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【73】

RE:昨日のできごと

つなわたり (2006年03月31日 16時52分)
不吉な思いは頂点に達し、もはや遺体であることは疑いようのない事実となっていた。

すると、刑事ドラマに良くある、殺人現場の実況見分シーンが脳裏に浮かび上がる。
「そうだ、まずは仏さんに手を合わせなければ。」
人間不思議なもので、手を合わせるだけで心が落ち着くものだ。
幾分冷静さを取り戻した頭は、道具箱にビクトリノックスのナイフが収められて
いる事を思い起こさせた。

ナイフを手に取り、ブレードを引き起こす。この、なんて事はない手順を完了
させるのに、なぜこれほど手間取るのか・・・
そう、単なる思い込みであった。自分はちっとも冷静ではない。

いまから私によって切り開かれるウエダーの内部に何が隠されているのか、
私は目前に現れる光景を直視できるのか、私は解き放たれた異臭に耐え切れず、
はらわたが痙攣するのではないか・・・

私は、意を決して ウエダーに ブレードを あてがい 乱暴に 切り
  そして開いた・・・

「またまたつづく」かも ウザかったらやめます。

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【75】

RE:昨日のできごと  評価

つなわたり (2006年03月31日 20時12分)

黄昏時の川原で、片足の突き出たゴム長に向かい、一人手を合わせる
男の姿は、どのように映ったであろうか・・・


ウエダーの内部に隠されていた真実。
それは木の枝と湿った砂であった。


私はいったい何をしているのか。
打ち捨てられ、木の枝と砂のいっぱい詰まったゴム長靴相手に、
あろうことか、手を合わせ冥福まで祈っていたのである。


このようにして、私の思い込み、妄想の極まった一人狂乱劇は幕を閉じた。
頂点に達した緊張から開放されると、やがて長い付き合いである
偏頭痛が私を支配しはじめる。
鈍く痛む頭で最後に到達した結論・・・

どうやら川に釣られたのは私だったようだ。

【完】
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