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【79】

RE:リクエストに答えてドラゴンクエスト

ガメリンZ (2005年04月09日 21時23分)
ガメには幾つかの選択肢があった。

ひとつめは、家族に、客に侘びを入れ、元の場所へ帰る道。

ふたつめは、コンビニの単行本コーナーに置いてあるマンガのような、さすらいのスロッターになる道。

そしてみっつめは、命を絶つ道・・・・

死ぬにしても交通事故か何かで死のう、
そうでなければ保険も出まい。

そう思いつつ、ガメは今年何度目かのラオウ昇天を味わった。

3月9日、
この日もガメは強かった。
ムイムイはすぐに敵に勝利し、ミドルロング高確から何度もBIGを引いた。

ケンシロウもトキもレイも強かった。

警察は事件性もあると見て全国に通達した。
ガメは何も知らず、ホールを後にした。
その日も見知らぬ港に車を止め眠った。

自分はどこに向かっているのだろう?

とりあえず、東を目指そう。
どうしても逢っておきたい親しい友人がいる。
それが終わったら、死ぬのも悪くない、
そう思った。




3月10日、ガメはこの日も勝った。
3連勝だった。
当分困らない金額が出来た。

その日、久々にまともなものを食おうと思った。
思えばここ数日、ほとんどまともな食事をしていなかった。

場所は広島市内に近かった。
お好み焼きでも食おう・・・・
そう思いつつ、ガメは国道に出た。

そしてわずか30分後、ガメは検問に捕捉されていた。


日本警察の力は強力だった。
細かい仕組みは教えられなかったが、
ガメは車のナンバーから現在位置を知った警察に待ち伏せされたのだった。

警察は丁重にガメを扱った。
「あなたはもちろん犯人ではない、しかし、あなたを探している人たちがいます。
署までご同行願えますか?」

ガメリンは観念した。

逃亡は終わった・・・・

警察署で事情聴取を受けた。
家族構成を聞かれ、子供の歳を告げたとき、
涙が溢れた。

ガメは30分泣いた・・・・

警察は家族に連絡し、嫁が来るまでガメを保護することにした。

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RE:リクエストに答えてドラゴンクエスト  評価

ガメリンZ (2005年04月09日 21時39分)

警官は食事を勧めてくれた。
何がいいか、とメニューを差し出してくれた時、
ガメは思った。

「警察といえば、カツ丼だろう・・・」
しかし、メニューにカツ丼は無く、
ガメは豚丼を頼んだ・・・・

そして、その代金は、自費だった・・・・





嫁が新幹線でやってきたのは23時を超えていた。

嫁は言った。
「生きていてくれて、有難う。」

ガメは再び泣いた。

二人はその夜のうちに福岡に帰った。
そしてわずかな仮眠を取り、
客先へ向かった。

客は言った。
「とんでもないことをしてくれましたね。
これは契約違反以外の何者でもないですよね・・・
賠償、訴訟といった手続きも既に用意していますが・・」

ガメは答えた。
「約束の期日まで作業をさせてもらえますか?
訴訟や賠償は作業が終わってから、受けましょう。」

客はこう答えた。
「作業は無論続けてもらいたい、
しかし、既に我々はあなたを信用していない。
作業はここでやっていただきましょう。」


ガメリンは再び人を集めた。
ガメが一度は捨てた外注、パートたちだった。

彼らのほとんどが何も言わず集まった。
ガメは正直に言った。
「訴訟、賠償という話も出ている。今回の作業、正直に言って満足な賃金を払えないかもしれない。」



誰も帰らなかった。
再びガメリン軍団の挑戦が始まった。

約束の日まで、あと18日を切っていた。
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