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《アフロディーテ》 初代花魁 編集 (2025年07月06日 07時33分)評価






  愛と美








 
 

■ 184件の投稿があります。
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【184】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月21日 20時56分)





豊臣兄弟


第二十五話「 変事の予兆」



天下統一へ

播磨平定と時を同じくして
織田信長は本願寺との和睦を成立させ
ついに畿内を制し
天下統一へ近づきます

その頃
秀吉は蜂須賀正勝を西播磨の龍野城城主に任命

15年前
秀吉に「城主にする」という約束が果たされ感無量の蜂須賀正勝は
改めて秀吉に忠誠を誓います


安土城完成の宴

1580年(天正8年)
天下の耳目を集めた織田信長の新たな巨城・安土城が
ついにその壮麗な姿を現しました

黄金に輝く天主(天守)のもと
華々しく催された完成の祝宴

能に興じる信長
あふれる酒
笑顔の家臣たち

誰もが織田家の栄華に酔いしれるなか
秀吉は小一郎に耳打ちをしました

藤吉郎

わしはこの城よりも
信澄様こそが上様の大きさを示す証だと思うとる

秀吉は信澄の生い立ちを語り始めます

信澄はかつて兄・信長に謀反を起こし討たれた弟・信勝の遺児であり
本来なら信勝とともに殺されてもおかしくはありませんでした

ですが
信長は幼い信澄を助け
柴田勝家に預けて育てあげました

信澄は今では明智光秀の娘を妻に迎え
誰からも慕われているのだと言います


織田信澄

織田信長の同母弟である織田信勝(信行)の長男・信澄

父・信勝は
信長に対して二度にわたり謀反を起こし
信長によって暗殺(処刑)されています

父の死後
幼かった信澄は信長の命令により
織田家の重臣・柴田勝家に預けられて成長

信長は
信澄を重用し
琵琶湖の要衝・大溝城(滋賀県高島市)の城主としました

信長の次男・信雄や三男・信孝らと同等の扱いを受け
各地の戦線で輝かしい軍功を挙げています


1582年
信澄は四国征伐に向かう織田信孝の副将として
大坂の住吉に布陣していました

しかし
ここで運命の「本能寺の変」が勃発

信澄の正室は
信長を討った明智光秀の娘

光秀の娘婿であったことから
「信澄も光秀と裏でつながっているのではないか」という疑いをかけられます

疑心暗鬼になった総大将の織田信孝や丹羽長秀らに大坂城で襲撃され
本能寺の変からわずか数日後に
身の潔白を証明できないまま殺害されるという最期を遂げました


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【183】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月21日 20時54分)

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相撲

能が終わると
仕手を務めた土佐の国主・長曾我部元親が四国の切り取り(領土を奪うこと)が順調に進んでいると報告

信長はおもむろに

信長
皆で相撲を取れ。

と提案します

場がにわかに活気づくなか
信長は若く血気盛んな近習・森乱の対戦相手として
なぜか林秀貞
佐久間信盛
安藤守就という
織田家を長年支え続けてきた長老格の重臣たちを次々と指名したのです


重臣の敗北 追放

一同が「めでたい席の悪ふざけ」と高を括るなか
勝負が始まります

しかし
寄る年波には勝てず
若者の勢いに押された林秀貞はあえなく敗北を喫してしまいました

次の瞬間
祝宴の熱気がまたたく間に凍りつきます


信長
失せよ。

一族もろとも消えよ
と命じる信長の瞳からは
一切の笑みが消えていました

続いて
佐久間信盛
安藤守就も敗北

なんと信長は
ただの余興のはずだったこの勝負を理由に
問答無用で「織田家からの追放」を三人に言い渡したのです

昨日までの功臣が
一瞬にしてすべてを剥ぎ取られる

あまりにも理不尽な仕打ちに
満座の家臣たちは震え上がりました


信長の真意

「なぜ、長年尽くしてきた宿老たちをこれほど無慈悲に……」

信長の真意が分からず
背筋に冷たいものを感じながら理由を探る小一郎と秀吉

困惑する二人に
明智光秀が
信長が胸の奥に秘めた本音を語り始めます

佐久間信盛は本願寺と
林秀貞
安藤守就は武田と内通していた疑いがあり
この場を仕組んだというのです

『信長公記』には林秀貞
佐久間信盛
安藤守就の三名の追放の理由として

「先年信長公御迷惑の折節、野心を含み申すの故なり」

(先年、信長公が苦闘を重ねていた折、それに乗じて野心を含んだためだった)

と記されているだけで詳細は不明です


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【182】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月21日 20時52分)

