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【56】 | RE:松尾芭蕉 その2 一軒家タナカ (2002年08月08日 08時52分) |
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北へ北へと歩きながら、芭蕉は各地のお店で転々と打ちます。しかし天性のヒキ悪なのか、どのお店で打っても銭は減るばかり。。。 旅をしているというよりはただ放浪してると言った方が正しいのかもしれません。 それでも彼は北へ進み、とある栄えた町につきました。 しかしその時すでに、彼の財布には悲しいかな今日の宿代すらもありません。 これでは江戸へ帰るにも帰れず、彼はしゃがみこみ思案にふけるしかありませんでした。 その時でした。みすぼらしいなりをした老人が1人、彼のそばで立ち止まりました。 老人は困っている顔をしている芭蕉にどうしたのかと尋ねます。 彼は自分の今の現状を事細かに老人に話しました。 すると老人は、「この道をまっすぐ東に向かうと海に出る。その海岸線にある店へ行ってみるがよい」 と言い残し、その場を去っていきました。 彼はそれを不思議な気持ちで聞いておりましたが、どうせ落ちるところまで落ちた身、言われたとおり行くだけ行ってみようと立ち上がりました。 東へ向かい海岸線を少し歩くとその店はありました。 なんのためらいもなく芭蕉はお店ののれんをくぐりました。 中はそれほど広くもなく、むしろさびれた感もありました。 彼はその中から得意・・あいや不得意のキンパルを見つけます。 どうせだめもとと、少しばかりある銭を全てここに投入する気で打ち始めました。 するとどうでしょう!わずか3ゲームで蛙3匹が出たのです! 初めての事だけに驚きを隠せない芭蕉でしたが、とにかくそのビッグを消化し、なりふり構わず打ち込みました。 ・・・夕刻の時、 彼のそばには「千両箱」がありました。それもひとつやふたつではありません。まるで今までのヒキ悪を収束させるような勢いが止まらず、 宿探しで店を出なければいけない頃には10箱近くの千両箱に「寛永通宝」がぎっしり!それも縦詰め。超万枚と言うべきなのでしょう。 あまりの爆発に芭蕉も感動です。今までの苦労が実ったかのような、そんな思いで胸がいっぱいでした。 「なんという素晴らしい店なのだろう。いったい店の名はなんと言うのか。」 店を出て見上げた看板に書いてあった名前は、[パーラー松島]。 「松島や ああ松島や 松島や」 他にどんな感嘆文がありましょうや。他の何を口に出しても嘘になってしまうようなこの気持ち。 ただただそのお店の名を片言のようにつぶやき続ける芭蕉でした。 |
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