| トップページ | P-WORLDとは | ご利用案内 | 会社案内 |
返信元の記事
【29】

社長 24

ゑびす5 (2006年07月01日 21時04分)
 『社長 vol.24』

 社長は,その頃,太宰に傾倒していた。
 容姿に似合うはずも無いが,紛れも無い事実であった。

 大学2年目の時,彼は恋に落ちた。
 笑ってはいけない。彼だって一応人間なのだから。

 相手は新入生だった。
 はっきり言って美人ではない。
 そんなに可愛くも無い。
 容姿の偏差値で言えば,45前後だろうか。
 けれども性格がさっぱりしていて,かわいかった。

 社長の彼女への思いは,夜汽車の中で綴った手紙で伝えられた。
 社長は太宰になりきった。
 自分という人間は生きている価値がない人間であり,そんな自分が哀れにも君に恋しると。
 しかし,如何せんながら文は紆余曲折としており,読んですぐに恋文だとは分からない手紙であった。

 貰った方としては,何が何だか良く分からない手紙である。
 事実,彼女は同級生にその手紙を見せて,どういう意味なのか分からないとこぼしていた。
 神聖な恋文を第三者に読まれてしまった社長。

 しかし,神は社長を見捨ててなかった。
 告白された本人が,告白されたとは気づかずに,社長に気さくに話し掛けていくのだから,しばらくの間は,失恋したことに社長は気づかなかったのである。

 こうして,社長の大学での始めての恋は,いつの間にか終わっていた。
 そして,社長はいつの間にか,風俗の帝王になっていた。

■ 73件の投稿があります。
8  7  6  5  4  3  2  1 
【30】

社長 25  評価

ゑびす5 (2006年07月01日 21時05分)

 『社長 vol.25』

 俺が始めてストリップ劇場に行った時も,社長と一緒だった。
 初めて行くストリップなるものに非常に期待を抱いて行った。

 時は大学2年,塾の給料日の日であった。
 長く辛いバイトを終え,給料を懐にした我々は,意気揚々と夜の街へ繰り出していった。
 最初は居酒屋でたらふく飲み食いした。
 その後,その頃流行っていたカフェバーに行った。
 そして,その後いよいよストリップに行った。
 きっかけは,呼び込みのおっさんの声だった。
 「今なら,時間が無いから500円でいいよ」
 貧乏な我々はすぐさまその話に乗った。
 薄暗い劇場内は熱気に溢れていた。
 我々が入ったのは,ちょうど,踊り子が交代するときだった。
 そして,出てきた踊り子は・・・
 悲惨であった。
 顔はひどい。体も太めだ。
 しかし,それだけなら許せる。
 推測ではあるが,その踊り子は性転換手術を受けていたはずだ。
 
 理由ならある。
 その踊り子の栗と栗鼠は異様に大きかったのだ。
 直径15mmはあった。
 顔も人工的に作られているのが見え見えだった。
 その造りがまたひどい。

 しかし,社長は,
 「性転換したやつのストリップは,初めてですよ。ひっひっひっひ」
 と喜んでいた。
 そう,社長はFZKの帝王なのである。
 ちょっとそっとのFZKでは,飽き足らないのである。

 砂被りに陣取った社長は,舐めるような目で踊り子を見つめていた。
 我々も含めて他の客は,引いていた。
 とてもじゃないがおてぃんぽを勃たせることはできなかった。
 そんなわけで,熱心に踊り子を見つめる社長は,踊り子に気に入られた。
 踊り子は社長の目の前で観音様を開帳し,社長に大人のおもちゃを渡した。
 嬉しさに顔をほころばせながらおもちゃを出し入れする社長。
 当然,我々は社長を一人劇場に置き去りにし,飲み直すことにした。
8  7  6  5  4  3  2  1 
メンバー登録 | プロフィール編集 | 利用規約 | 違反投稿を見付けたら