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安藤守就 去る

その後
佐久間信盛は高野山に入り
林秀貞は山城に流れて2ヶ月後にこの世を去り
疑惑を否定していた安藤守就は
息子・安藤定治が武田と通じていたことを突き止めます

織田家に仕えて以来
果てしなく続く戦の毎日に心も体も疲れ果ててしまった安藤定治は

「この先に、本当に素晴らしい世など訪れるのだろうか」


胸の奥に燻る深い絶望を父へと吐露します

小一郎と秀吉は
戦や政の世界からきっぱりと退けば
上様もきっと許してくださるはずだと説き
小一郎は一緒に暮らそうと義父に提案しました

しかし
父・安藤守就の決意は揺らぎません

羽柴家に多大な迷惑がかかることを恐れた守就は
静かに屋敷を去る覚悟を決めます

まだ夜も明けきらぬ薄暗がりのなか
荷物をまとめた守就の前に
小一郎と慶が駆けつけました

必死の思いで引き止めようと言葉を尽くしますが
守就の固い決意を覆すことはできません

息子・定治の深い苦悩に
これまで気づいてやれなかった己の落ち度を悔やみながら
守就は夜明けの静寂の中
羽柴家を後にしました


安藤守就の最期

美濃三人衆の1人・安藤守就の息子は
嫡男・安藤定治さだはるが知られています

1582年(天正10年)6月2日
本能寺の変で信長が明智光秀により討たれると
安藤守就は定治と共に挙兵して北方城を奪い
再起を試みましたが
当時の北方城の領主・稲葉一鉄に攻められ敗北

6月8日
一族共に自害し
美濃安藤氏は滅亡しました


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【181】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月21日 20時51分)

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馬揃えと長曾我部元親


1581年(天正9年)2月

京の街を埋め尽くす歓声と
大地を揺らす蹄の音

織田信長は大規模な
「馬揃え(騎馬のパレード)」を敢行し
その圧倒的な威信を天下に誇示します

見物する小一郎の前に
鮮やかな女物の装束を纏った男が現れました

長曾我部元親です

小一郎が息をのむと
元親は親しげに微笑みます

幼い頃から『姫和子』と呼ばれて育ち
どうにもこの姿の方が落ち着くのだと語る元親

そして
自らが四国を平定したあかつきには
土佐の極上の魚を馳走しようと小一郎に約束しました

ところが
ほどなくして
信長は明智光秀を鋭く呼びつけ
元親による四国の切り取りは認めないと言い渡したのです

昨日までの盟約を覆す青天の霹靂に
光秀は激しい衝撃を受け
困惑を隠せません


信長
気が変わったのじゃ。うまく説き伏せよ

残された明智光秀の胸に渦巻くのは
あまりにも理不尽な主君の命への怒りと
抗えぬ悔しさでした


  
【180】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月14日 21時40分)



豊臣兄弟


第二十四話


「 軍師官兵衛!」




別所と荒木の籠城


1579年(天正7年)

織田信長は
籠城を続ける三木城の別所長治
有岡城の荒木村重を同時に相手にする困難な局面を迎えていました

三木城の長治は
秀吉が差し出す降伏勧告を頑なに拒み続け
血で血を洗う戦いがすでに1年半近くに及んでいます

城内を実質的に指揮しているのは
長治の叔父・別所賀相

気迫で兵たちを鼓舞し続ける賀相の後ろ姿を
当主・長治は
どこか心許なげにじっと見つめるしかありませんでした


一方
激しい睨み合いが続く有岡城では
織田信忠率いる本隊が完全に攻めあぐねていました

信長は「村重が自ら参じるなら許す」と不気味な寛大さを示していましたが
疑心暗鬼に陥った村重がそれに応じるはずもありません

守りの堅い有岡城を前に
織田軍の苛立ちは頂点に達します


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【179】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月14日 21時37分)

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兵糧攻め


そんななか
信忠の軍に配属されていた小一郎は
違和感を覚えていました

10ヶ月近くも完全に包囲されているというのに
なぜ城内の兵に疲弊の色が見えないのか…

秘密裏に兵糧が運び込まれているに違いない

そう直感した小一郎は
闇夜に紛れて織田方が築いた砦の周辺を自ら捜索しました

小一郎の読みは的中

ガタガタと微かな音を立て
闇に紛れて荷車を押す数人の人影

それは
あろうことか織田方の兵たちでした

小一郎がその前に立ちはだかり問い詰めると
兵たちは白状しました

城内に物資を届けて別所から銭をもらうのだ と

裏切りが露見し
やけくそになった兵たちがギラリと刀を抜いたその瞬間
小一郎は懐に手を入れ
意外な申し出を口にしました


小一郎

いくらで雇われた?わしはその倍出す。
その代わり二度とこのような真似をするでない。
織田のために力を尽くすのじゃ。



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【178】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月14日 21時34分)

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だしの説得


命綱を失った有岡城は
窮地に追い込まれます

追い詰められた村重は
暗い牢に監禁している小寺官兵衛にすがりつき
打開策を求めます

しかし
過酷な幽閉生活により
官兵衛は まるで魂が抜けたかのように無気力に崩れ落ちたままでした

ほどなくして
村重の元に小一郎からの降伏を促す書状が届きます

もはやこれまでと
最愛の妻・だしは
絶望に震える村重に説得を始めました


皆を救えるのは殿だけでござりまする

最愛の妻・だし(山谷花純)の言葉に村重もようやく降伏を決意

数日後
使者として訪れた小一郎にこれまでの非を詫びました


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【177】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月14日 21時31分)

