャハハハ




ちょと。 オモローなコピペ見つけたので。


順次、貼っていきます。


もし、お時間あれば読んでみてください。


絶対的にオモローです。 マジ保障します


また、人のふんどし借りて相撲とるわけですが。。。。 いいじゃないか。おもろければ。




では、しばしお待ちを。


 
 
 
 
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