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【1052】 | RE:続続:バイク ネタ KIN・KIN (2006年10月02日 09時39分) |
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>私は、打撲した左足を引きずり、そして右腕は吊られ、左手にはレントゲン写真と紹介状を携えて歩き出したのだった。 >一歩、また一歩歩くごとに、背中に激痛が走る。 >痛いところが背骨に近いということが、私の不安を駆り立てるのであった。 時計は午前3時近く 大通りとはいえ、人影はほとんどない。 この時になって、私はある重大なことに気づいた。 「消防署・・結構遠い・・・」 そう、普段バイクで通っていた道、歩いてみると結構な距離。 しかも背中と脚の激痛を堪えての歩行。 電柱に手を付き、休憩する。 呼吸は乱れ、額には脂汗・・ と、向こう側から誰かが歩いてくる。 「すみま・・・」 そこまで言いかけると、その人は歩道の柵を乗り越え、反対側の歩道へ走っていったのだった。 チンピラのケンカか何かの怪我人だとでも思われたのであろうか。 この時ほど、「いざという時、他人って冷たいのね」 と思ったことはない。 近くにある自動販売機で飲み物を買おうとしただけなのに・・・ お金を入れて、ボタンまでは押せたにしても、前かがみになって商品を取り出す勇気は持ち合わせていなかったのだ。 再び歩き始めた。 T字路の所に消防署の赤い明かりが見える・・ 「もう少し・・・ もう少し・・・」 最後の気力を振り絞って、私は歩いた。 普段ならば、気にも掛けないようなそんな距離ではあるが、この時ばかりは違っていた。 消防署の入り口に誰かいる。 立ち番の署員だろうか。 私に気付き、駆け寄ってくるのが見えた。 「助かった・・・これで・・・」 安堵感が私の脚の力を抜いたようである。 ガクッとひざを着く直前に、消防署員は私の体を支た。 「ぐえっ・・! そこ、痛いとこなんだケド・・」 またまた To be continued.... |
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【1079】 |
KIN・KIN (2006年10月03日 00時09分) |
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これは 【1052】 に対する返信です。 | |||
>「ぐえっ・・! そこ、痛いとこなんだケド・・」 署員に肩を貸してもらい、やっとの思いで署内に。 「どうしたんですか」 「モトクロスの練習中にコケて、かくかくしかじか・・・・。 とにかく、背中が痛くて眠れないんで、どこか病院に連れて行って下さい・・」 「分かりました。じゃあ乗ってください」 ピーポー ピーポー 産まれて初めて救急車に乗る。 「横になりますか?」 「いや、圧迫されてかえって痛いので・・」 10分程度で病院に到着。 眠そうな目をした医師が、迷惑そうに言った。 「で、どこが痛いの?」 「背中・・ 真ん中辺り・・」 「レントゲン写真を見ても別に異常は無いんだよね。 とりあえず痛み止めの注射するから、明日になったらもう一度病院に行きなさい。」 注射をされて15分ほどすると、痛みが和らいできた。 帰りも救急車で送ってもらう。今度はピーポー無しだった。 何とか横にもなれて、眠ることが出来た。 翌日、近くの国立病院へ。 怪我の発生時の状況と、昨夜のことを医師に話す。 レントゲン写真に目を落としたまま、初老の医師はつぶやくように言った。 「あー・・ 痛いはずだよね。肋骨が3本折れてるよ」 「えっ!? 肋骨ですか? 夕べは異常ないって・・」 「ほら、ここ・・・」 医師が指差すところを見る。 肋骨は軟骨であるため、はっきりとは映らないらしい。 しかし、肋骨の付け根、つまり、背骨に近いところが、確かに3本折れているのがうっすらと見えた。 夕べの医者の顔を思い浮かべながら、「ちっ、ヤブめ!」と心の中で舌打ちした。 「肋骨はね、ギブスできないんだよ。呼吸するからね。 これでおさえとくしかないんだ」 出されたのは、幅20cmほどの伸縮性のある帯状のもの。端っこがベルクロになっていて、胸を締め付けるように止めるのである。 「なるべく腹式呼吸で・・」 と言い渡された。 「じゃあ、今日から入院ね。色々検査して、1週間後に手術するから」 「手術はね、肩と鎖骨を金属の棒で貫通させて、そう釘みたいにね。そして靭帯を繋ぐ。 それで3ヶ月位様子見て、大丈夫そうだったら、それを抜く手術をするからね。 全身麻酔でやるから怖くないよ。眠ってるうちに終わるから・・・」 手術・・・ 全身麻酔・・・ 私をおびえさせるにはその言葉だけで充分だった。 なにしろ未知の世界である。 そして、同時に両親の顔が浮かんだ。 「なんて言おう・・・レースに出るの、反対してたし・・」 車椅子に乗せられ、病室に案内された。 4人部屋だが、住人は誰も居ない。私1人だ。 国立病院・・ 税金で賄われているため、余計なものなど無い。 たった1本の蛍光灯が、壁のシミを不気味に映し出していた。 着替えなどがはいったバッグをベッドの上に投げ出す。 ベッドは まるで、つい先ほど1人の人の最期を見届けたかのように、音も無くそれを受け止めた。 一人暮らしは慣れているはずだが、暗い照明、壁のシミ、時折り聞こえる廊下を歩く足音。 どれをとっても私に心細さを与えるには、充分過ぎるほどの演出であった。 またまた To be continued..... |
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