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【85】

RE:【関東大人会】

うーみんちょ (2013年09月22日 15時48分)
「奇跡の人」第四話

男の後をついて行きながら歩く。
時折、男が少し振り向きながら話かけてくる。

「お嬢さん、自宅近いの?」
「俺は仕事でたまに来るだけだからさ」
「しかし、最近のスロットは設定入れるの難しくてね...」

当時は北斗世代などと言う言葉ができたほどにスロットを
打つ人口が急増した。
長年パチンコやパチスロを打っている人、全く触る事も
なかったがビギナーズラックでハマってしまった人...
今までにないほどに人々はスロットにのめり込んだ。
彼女は所謂、北斗世代であった。
ゲーム性に関するにわかな知識は覚えたものの、
設定やROMなどの機械的な事は全く知る由もない。

「設定って、どうやって入れるの?」
「1から6まであなたが入れるの?」

彼女は素朴に疑問を投げかけた。

「そりぁそうだよ、俺が入れるよ」
「ただ、俺の場合は特別な方法でやるんだよ」
「そうだ...お嬢さん紙とペンは持ってる?」

仕事帰りの彼女は一通りの筆記用具は持っていた。
男の後を辿り歩いていたが気が付くと、駅とビルの間を通る
細い人通りの少ない路地で男は止まった。

「お嬢さん...今から話すのは一般のスロット打つ人は絶対に
   知らないことだから!」
「俺たちの様な裏側の人間しか知らない」
「間違いなく勝たせてあげるから!」

彼女は間違いなく勝たせてあげるから、の言葉にさっきまで
歩いていた時の不安が少し、希望の感情へ変化している事に
気付くこともなかった。

「お嬢さん...今、いくら持ってる?」

彼女はいつもより心臓が大きく鳴る音が聞えた。

「は?」
 「まさか、お金取るの...?!」

男は言った...

「Super6をそんなに簡単に教えられないよ」



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RE:【関東大人会】  評価

うーみんちょ (2013年11月15日 17時40分)

「奇跡の人」第五話

「Super 6」...!?
彼女は初めて聞くその言葉に反応せずにいられなかった。

「設定は1~6まであるのは知ってるけど?」
「Super6って...一体何なのよ...!?」

男は彼女に手振りで、まあまあお嬢さん落ち着いてと、
少し間を置いてから話し始めた。

「お嬢さんは機械割って知ってるかい?」

彼女は専門的な知識はないが、用語は知っていた。
「聞いた事はあるけど、実際よくわからないわ」

「簡単に言うと、入れたコインの分だけ戻ってきたら
   機械割100%って事なんだ」
「だから、100%以下は負け、100%以上なら勝ち」
「当然、低設定と言われる1や2は100%以下で店が勝つ」
「中間と言われる3でほぼ100%」
「高設定と言われる4以上は100%以上になる」
「しかし、一切の小役も取りこぼさずにボーナス成立時に
   揃えてスタートさせる基準でだ」
「それ故、メーカーが発表する機械割よりも実際に打ち手の
   技量で割は下がる」

そうなのかと彼女は思った。
ただでさえ小役を取りこぼしがちでボーナスを揃えるのも
何回か回してしまう...
確かにこの男の言うように私は機械割を下げてるわね...

男は、ここからが本題と切り出してきた。

「機械割の事はなんとなくわかったかな」
「ええ、大体わかったわ」

「大事なのはここからだ」
「いいかい、機械割は全て理論上のものだ」
「逆に言えば、出玉も安定してしまうと言う事だが、ホールで...
   特にお嬢さんのいつも打つこの店、毎日1万枚以上や2万枚以上が
   出ているだろ」
「理論上では起こり得ても、実際に毎日頻発する値ではない!」

彼女は胸がはっとした。

「まさか、もしかして...!」
彼女は半信半疑に聞いたつもりだったが思いの他、声が大きくなってしまった。

「そういうことだよ」
「それが俺の入れてるSuper6だ」

彼女は何てことだ...と思った。
いつも隣や後ろで積みまくる台がある。
なぜそんなに続くのかとばかり羨まし視線で見ていた。
なぜ自分の台だけ続かないのだろうと...
いつかあの箱積みの主役になりたいと思っていた...

「そんな設定の仕掛けがあったなんて...」
彼女は驚きと羨ましさのなんとも言いようのない声で言った。

その表情を見ていた男が彼女に言った。
「今ちょうど、明日からのSuper6を入れてきた」
「さっきも言ったが、俺はここの店があまり好きではない」
「今回でこの店の設定師を辞めるんだ」
「こんな事はルール違反だが、お嬢さんに全てを教える」

彼女は迷うことなく紙とペンをとりだした...


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