| トップページ | P-WORLDとは | ご利用案内 | 会社案内 |
返信元の記事
【23】

SBファン倶楽部

俺は好きだ! (2008年01月20日 12時57分)
スーさんの作品です(2)。



「言葉考」


 後につづける言葉が違うと,意味がまったく違ったものになる言葉がある。

 例えば,『罪深い』だ。

 「私は罪深い人間です」と書いたら,ああ,この人は心に何か悔やまれることがあるんだろうなと思ってしまう。

 「私は罪深い女よ」とくれば,ほうほう,この女の人は相当男を泣かせたなと思う。

 「罪深い子供」ときたら,何かこの子供にはドロドロした猟奇的なものを感じてしまう。

 だから何だと言われても,何も言えないが,言葉って面白いと思ってしまう。


 言葉を研ぎ澄ますことに,今一番関心がある。

 もっと適切な言葉は? もっと言葉を削って,などと考えると自然と俳句に辿り着く。

 五七五の中に季節を入れ,作者の心情を語る。

 むずかしい。

 芭蕉を超える俳句はもう無いかもしれない。

 そんな領域に達した芭蕉は晩年に何を感じたのだろう?

 言葉の虚しさだろうか?

 もっと言葉を語りたかったのだろうか?


 私は現存する作家の中で最も好きなのは村上春樹である。

 その村上春樹が15年程前に書いた本がある。

 共著は糸井重里である。

 確か題名は『夢で会いましょう』だったと思う。

 その中で,糸井重里の書いた文の中にこんな件があった。

 「仮面という言葉をお面という言葉に変えたら面白い」

 「道化師という言葉の代わりにおかしな人と言ったら面白い」

 というようなことである。

 流石,日本を代表するコピーライターである。

 言葉の本質,言葉の違いを的確に表している。

 

 奥さんと別れて,ほかの有名女優と結婚した糸井がわからなかった。

 人道的に許すことが出来なかった。

 しかし,この本を読んで以来,私は糸井重里を見直すようになった。

 だからどうした,と言われても困るのだけれど。

■ 38件の投稿があります。
4  3  2  1 
【27】

SBファン倶楽部  評価

俺は好きだ! (2008年01月20日 18時19分)

スーさんの作品です(3)。



『オラの家族 Vol.1 リリー編(前編)』

 オラは犬を飼ってる。
 名前は『リリー』という。
 とても可愛い,女の子らしい名前である。
 しかし,当初7歳の娘は,『シロ』と名付けようとした。
 犬種はシェットランドシープドッグ,所謂シェルティーである。
 白い所は首周りと足のみであり,全体としては茶色である。
 我が娘ながら,その脈略の無い名付け方に溜息が出た。
 勿論,安堵の溜息ではない。逆である。

 リリーは,顔つきが醤油顔であり,決してシェルティーの凛々しい顔つきではない。
 シェルティーと柴犬を足して2で割ったような顔つきである。
 が,色々な人から「可愛いね」と言われる。

 リリーは一応,血統書付である。
 しかし,我が家に血統書は存在しない。
 何故かというと買った所がとんでもないいい加減な所だったからである。
 そこは,ペットショップでは無い。
 ペットショップに卸す,ペット卸し屋である。
 でも,正確に言うと犬の繁殖所である。
 兎に角,その店の辺り一面は異様に臭かった。

 そこのいい加減親父は,
「後で血統書は送ります」
と言ったまま,送ってこなかった。
 犬に10万,血統書に5千円払った。
 5千円の損である。
 実に悔しい。
 しかしそこはもう既に潰れてしまっている。
 今更,文句の言いようが無い。

 いい加減親父は,
「メスはおとなしいよ」
と言った。
 しかし,物音がするとすぐに吠え立ててうるさい犬であった。

 しかも,リリーは,はずれの犬だった。
 仔犬の時,犬を登録し,狂犬病予防接種のために犬猫病院に行った。
 獣医はリリーを見るなり,こう言った。
「はずれを選んだね」
「後ろ足が異常に細い」
「発達不良だね」
「あそこは(買った所)は,評判悪くて有名なんだよ」
 ううぅ・・・あそこを選んだのはオラだ。
 ペットショップより安いと知って,選んでしまった・・・
4  3  2  1 
メンバー登録 | プロフィール編集 | 利用規約 | 違反投稿を見付けたら