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【3841】 | 真夏の夜の夢 サルですまん (2017年06月08日 19時00分) |
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皆様。こんばんは。 梅雨に入ったらしく。こちら大阪でも、連日の雨模様でございます。 さて。梅雨が明けると、本格的な夏。夏といえば怪談。 というわけで。脈絡も目論見も何もなく。ひとつ、怪談話でも書こうかと。思い立ちました。 とある家庭で、念願の子供が生まれた。 遅くに生まれた子供ということもあり、その子は、とても可愛がられ、大切に育てられた。 とこどが、1年が経ち、2年を過ぎても、その子は一言も喋ろうとはしなかった。 それでも、両親の愛情は変わることなく、その子供に注がれ続けた。 3年が過ぎた、ある日のこと。 その子が、ふいに喋ったのである。たった一言だったが、たしかに「おじいちゃん」と。 祖父の喜びようと言ったらただ事ではなかった。初めて孫が喋ったのだ。しかも、その言葉が『おじいちゃん』だ。 しかし、その翌日。祖父が交通事故に会い、あっさりとこの世を去ってしまった。 それから、一月あまりが過ぎた頃。 その子が、また喋った。満面の笑みを浮かべて「おばあちゃん」と。 それまでの間、何も喋ろうとはしなかったのに。ふいに祖母を見つめて、そう喋ったのである。 祖母は喜んだ。主人が他界して、重い空気が流れていた我が家に。やっと明るい兆しが灯ったような気がした。 それから3日ほどして、祖母が原因不明の病気で倒れた。 病院で精密検査を受けるも、全く原因がつかめず、そのまま1週間、高熱が続き、祖母も他界してしまったのである。 サル夫は、不安になっていた。 今まで、何も喋らなかった我が子が。祖父を呼んだ。その翌日に祖父は亡くなり、次に祖母を呼び、祖母も原因不明のまま他界した。 ただの偶然だ。そう思った。そう思っては見るものの、やはりそれ以来我が子は喋らないままだ。 そうこうしているうちに、半年が過ぎた。我が子は、やはり喋らないままだった。 そんなある日。子供が母親を見つめて「ママ」と。確かに喋ったのだ。 子供が喋ってくれるのは嬉しい。だが、サル夫は素直に喜べなかった。 心の何処かに、不安を抱いていたからだ。 母親のサル美は、我が子が自分のことを呼んでくれて有頂天になった。「やっとこの子があたしのことを呼んでくれたわ」 嫁の喜ぶ姿を見て、サル夫は不安の原因を言い出せずに居たのである。 翌日になって、サル美が血を吐いた。 それまで、何一つ病気などしなかった嫁が、突然吐血し、倒れたのである。 救急車を呼び、病院に運ばれた時には、もうサル美は息絶えていた。 ...........「次は、俺の番か............」 まさか。とは思いつつも、不安は拭えない。病院の待合室で頭を抱えていると、子供がサル夫を見て、笑いながら「パパ」と呼んだ。 いよいよだ。いよいよ、俺の番がきたのだ。この運命には逆らえないのか............ 翌日。新聞配達のお兄さんが、家の前で倒れて死んでいた。 【完】 ................................なんだそりゃ........................ |
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【3844】 |
みゆりんりん (2017年06月09日 08時14分) |
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これは 【3841】 に対する返信です。 | |||
お〜、今回は漏王じゃないぃ〜w 作家サル様w いつもながら、上手い構成! 短編ってまとめるの大変だと思うもん。 受けたイメージは『オーメン』(古いw) 悪魔の子的な印象だね。 更にオチを入れて来るって・・・天才〜w >翌日。新聞配達のお兄さんが、家の前で倒れて死んでいた。 複雑〜〜〜wwww 本人の気持ちを考えたら、色々と後に残る。 短いながらもきちんと足跡を残した作品でありまする。 さすがだな〜と思いましたよwww |
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