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村重の裏切り

しかし翌朝
誰もが耳を疑う最悪の事態が起こりました

あろうことか
あれほど愛を誓った妻子も
命を懸けて戦ってきた家臣たちもすべて城に置き去りにし
怖気づいた村重が
夜陰に紛れて毛利の元へと一人逃亡したのです

主を失った有岡城は
呆気なく織田軍の手によって陥落

激怒した信長は
見せしめとして残された村重の家来たちを一人残らず皆殺しにするよう冷酷に命じます


「今楊貴妃」だしの断首


悲劇はそれだけで終わりませんでした

その後
だしをはじめとする村重の近親者たちも捕らえられ
京の六条河原へと引っ立てられたのです

白装束に身を包み
冷たい風が吹き抜ける処刑場に静かに座るだし

その姿を
小一郎はなすすべもなく
悔しさを噛み締めながら見つめることしかできませんでした


別所の処遇


有岡城の凄惨な陥落により
三木城の降伏も時間の問題となりました

「二度と織田に歯向かうことのないよう、三木城の者を一人残らず討ち取れ」

総大将の信忠が皆殺しを命じます

小一郎はすかさず反論するも
聞き届けられません


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【176】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月14日 21時28分)

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軍師官兵衛!

その時
一人の男が姿を現しました

有岡城の暗い牢から救出されたばかりの小寺官兵衛です

長く過酷な監禁によってボロボロになった身体で足を引きずりながら
官兵衛は必死に秀吉たちの前に進み出ました

そして
瞳に鋭い光を宿して訴えかけます


私は播磨に生まれ育ち
別所がいかに播磨の国衆から慕われているかを知っておりまする

総攻めすればたやすく別所の城も領土も手に入りましょう

しかし播磨の民の心は手に入りませぬ

官兵衛の胸には
自らの幽閉によって播磨平定を遅らせてしまった自責の念がありました

今は亡き竹中半兵衛の遺志を継ぎ
その借りを返すためにも
再び羽柴兄弟のために命を懸けて尽くしたいと願っていたのです

官兵衛の必死の訴えにより
信忠は最終的な決断を秀吉へと委ねました

播磨平定の総仕上げとして
秀吉は自ら三木城の城門をくぐり
長治と対面します

秀吉が静かに降伏を促すと
別所長治は取り乱すことなく
澄んだ覚悟を持ってその申し出を受け入れました

 

1580年(天正8年)1月

別所長治は 城内で静かに切腹

自らの若き命と引き換えに
最期まで付き従った家臣たちの命を救い
長く苦しかった三木城の戦いはついに終結を迎えました

鳴り響く勝鬨の歓声の影には
地獄のような幽閉を生き延び
再び羽柴兄弟と共に歩み始めた
新しき軍師・黒田官兵衛の毅然たる姿がありました

 
【175】

RE:《アフロディーテ》   編集  評価

初代花魁 (2026年06月07日 21時32分)





豊臣兄弟


第二十三話


『さらば半兵衛』



毛利輝元と宇喜多直家

1578年(天正6年)安芸吉田郡山城

西国の覇者・毛利輝元の元で軍議が開かれていました

宇喜多直家は「今こそ一気に上洛し
天下を掴むべき」と熱く進言しますが
総大将の輝元は冷静に問いかけます

「そこに大義はあるのか」

この戦はあくまで播磨の国衆を救うためのものであるとし
輝元はどこまでも慎重な姿勢を崩しませんでした


荒木村重の説得

一方
織田方は毛利に寝返った有岡城の荒木村重への対応に
苦慮していました

明智光秀が単身で有岡城へ乗り込み説得を試みますが
村重は「一度壊れた信頼は修復できない」と拒絶

これを受け
以前から村重と深い付き合いのあった小寺官兵衛が
決死の説得に名乗りをあげました

しかし
本陣の竹中半兵衛は「村重は裏切り者として容赦なく討ち取り、見せしめにすべき」と主張

二人の軍師の意見は平行線のまま
官兵衛は半兵衛の制止を振り切り
有岡城へと向かってしまいました


官兵衛 囚われる

有岡城に乗り込んだ官兵衛は
旧知の仲である村重の目を真っ直ぐに見据え
「今回の謀反は毛利の罠にはめられた結果ではないか」と問い
信長ともう一度話し合うよう勧めます

ですが
村重は「罠にはまるような弱者を信長が助けるはずがない」と答え、官兵衛をじっと凝視しました。
で、お主はいつ織田に手のひらを返すのじゃ?
顔を見ればわかる。
わしはそうやってこれまで生き延びてきたからのう。」

官兵衛が出て行こうとすると
高山右近が刀を手に立ち塞がります

右近を制する村重


「生かしておけ。いざという時、人質として役に立つやもしれぬ。
そうじゃ、小寺官兵衛は我らに寝返ったと広めよ。
奴らを惑わし、足並みを乱すのじゃ。」


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