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【40】

愛すべきおじぃちゃん達(2)

たいちょ。 (2006年11月26日 10時56分)

里帰り出産をして、出産後もしばらく実家にいた。
4月なのに初夏を思わせるような天気だった日のこと。


母方の祖父が、娘(祖父にとっては曾孫)の顔を見に来た。
春にしては少しまぶしい日差しの中、祖父は縁側にあぐらをかいて座り、
娘を抱っこしてくれた。
娘はすやすやと眠っていた。
せっかく祖父が来てくれたので、娘が起きた顔も見て欲しくて、
私は眠る娘の頬をつついて「起きて〜」と言ってみるが、娘は起きない。
「せっかく来てくれたのに、寝ててごめんね。」と祖父に言った。
もともと無口な祖父は、何も言わずに、
娘を抱っこしがら、娘の顔を覗き込むように眺め、満足そうに微笑んでいた。


…と、そこで私は目が覚めた。隣では娘が眠っていた。
祖父が遊びに来たのは夢だったのだ。
寝ぼけた頭で良く考えて、祖父は6年前に亡くなっていたのだと気付いた。
亡くなっていた事を忘れるくらい鮮明な夢だった。

夢だったけど、祖父は本当に嬉しそうだった。
夢だったけど、祖父に喜んでもらえて嬉しかった。
夢を通じて、娘を見に来てくれたのだと思いたい。

里帰り出産を終え旦那の元へ帰る日の前日、母の実家の祖父の仏壇へお参りにいった。
「また遊びに来るからね。そしたらまた娘を見に来てね。」と願いながら手を合わせた。



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【41】

愛すべきおじぃちゃん達(1)  評価

たいちょ。 (2006年11月26日 11時00分)


ウチの親父は大酒飲みで、酒乱だった。
飲んで暴れて大騒ぎ・・・。
もちろんオレは、そんな親父が嫌いだった。

でも、そんな親父も初孫が出来て少しずつ変わっていった。
トシのせいもあったのかな・・。
だんだん、酒量も減り、酔うと大人しく寝ることが多くなったって母親が言ってた。
あんまり酔ったら孫に嫌われるから・・・って。

オレたちが遊びに行くときには、これがあの親父かと思うくらい嬉々としてお菓子なんかを娘に与えてた。
あんまり甘いものを与えるとオレたちに叱られるので、外に連れ出しこっそりやって・・結局バレて、叱られてた。

ある日、俺たちが実家に御飯を食べに行ったときのこと。

なんと、あの酒乱親父が味噌汁を作った。もちろん、料理なんかしたこともないのに。
少し不安だったけど、やがて食事が始まり、味噌汁を飲んで・・・みんな唖然!
なんと、味噌汁には大量の砂糖が入っていた。
ただ、親父の狙い通り、娘はニコニコしてすすってた。
親父もニコニコしてたな・・・。

親父が死んだとき、娘はずっと親父が寝かされてる布団の枕もとに座ってた。
親父、あんたの孫は今でも「おじいちゃんやさしかった」って言ってるよ。



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