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【73】 | ちも物語 ゑびす4 (2006年10月19日 15時03分) |
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『ちも物語』 君の名はちも。 ヘタレひよこ軍団の頭領である。 カエルのイニと共に,ある日彗星の如くピワルドに出現したひよこである。 そう,君はひよこ。 くちばしの色も黄色い。 黄色の産毛はまだふわふわだ。 だから,誰もがみんな君の事を触りたがる。 君は誰かに触られることをとても喜ぶ。 産毛を柔らかく撫でられると,君は目を閉じて無上の喜びを感じる。 時には,手荒く扱われることもある。 それでも君は,誰かに障っていて欲しいと思う。 そして,君は撫でられながらも,いつか空を飛ぶことを夢見ている。 しかし,にわとりは空を飛べない。 でも君は空を夢見ている。 きっといつかはピワルドを自由に飛び回り,まだ見ぬメスのひよこと結ばれる事を。 それは,甘い夢でしかない。 ここには,若いメスひよこは,いない。 やがて君は知る。 いるのは腐ったオスの野犬どもと,ドーランを塗らなければ皺を隠せないもう卵も産めないメスにわとりしかいないことを。 それでも君は夢見ている。 いつかは,白く艶やかに光る羽を持ったメスにわとりに出会う事を。 今日も君は,ピワルドへ出掛ける。 いそいそと。 そして,たどたどしい手でキーボードを打ち込む。 『僕の名はちも。誰か遊んで』 |
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