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《はーです》 初代ゆるべろす 編集 (2024年01月09日 12時21分)評価






      冥界







   
 

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【132】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年06月02日 00時48分)


【長雨の時節】

光る源氏
名のみことことしう
言ひ消けたれたまふ咎とが多かなるに
いとど
かかる好きごとどもを
末の世にも聞き伝へて
軽びたる名をや流さむと
忍びたまひける隠かくろへごとをさへ
語り伝へけむ人のもの言ひさがなさよ

さるは
いといたく世を憚り
まめだちたまひけるほど
なよびかに をかしきことはなくて
交野かたの少将には笑はれたまひけむかし

まだ中将などにものしたまひし時は
内裏うちにのみさぶらひようしたまひて
大殿には絶え絶えまかでたまふ

忍ぶの乱れやと
疑ひきこゆることもありしかど
さしもあだめき目馴れたる うちつけの好き好きしさなどは好ましからぬ御本性にて
まれには
あながちに引き違へ 心尽くしなることを
御心に思しとどむる癖なむ
あやにくにて
さるまじき御振る舞ひもうち混じりける


【現代文】

光る源氏などと
たいそうな名で呼ばれているが
口に出せない失敗も多く
さらにこのような色恋沙汰が後世に伝えられ
好色な男の評判がたつのをおそれて
ひそかに隠していたことなども
世間に語り伝えられるなんて
人はなんとお喋りなのだろう

とはいうものの
源氏の君は世間をはばかり
まじめだったから
色めいておもしろい話などなくて
交野の少将には及びませんよ

源氏の君がまだ中将の頃は
内裏にばかりいて
左大臣邸の葵の上の処にはほとんど戻らなかった

さてはほかにいい女ひとがいるのではないか
と疑われることもあったが
見なれた色恋沙汰やみえすいたことは好まぬ性分で
稀には
あえて本性と違って
気苦労の多いことを好む癖があるようで
憎らしいことに
あるまじきお振舞も時になされるのであった

 
【131】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 12時00分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人の由(よし)あるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方々にもいたう劣らず、何ごとの儀式をももてなし給ひけれど、とりたててはかばかしき後ろ見しなければ、事ある時は、なほより所なく心細げなり。

(桐壺更衣の)父親の大納言は亡くなって、母親の北の方は古風な人で教養もある人であって、両親がそろっていて、現在世間の評判が華やかな方々にもたいして劣っておらず、どんな(宮中)行事をもとり行いなさったが、これといったきちんとした後ろ盾がいないので、何かある時は、やはり頼るあてがなく心細そうである。

 
【130】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時59分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


唐土(もろこし)にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ悪(あ)しかりけれと、やうやう天(あめ)の下にも、あぢきなう人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃(やうきひ)の例もひき出(い)でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御(み)心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひ給ふ。

中国でも、このようなこと(=女性問題)が原因で、世の中も乱れひどいことになったのだと、次第に世間でも、不快で人々の悩みの種になって、楊貴妃の例も引き合いに出しかねないようになっていくので、(桐壺更衣は)たいそういたたまれない(思いをする)ことが多いが、(帝の)恐れ多いお気持ちのまたとないことを頼りにして宮仕えをしていらっしゃる。

  
【129】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時58分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


上達部、上人(うへびと)などもあいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御おぼえなり。

公卿や、殿上人なども困ったことだと目をそむけて、まったく見ていられないご寵愛ぶりである。

 
【128】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時57分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふつもりにやありけん、いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚(はばか)らせ給はず、世の例(ためし)にもなりぬべき御もてなしなり。

(桐壺更衣は)朝夕の宮仕えにつけても、ほかの人〔=他の女御や更衣〕の心を刺激してばかりで、恨みを受けることが積もったからであろうか、たいそう病弱になっていき、なんとなく心細そうな様子で実家にこもりがちになるので、(帝は)ますますきわめて不憫なものとお思いになって、人の非難も気兼ねなさることができず、世間の語り草にきっとなるだろうご待遇である。

 
【127】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時56分)




源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


同じほど、それより下(げらふ)の更衣たちはまして安からず。

同じ身分、それより低い身分の更衣たちはまして心穏やかではない。

 
【126】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時54分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


はじめより我はと思ひあがり給へる御方々、めざましきものにおとしめそねみ給ふ。

はじめから自分こそは(帝の寵愛を受けるはずだ)と自負していらっしゃった御方々〔=女御たち〕は、(この寵愛を受けている女=桐壺更衣を)気にくわない者としてさげすんだり妬んだりなさる。


 
【125】

源氏物語   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月28日 11時52分)



源氏物語「桐壺(光源氏の誕生)」


いづれの御時(おほんとき)にか、女御(にようご)、更衣あまたさぶらひ給(たま)ひける中に、いとやむごとなき際(きは)にはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。

どの帝の御代(みよ)であっただろうか、女御や、更衣がたくさん(帝に)お仕えなさった中に、たいして重んじられる身分ではない人で、とても寵愛を受けていらっしゃる人がいた。


 
【124】

枕草子   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月26日 20時55分)





雪のいと高う降りたるを

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして、集まりさぶらふに、「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。
人々も、「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この宮の人にはさべきなめり」と言ふ。


【現代語訳】

雪が大変高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下ろし申し、火鉢に火をおこして、話などをして(女房たちが)集まってお仕えしていると、(定子様が)「少納言よ。香炉峰の雪はどんなかしら」とおっしゃるので、(人に)御格子を上げさせて、御簾(みす)を高く上げたところ、(定子様は)お笑いになった。
(周りにいた他の)人々も、「そのようなこと(中国・香炉峰の雪について詠んだ漢詩のこと)は知っておりますし、歌などに詠むことまでありますが、(このように御簾を上げようとまでは※)思いつきませんでした。(あなたは)やはり、この宮(中宮の定子様)にお仕えする人としてふさわしい人のようです」と言う。

 
【123】

枕草子   編集  評価

初代ゆるべろす (2024年05月26日 20時54分)





ありがたきもの

ありがたきもの。舅にほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。毛のよく抜く銀の毛抜き。主そしらぬ従者。
つゆの癖なき。かたち心ありさますぐれ、世に経る程、いささかの疵(きず)なき。同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、いささかのひまなく用意したりと思ふが、つひに見えぬこそ難けれ。物語、集など書き写すに、本に墨つけぬ。よき草子などはいみじう心して書けど、必ずこそ汚げになるめれ。
男、女をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末まで仲よき人、難し。


【現代語訳】

めったにないもの。舅(しゅうと)に褒められる婿。また、姑に思われるお嫁さん。毛がよく抜ける銀の毛抜き。主人の悪口を言わない従者。
少しも癖のない(人)。容姿や性格、態度に優れており、世の中を過ごす間に、少しも欠点のない人。同じところに(宮仕えして)住む人で、互いに気兼ねし、ほんの少しの油断もなく心づかいしていると思う人が、最後まで(隙を人に)見られないということはめったにない。物語や説話集などを書き写すのに、本に墨をつけないこと。価値のある本などのときには大変注意して書くのだが、必ずと言っていいほど汚してしまうようだ。
男女の仲は当然ながら、女同士でも、縁が深くて何でも話すような人同士が、最後まで仲が良いというのもめったにない。

 
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